Smythson(スマイソン)

Smythson(スマイソン)は1887年にフランク・スマイソンがロンドンのニュー・ボンド・ストリートに店を構えて創業しました。初めは銀時計を中心に販売していましたが、1880年代の上流階級の旅行ブームに乗り、日記やノートなどトラベル商品を取扱い始めました。製品の高い品質が認められ、上流階級御用達の「トラベル用品ブランド」として名をあげ始めます。その歴史もあって現在もトラベルレザーアイテムのラインナップが豊富です。

創業間もない1890年代にはスマイソンのステーショナリーをエリザベス女王が所有するお城や宮殿に納品しました。その功績が認められ、1964年にエリザベス女王からロイヤルワラントを授与されました。その後1980年にウェールズ公、2002年にエディンバラ大公からロイヤルワラントを授与し、世界でも数えるほどしかない3つのロイヤルワラントホルダーになりました。

 

英国王室御用達「ロイヤルワラント」

世界各国の王室に商品を納入しているブランドに与えられる「王室御用達」の認定ですが、特にイギリス王室の「英国王室御用達(ロイヤルワラント)」は代表格。

厳しい審査や管理を経て、王室が実際に使用し、英国王室に最低5年以上納品している実績があるものから英国女王、エディンバラ大公、ウェールズ公が認めたものだけにそれぞれの紋章が与えられます。認定されたブランドは与えられた紋章(最大3つ)を掲げることができます。5年ごとに審査があり、常に高品質の商品を提供することが求められます。

左からライオンとユニコーンが描かれたエリザベス女王の紋章、血縁関係のあるデンマークとギリシャをモチーフにしたエディンバラ公(フィリップ殿下)の紋章、王冠に3本の羽根をあしらったチャールズ皇太子の紋章。

 

スマイソンが独自開発した「フェザーウェイトペーパー」

引用元:https://www.smythson.com/jpy/featherweight-paper.html

スマイソンのノートブックやダイアリーには、「フェザーウェイトペーパー」が使用されています。1916年に特許を取得したこの紙は、その名の通り、鳥の羽のように軽く、丈夫です。1平方メートルあたり50g、普通紙の半分の重さと厚さしかなく、薄くて軽い分、一冊に多くのページを収めることが可能となります。さらに、薄いにも関わらず、万年筆などのインク染みや裏抜けしません

あまりに画期的な紙であったため、以来、模造品が数多く出回りました。スマイソンのフェザーウェイトペーパーはペールブルーと呼ばれる淡い青色の紙に、地球儀と羽ペンを配した透かしが入っています。この透かしは全ページに施されており、本物のフェザーウェイトペーパーであることの証です。各国の証券や紙幣用の紙を製造する、英国の製紙専門工場にて、高度な技術を用いて作られています。

 

スマイソンといえば「日記手帳(ダイアリー)」

「フェザーウェイトぺ―パー」を使用した手帳は上流階級御用達となりました。当時はまっさらな紙の手帳にメモするだけの機能しかありませんでしたが、スマイソンの手帳は1日1ページの日記、郵便料金、外貨通貨、月齢早見表など機能面が充実しており、ヴィクトリア女王も愛用していました。スマイソンの日記手帳が今の手帳のベースとなっていると言っても過言ではありません。その後、トラベル用品から今のスマイソンの高級ステーショナリーブランドとしての地位を確立しました。

現在は多くの著名人が愛用している定番のノートや手帳といったステーショナリーをはじめ、パスポートケース、カードケース、バッグといったトラベル製品など幅広いレザーグッズを販売しています。

 

スマイソンのモノづくり – 生産国を長所で分ける

スマイソンのレザー製品は、英国、イタリア、スペインの小規模な職人工場で製造されています。

生産に使用する革は、ISO 国際規格承認を取得している、主にイタリア、スペイン、そしてフランスの皮なめし工場から調達しています。さらに独立した試験機関によりEU及び国際的な基準に合う革のみを選別しています。

イギリスブランドですが、それぞれ国の長所を生かして商品ごとに生産地を分けています。例えば、バッグはイタリアで製作していたりします。革製品の品質(縫製がしっかりしている)はイタリアが高く、技術を持った職人が多くいるためです。

それに対して、スマイソンが独自のレシピを数多く所有するステーショナリー、ノートブック、ダイアリーについては、英国のウィルトシャー州やハードフォードシャー州の自社工場で製作しています。

 

シンプルで高級感のあるブリーフケースが欲しい!

社会人になるとビジネス用品にまで物欲が広がりました。シャツ、ネクタイ、ジャケット、革靴など一式良いモノを揃えましたが、ブリーフケースは就活バッグのままでした。

就活時はギャツビーのビジネスバッグを使い、内定式でそのバッグを忘れたため、青山で泣く泣く7000円もする同じようなデザインの就活バッグを買って使っていました。

レザーバッグはソメスサドルのバックパックしか持っていなかったため、「アタッシュケースとはいわずとも、ちゃんとしたブリーフケースを持とう」という意識が強くなってきました。

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ブリーフケースを選ぶ基準、ブランド

素材

革製品(レザー)。良いモノを買うからには、長く使えて高級感のあるものが欲しいということで、素材はレザーを狙っていました。メンテナンスを怠らなければ長く愛用できます。ガンガン使いたいという方はTUMIなど耐久性で定評のあるナイロンを使用したものがおすすめです。

価格帯

10〜12万円以内。素材を革で絞った時点で価格帯が上がります。20万まで出せたらかなり選べる幅が広がるのですが、20代若手サラリーマンの私にはこの辺りが身の丈にも合っているかなと思います。

デザイン

シンプル。厚さも控えめなスリムなフォルムで単色のものを選びました。

機能性

シンプルさを追求しているため、機能性は求めていません。容量の目安として、ノートパソコン(Macbook pro 15インチ)が入れば問題ないです。

ブランド

革製品が有名なブランドから探しました。国内外問わず探し、候補に挙げたものは以下のブランドです。

  • Smythson(スマイソン)
  • 土屋鞄製作所
  • GLENROYAL(グレンロイヤル)
  • VALEXTRA(ヴァレクストラ)

 

ブランドの中から欲しいモデルが1つずつありました。

 

Smythson 「Panama スリムブリーフケース」(定価:17万)

引用元:https://www.smythson.com/jpy/navy-panama-%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B9-1020608.html

 

土屋鞄製作所「MAGNUS(マグナス ファスナートップブリーフ)」(定価:約15万)

引用元:https://tsuchiya-kaban.jp/collections/business_bag/products/mg-zip-top-brief

 

GLENROYAL「2ハンドルブリーフケース」(定価:約9万円)

引用元:https://glenroyal.jp/products/

 

VALEXTRA「マイロゴ ブリーフケース パドロック」(定価:40万)

引用元:https://item.rakuten.co.jp/auc-marks-run/310314014/

 

ご覧の通り、ほとんど予算オーバーです笑

グレンロイヤルは予算内ですが、高級感という意味で他の3つと比べると少し見劣りします。また、macbook pro 15インチだとギリギリ入るか入らないかのサイズ。しかし、通販なら6〜7万円で買うことができ、しかもブライドルレザーで使えば使うほど味わい深くなる点は魅力的です。セカンドバッグとして買いたいですね。

 

ヴァレクストラは予算オーバー過ぎます。並行輸入品でも25万円以上します。

 

ということで、土屋鞄かスマイソンに絞られました。どちらもデザイン、高級感申し分ありません。正直、どちらも欲しいです。

スマイソン土屋鞄
価格○(セール時)
耐久性

 

スマイソンは、定期的にセールを行うため、運が良ければ10〜12万円の予算で買えることもあります。土屋鞄はセールをしていないため、定価で買うしかないです。

耐久性では、土屋鞄のマグナスは、本体がヌメ革のため、私が所有している土屋鞄のヌメ革ペンケースから察するに傷が目立ちやすいです。これを経年変化として良いととらえるかどうかは個人の好みです。

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スマイソンのブリーフケースは、型押しレザーのため、傷が付きにくく目立ちにくいいです。悩んだ末にスマイソンのブリーフケースを購入することを決めました。

 

PANAMA コレクション

引用元:https://www.imn.jp/post/108057197906

1908年に発売されたパナマダイアリーからインスパイアされたPanama(パナマ)コレクションは、軽量かつ質感の美しいクロスグレインレザー(小さな菱形の格子模様を型押ししたもの)が特徴。見た目の美しさだけでなく、細かいキズなどが目立ちにくくなります。 スマイソンの定番人気コレクションです。

 

追記:Panama ブリーフケースの現行品

2019年当時のモデルは販売が終了しており、現在はフロントにジッパーが付いていないモデルは4つとなりました。

モデル名サイズ定価
Panama ライトウェイト ブリーフケースW41 x H39 x D7cm175,000円
Panama ライトウェイト ブリーフケース LW40 x H28.5 x D8cm205,000円
Ludlow スリムブリーフケースW39.5 x H28 x D6.5cm195,000円
Ludlow ブリーフケース LW40 x H28.5 x D8cm230,000円

PanamaとLudlowのブリーフケースにはそれぞれ「スリムモデル」と「ラージモデル」があります。Lモデルはジップラインが2本あり、収納スペースが2部屋あります。

Panamaは型押しパターンが変わりました。スリムモデルにはベージュとローズウッドの2色が追加されています。

Ludlowもクロスグレインカーフレザーが採用されています。こちらはシボ革のような型押しパターンです。ダークオリーブの1色が追加されています。

セールにかかるスマイソンのブリーフケースを探して9カ月…

スマイソンのPanama スリムブリーフケースを買うと決めたのは良いものの、定価17万はさすがにおいそれと出せません。当時は伊勢丹で18万で売っていましたが、人気商品のようで全くセールにかかりませんでした。

私は使ったことがないですが、Buymaで約13万で売られていましたが、悩んでいる間に売り切れました。海外通販サイトもよく探しましたが、当初欲しかったネイビーは販売されておらず、ブラックも10〜12万でセールになった途端売り切れました。

そうやって9カ月が経ち、大人しく定価で買おうかと思っていたところ、バーニーズニューヨークでセールになっているのを見つけました。ウィンターセール価格で30%オフの12万円。予算内です。しかし、オンラインの在庫はネイビー売り切れ。その後ブラックも売り切れました。

藁にもすがる思いで店舗在庫を調べ、ネイビー、ブラックの在庫がある店舗を2020年の年明けに訪れました。運良くMore saleを実施中で40%オフの10万円だったため、予算内に収まりそうです。

 

スマイソンの「Panama スリムブリーフケース(ブラック)」を購入

私が欲しかったネイビーは横浜店のみ在庫があったため、横浜まで行ってきました。ネイビー、ブラック、グレーの3色ありました。しかし、ここで気になることが…。

引用元:https://onlinestore.barneys.co.jp/men/men_bag/men_bag_briefcase/2087010.html?dwvar_2087010_color=3300
引用元:https://www.smythson.com/

 

 

 

 

 

 

左の画像がバーニーズニューヨークのネイビー色。右の画像が公式のネイビー色。

店舗でセールになっていたネイビーは色が薄くグレーっぽくて別物。オンラインで見たものと型番が異なるのか、魅力的な色ではなかったため、隣りにあった深みのあるブラックが欲しくなりました。10万円という過去最大のセール価格だったので、すぐにでも買う勢いだったのですが、ブラックのブリーフケース本体の外側に目立つ傷が…。革独自の自然なシワだと定員さんに言われましたが、どうみても検品を通らないであろう傷跡だったため、結構悩みました。

せっかく10万円のセール価格なのに、、と諦めかけましたが、新宿店にブラックの在庫があることを思い出し、在庫確認して急いで新宿店に行きました。

幸運なことに新宿店にまだブラックの在庫があり、ピカピカの状態で展示されていました。傷もなく状態が良かったので、すぐ店員さんに「これ買います!」と伝えて購入。定員さんも「10万円のセール価格になって在庫があるのは珍しい。」とおっしゃっていました。

 

ということで長くなりましたが、開封レビューしていきます。付属品はスマイソンのカバー袋のみ。スマイソン製品は水色のスマイソンの箱に入っているのですが、その箱やタグは付いていないとのこと。正規品を10万円で買えたので気にしていません。

 

  • ブランド:Smythson(スマイソン)
  • 素材:カーフレザー/コットンライニング
  • サイズ:W38 x H28cm x D7cm
  • 色:ブラック
  • 生産国:イタリア
  • 定価: 175,000円(税込み)

 

クロスグレインカーフレザーが高級感があって格好良いです。前ポケットなどが無く、デザインはとてもシンプル。スリムモデルのため、シングルジップです。

ブラックの色に金箔で型押しされたスマイソンのロゴマークが映えます。

 

パーソナライゼーション用のレザータグが付いています。公式通販、百貨店、ヴァルカナイズ・ロンドンなどの正規店でイニシャルを刻印サービスをしてもらえるものですね。バーニーズニューヨークでも職人が訪れてイベント期間中に刻印してもらえます。

キャンペーン期間外のため刻印はできませんでしたが、私はイニシャル不要なので、このレザータグは外して保管しています。

 

背面にはスーツケースに取り付けられるようにベルトがあります。

 

早速、先日購入したグローブトロッターに付けてみました。

Globe-Trotter(グローブトロッター)|スーツケース「オリジナル 20インチ(ネイビー)」購入
Globe-Trotter(グローブトロッター)|スーツケース「オリジナル 20インチ(ネイビー)」購入
Globe-Trotter(グローブトロッター) 1897年にデヴィッド・ネルケンにより創業されたGlobe-Trott.....

 

ベルトが緩んだり、傷むのを避けたいので、スーツケースとは別々に持つと思いますが、荷物が多いときは助かりますね。

 

取り外し&調節可能なショルダーストラップが付属しています。私は手でブリーフケースを持ちたい派なので使いません。タグと一緒に袋に保管します。

 

ベルトを着ける金具。

 

ブラックやネイビーに映えるゴールドジップ。ロゴ入りです。

 

底面には何も付いていません。レザーを地面に付けるのは抵抗があるので、底鋲が付いていても良いなとは思いましたが、シンプルなデザインを追求すると不要かもしれません。底面はフラットで面積もあるのでしっかり独立します。

 

内装はジップポケットが1つ、内ポケットが2つ。

 

イタリア製です。裏地はコットン。

 

お手入れ、メンテナンス方法

使用後に馬毛ブラシでブラッシングして、柔らかい布で乾拭きします。革の表面が乾いてきたら、クリームを入れます。特に持ち手などスムースレザーの部分はシワが入りやすいのでクリームケア必須です。

雨の日は使わないようにして、もし濡れたら布でたたくようにふき取り、陰干しします。使わないときは型崩れしないように緩衝材を中に詰めておきます。

傷が目立ちにくい素材なので、神経質になりすぎなくても良いとは思いますが、長く愛用するためにメンテナンスは欠かせません。

 

スマイソンのブリーフケースを安く購入する方法

スマイソンは夏と冬に大きなセールを実施します。最大50〜60%オフになるので欲しいものがあればそのセール時に買うのをオススメします。

スマイソン Smythson 公式オンラインストア | 1887年創業の英国ラグジュアリーブランドEnvelope IconArrow Down

130年もの伝統に根ざしたスマイソンは、英国ラグジュアリーを代表するブランドの一つとして最上級のレザー製品を作り続けています。美しくハンドクラフトされたバッグから小物、ノートやホームコレクションの幅広いラインナップをご覧ください。

 

しかし、人気商品やカラーはセールにならないことが多いです。このブリーフケースの現行モデルもおそらく人気色のネイビーはセールにかかることが少ないでしょう。セールになったとしても2割引きほど。また、スマイソンは大手セレクトショップで取扱いがあるため、そのお店のセール時に買うのも手です。

 

クラシックで高級感のあるブリーフケース

20代の若手サラリーマンには少し背伸びし過ぎな高級ブリーフケースですが、高くて良いモノを長く使いたいので奮発しました。お気に入りのものを身に付けると気分が上がります。これからの社会人人生はまだまだ長いので、出勤する日は毎回このブリーフケースを持って出かけたいと思います。

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