Globe-Trotter(グローブトロッター)

1897年にデヴィッド・ネルケンにより創業されたGlobe-Trotter(グローブトロッター)。ブランド名の由来は、地球(globe)を巡る(trot)。

エリザベス女王がハネムーン用のトラベルケースとしてグローブ・トロッターを選び、パイロットケースは現在もロイヤルツアーなどに愛用されています。

引用元:https://jp.globe-trotter.com/aero/#collection

ナチスによるファシズムの脅威から世界を救ったウィンストン・チャーチル卿は、アタッシェケースを愛用しました。

南極探検で有名なキャプテン・スコットを初めとした冒険家たちに愛され、今では世界中の人々に旅のパートナーとして選ばれ続けています。

映画「007」スカイフォールとコラボした世界限定100台ケースは007のオフィシャル・パートナーとして選ばれ続けており、映画内にも登場しています。

引用元:https://jp.globe-trotter.com/aero/#collection

 

グローブトロッターの扱うヴァルカン・ファイバーという素材は、特殊紙を何層にも重ね、樹脂でコーティングしたもの。ヴァルカン・ファイバーを使ったトラベルケースは、アルミよりも軽く、革よりも丈夫。金属にはない温かみのある質感が特徴で、耐久性も象が踏んでも壊れないと謳われるほど。実際にハンブルグ動物園で1トンの子象をトランクに乗せて耐荷重実験に成功しました。

引用元:https://jp.globe-trotter.com/heritage/

ブロックスボーンの自社工場で今でも創業当時と変わらぬ製法で、職人の手で一つ一つハンドメイドで製作されています。クラシックな佇まいを変えずに、旅をするほど味が出るトラベルケースとして今も尚人気を誇っています。

 

1つのパーツに対しての妥協ないこだわりに、「50年、100年かけて未来のアンティークになるようなトラベルケースを作る」という最上級のクラフトマンシップが表れています。

 

グローブトロッターの製作過程

 

レザーコーナー

英国のタンナーからブリティッシュ・レザーを取り寄せ、自社工場で型取りをします。かつて蒸気機関にも使われており、英国の歴史を象徴するものです。グローブトロッターのアイコンでもあるトラベルケースの四隅のレザーコーナーは11プロセス(5日間と8.5時間)をかけて最適な形と強度を確かめながら製作します。

ハンドル

スーツケースを組み立てる前に、芯をレザーで接着・48時間プレスする作業を含めて全て手作業で27プロセス(3日間と16時間。

レザーストラップ

当時、馬具を製作するのに使っていた1928年モノのマシンでレザーをカット、縫っていきます。10プロセス(3時間40分)。

スーツケースの組み立て

  • グローブトロッターに1人しかいない専業大工さんが地元のブナ材をフタの形に加工します。3プロセス(2時間40分)
  • ヴィクトリア朝時代から使われている裁断機で、刃の重さだけでヴァルカン・ファイバーを切っていきます。一枚一枚パネルを1901年に特許申請済みの手法で成形していきます。4プロセス(45分)
  • 部品は伝統的なハンマーと釘打ち手法で取り付けられます。8プロセス(1時間10分)
  • 内装生地をカットし、凹凸のないようにのり付けします。3プロセス(40分)
  • 強度と型崩れ防止のためにスチールの針を手作業で取り付けます。8プロセス(1時間15分)
  • 一つ一つ丁寧にスーツケースを検品します。24プロセス(25分)

合計 98プロセス(10日間と9時間35分)

一つのスーツケースにかける時間が半端じゃありません。

 

こんなの見せられたらコラボ製品やサイズ違いでトラベルケースを揃えたくなりますね。

 

高級スーツケースブランド「RIMOWA(リモワ)」と「Globe-Trotter(グローブトロッター)」オススメは?

  • RIMOWA(リモワ)

ドイツの高級ブランド。アルミ素材が定番。愛用者が多い。

  • Globe-Trotter(グローブトロッター)

イギリスの高級ブランド。クラシックなデザインとヴァルカン・ファイバーが特徴。

  • samsonite(サムソナイト)

アメリカの旅行鞄世界最大手。TUMI、グレゴリーなど名だたるブランドを買収しているためコレクションの幅が広い。

  • ACE(エース)

安定の日本ブランド。ZERO HALLIBURTONも買収している。

  • TUMI(トゥミ)

機能性なら敵なし。ビジネスバッグで日本人サラリーマンから絶大な信頼を置かれている。

  • ZERO HALLIBURTON(ゼロハリバートン)

月に行った歴史がある。2本のプレスラインがトレードマーク。

  • DELSEY(デルセー)

フランスのお洒落スーツケース。デザイン性に定評がある。

  • Bric’s(ブリックス)

家族経営約70年のイタリアのお洒落スーツケース。

スーツケースブランドはたくさんありますが、その中でも高級スーツケースブランドとして知名度を誇るのがRIMOWA(リモワ)とGlobe-Trotter(グローブトロッター)。

私もやっと仕事に慣れてきて、出張も増えてきたので、もうそろそろ良いスーツケースが欲しくてリモワ(Original, Cabin)とグローブトロッター(Original, 20インチ)でどちらを買おうか迷いました。

リモワグローブトロッター
デザイン◎
価格○13万△16万
耐久性
高級感
人と被らない(オリジナル性)
使いやすさ、機能性

 

デザインはアルミも高級感がありますが、グローブトロッターのクラシックで個人的に上品に見えました。リモワは安く手に入れれば8〜10万で買えます。耐久性はどちらも十分ですが、修理して長く使う点でグローブトロッター。

決定的なのは人との被り率。空港に行くと必ずリモワのスーツケースに出会います。オリジナルのアルミスーツケースも目立つのでよく見かけます。それに対してグローブトロッターは国内線だとあまり見かけません。人と被るのが好きじゃないのでこれは大きいです。なんだかんだイギリスブランドが好きなのもあってグローブトロッターを選びました。

 

グローブトロッターのコレクション

グローブトロッターのスーツケースはいくつかコレクションがあります。

 

ORIGINAL(オリジナルコレクション)

引用元:https://jp.globe-trotter.com/collection/

1897 年創業時からのデザインを引き継いでいる「オリジナルコレクション」。このシリーズは四隅のコーナーもボディと同素材のヴァルカン・ファイバーを使用しています。限りなくシンプルなデザインでオンオフ選ばず長く使えます。

 

CENTENARY(センテナリーコレクション)

引用元:https://jp.globe-trotter.com/collection/

グローブ・トロッター100周年を記念し発表された定番コレクション。四隅がレザー・コーナーになり、20インチ以上のものにはレザーストラップも付いてファッション性があります。

 

SAFARI(サファリコレクション)

引用元:https://jp.globe-trotter.com/collection/

スワヒリ語で「旅」を意味する「サファリ」。アフリカ旅行をイメージした1920年代の復刻コレクション。四隅のコーナーとレザーストラップに染色していないナチュラルレザーを使用し、使い込むほどにアメ色へと変化する経年変化を楽しめます。

 

CRUISE(クルーズコレクション)

引用元:https://jp.globe-trotter.com/collection/

真っ青な海と空、豪華客船のクルーズ旅行にインスパイアされたコレクション。英国王室から数少ない「ロイヤル」の称号を与えられている王室オフィシャルカラー「ロイヤルブルー」にネイビーレザーと中のライニングには「ロンドン・ピンストライプ」をあしらっています。

 

EMILIA(エミリアコレクション)

引用元:https://jp.globe-trotter.com/collection/

英国を代表する文豪、シェイクスピアの没後400 年を迎えてオマージュとなる「エミリア」コレクションが定番モデルになりました。シェイクスピアの代表作「オセロ」に登場する貴婦人エミリア。彼女が纏う華麗なドレスを彷彿とさせるリバティプリント「Emilia’s Flowers(エミリアスフラワーズ)」をライニングに採用。

 

ORIENT(オリエントコレクション)

引用元:https://jp.globe-trotter.com/collection/

豪華列車として名高いオリエント・エクスプレスをイメージ。アジアの伝統と自然の調和にふれ熱帯の薫風を駆け抜ける列車の旅にふさわしいケースとして誕生し、ヴァルカン・ファイバーに、日本の伝統工芸品である紅溜色の漆で仕上げ、光沢加工が施されています。

 

ROYALE(ロイヤルコレクション)

引用元:https://jp.globe-trotter.com/collection/

グローブトロッターの最上級ライン。光あふれる優雅な空間と繊細で軽快にはじけるグラスの泡、魅惑的な光を放つ黒い宝石、最高級のシャンパーニュとキャビアをたしなむ極上のライフスタイルからインスパイアされたコレクション「ロワイヤル」。パールのような光沢感は圧倒的な存在感で持つ人を優美に演出します。アメジストカラーも追加されました。

 

AERO(エアロコレクション)

引用元:https://jp.globe-trotter.com/aero/#collection

グローブトロッターが新時代に向けて発表した新コレクション「AERO(エアロ)」。人工衛星やロケットなどに使用される最先端素材「カーボン・コンポジット」を扱う東レ・カーボンマジック社との技術協力でグローブ・トロッターが独自に開発した、世界特許申請素材「エアロ・カーボン」を使用。高強度、高弾力性・耐衝撃性、超軽量の新素材が宇宙旅行までお供します。

また、今までクラシックな鍵のロックだったものを、デザインはそのままに新たにTSAロックを追加。これでアメリカ旅行で無理やり開けられたり壊されたりしません。加えて、グローブ・トロッター初の4輪を採用し、ハンドルは高級感のある木製のクラシックウッド。

日本人のデザイナーがデザインしており、ビジネスシーンにピッタリの最高級スーツケースです。2019年10月に予約受注販売し、30万以上の価格にも関わらず今は売り切れで注文できない状態です。

このほかにも百貨店や他ブランドとのコラボレーションモデルも多数あり、色や素材を選んでオリジナルスーツケースをつくるオーダーメイドサービスもあります。

 

「オリジナル 20インチ トロリーケース(ネイビー)」購入

見れば見るほどコレクションを揃えたくなるグローブトロッターですが、新社会人の私にはコラボ品や最上級ラインは買えませんので、定番のORIGINAL(オリジナルコレクション)を選びました。

高い買い物なので、如何に安く正規品を手に入れるか四苦八苦しました。結局楽天の通販で購入したのですが、またその話は別で詳しく説明します。ちなみにお値段10万円。(定価16万)

 

1人でギリギリ抱えきれるくらいの大きなダンボールに入っていましたが、ダンボールを持っただけでもグローブトロッターの軽さが分かるほど全く重くなかったです。

 

紙を開けた瞬間、ため息が出るほど美しいヴァルカン・ファイバーのボディが表れました。上と横のレザーハンドルと、引き出し可能なプラスチックハンドル部分はフィルムやプチプチでカバーされていました。

 

外観

NAVY/BLACK(ネイビーブラック)と呼ばれるカラーで明る過ぎず、暗すぎないネイビー色。伊勢丹のグローブトロッターの店員さんがこのネイビーが本国では一番定番で人気と言っていました。

 

埃が付いていたので軽くブラッシングしました。傷もなく一安心。

 

上部を含め、底面、横ハンドル、ロック左右、キャスターなど至る所にグローブトロッターのロゴマークが刻印されています。

 

キャスターは2輪なので、このロゴ付きの出っ張った部分でスーツケースを支えます。

 

2段階調整のハンドル

ハンドルの外装はプラスチック。中身はスチールっぽいです。

ハンドルは2段階で調整できます。

 

鍵穴ロック

ロックは鍵式。左右にあるので、それぞれ鍵をさして外側に回してロックします。

 

鍵でロックを解除した後、鍵穴を外側へカチッとずらすと、ロック下部がバタンと外れます。ロック下部をまた閉めると仮ロック状態になります。

AEROコレクション以外のモデルはTSAロックはついていません。アメリカへ旅行する際は使わない方がいいですね。鍵を壊されたら修理代がかかるので。

 

内装

 

オリジナルは中の内装もキャンバス生地のシンプルなもの。グローブトロッターのコラボレーションモデルは、この中のデザインが醍醐味だったりするので、開けて眺めるスーツケースもいつか欲しいです。

 

内部の上部に輝いているグローブトロッターのロゴ。「MOST FAMOUS SUITCASE since 1897」と書かれており、世界で一番有名なスーツケースというのは持ち主の所有欲も満たしてくれます。

 

シリアルナンバー

本物のグローブトロッター製品であることを証明するシリアルナンバーのプレートが打ち込まれています。最近のものは全て付いているはずなので、これだけでも偽物と本物を見分けられます。世界で一つのシリアルナンバーです。

 

機内持ち込み可の20インチのサイズ感

中身を固定するベルトのみでとてもシンプル。荷物を入れるのはこの片側のみです。

ハンドルなどの外パーツを含む外寸サイズは、55 × 40 × 18 cm(3辺 115 cm)でちょうど機内持ち込み可能なサイズです。公式サイトには横42cmと書かれていますが、これはハンドルを引っ張り出した状態のとき。ハンドルを畳んだ状態なら40cmです。(メジャーで測りました)

 

ANA・JALの機内持ち込み制限

100席以上の場合

  • 重量は10kg以内
  • キャスターやハンドルの長さも含む3辺の和が115cm以内かつ、3辺それぞれの長さ55cm×40cm×25cm以内

100席未満の場合

  • キャスターやハンドルの長さも含む3辺の和が100cm以内かつ、3辺それぞれの長さ45cm×35cm×20cm以内

 

容量は約34 Lで、重さ3.5 kg

ちなみにリモワの機内持ち込み可のオリジナルシリーズ「Cabin」は容量35Lで重さ4.3 kgなので、重さはグローブトロッターのほうが軽いです。

キャスターが付いている底面側はなだらかな傾斜があります。

 

上部はハンドルが外に着いており、横側も薄く張られたヴァルカン・ファイバーのみなので、内部の空間を広く保つことができています。片面開きで四隅が湾曲していなく完全に四角い箱のため、きっちりと荷物を隙間なく詰め込むことができます。

2 〜 3 泊程度の出張や旅行用に。一番使うサイズだと思います。

2つの鍵が革の紐でくくられてベルトに付いていたので、こちらは外してなくさないように一つずつ保管することにします。

 

グローブトロッターの保証書

唯一の付属品。ヴァルカン・ファイバーでしょうか?上質な紙に包まれています。

中身はケアガイド(CARE GUIDE)、保証書(片面TERMS、片面REGISTRATION CARD)、送付用保証登録書(REGISTRATION CARD)の3枚。

 

グローブトロッターのケア方法

https://jp.globe-trotter.com/cms/wp-content/uploads/2018/08/ATTENTION_000.pdf

日本語版は公式サイトにアップロードされています。

ロックのケアについて、開閉しづらい場合は 、スプレー式グリスをロック受け口のツメにさします。この油差しは保証期間内であれば無償で正規店で行ってくれます。その他、修理については購入店またはグローブ・トロッター レストレーションサービスに連絡を。

ボディに付いた傷や汚れは、程度によりますが、消しゴムで軽くこすると落ちるそうです。

完全防水ではないので水の中に沈んだら終わりですが、表面を撥水加工をしているため、雨で濡れるくらい問題ありません。濡れた場合は柔らかい布で十分に拭き取り、風通しの良い場所で自然乾燥させます。

 

保証登録方法(ハガキ送付 or ネット登録)

グローブトロッターの正規品は、海外正規品の場合は2年、日本正規店での購入なら10年の保証が付きます。

保証登録は右の送付用登録書に記入してハガキでイギリスへ送る方法と、グローブトロッター(UK)の公式サイトで登録する方法の2つがあります。

以前は本国のサイトに飛ぶと強制的に日本のサイトに飛ばされるみたいでしたが、今は普通に見れます。私はネットで保証登録しました。

Warranty | Luxury Luggage & Bags | Globe-Trotter Official Site

The Globe-Trotter Warranty is valid on all products for a period of two years from the date of purchase and covers defects in materials or workmanship.

<無償修理対象例>
・ハンドルなどの糸ほつれ
・ロックの不調
(故意に開けたとみられるものや、外部からの衝撃による破損と見られるものは保証対象外)
・トロリーハンドルの不調
(外部からの衝撃による破損とみられるものは保証の対象外となります)

<修理受付に関して>
・販売店舗にて取り扱っております。

 

後日、保証登録のお知らせが届くのでしょうか。とりあえず待ってみようと思います。

 

追記:シリアルナンバーが無事に登録されました!

数週間何の連絡もなく、「2年保証なんてなくてもいいや」と思っていたところ、2月18日に約1カ月越しにメールで連絡がありました。

並行輸入品だったので保証されるか不安でしたが、シリアルナンバーも本物だったようでちゃんと保証登録されました。英国本社に日本人スタッフの方がいるみたいで、メールの差出人は日本人でした。

 

 

グローブトロッターの経年変化を楽しむ

 

グローブトロッターのスーツケースは経年変化を楽しむのが醍醐味。キズだらけになって色落ちしてきてクタクタになったスーツケースが旅慣れしている風格を出すのだそうです。旅先のステッカーシールをペタペタ貼ったりと自分オリジナルのスーツケースを作っていけるのはワクワクしますね。

 

人生を共に歩む相棒のスーツケース

未使用の状態だと見るからに高級感漂うピカピカなスーツケースです。うっとりする外観ですが、スーツケースなので本来の目的通り、出張にガンガン使っていこうと思います。機内持ち込み可能ですが、傷だらけになっても構わないので面倒な時は預け荷物にしようと思います。

社会人1年目に高級スーツケースは生意気だと言われるかもしれませんが、社会人1年目だからこそ、これからの長い社会人人生を共に歩む相棒として1年目に買うべきアイテムだと思います。きっとリタイアする頃には世界で唯一の思い出がつまったアンティークになるでしょう。修理しながら長く使って、未来の家族に引き継げたら最高ですね。

最後に、グローブトロッターのハンドブック1ページ目の文を載せておきます。

 

‘The world is a book, and those who do not travel read only a page.’  St. Augustine 354-430

(世界は一冊の本である。 旅をしない人は、その最初の1ページしか知らない。)

 

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