ソメスサドル(SOMES SADDLE)

馬具製品から始まったブランドといえばエルメスが有名ですが、日本の北海道にも国内唯一の馬具メーカーが存在しています。それがソメスサドル(SOMES SADDLE)です。

石炭から石油へエネルギー源が変わり、炭鉱で栄えていた北海道の町が人口減少に陥りました。そこで、新しい企業誘致の一環として目を付けたのが馬具。北海道の開拓を支えてきた馬、馬具づくりの技術を守り、受け継ぎ、世界の頂点を目指すために馬具職人が集まりソメスサドルの歴史が1964年に始まりました。

ソメスサドルの社名の由来は、フランス語で「頂点」を意味する sommet と英語で「鞍」を意味するsaddle の組み合わせからきています。

 

プロと皇室に認められた馬具屋の心

ソメスサドルの馬具製品は、プロの競馬選手、馬術競技選手に愛用されています(JRAの騎手の7割以上)。人の命を預かることから切れてはいけない、伸びてはいけない、長持ちしないといけないと厳しい安全性と品質を求められる馬具において、ソメスサドルは絶大な信頼を受けていています。

また、宮内庁にも馬具を提供しており、皇室御用達ブランドとしても有名です。1989年の天皇即位の大礼では馬車具一式を納入し、2008年北海道洞爺湖サミットでは、各国首脳の記念品にソメスサドルのダレスバッグとボストンバッグがプレゼントされました。

「鞍」という字は「革」に「安」を添えます。
人の命を預かる鞍は、「安心・安全」を最優先するため、素材の選択と手作業に妥協が許されません。
武 豊氏やミルコ・デ・ムーロ氏をはじめとする国内外の競馬騎手の鞍を手がけ、
宮内庁に馬車具を納入する仕事のなかで、私たちは「本物」を造る心を学び続けてきました。
先陣の技と知恵を受け継ぎ、ものづくりに丹精を込める。
毎日の作業の中で生まれる小さな発見は、新しい技の創造に繋がります。

職人のハンドメイド

公式サイトより引用

ソメスサドルは創業以来、全ての製品を北海道の砂川市にあるファクトリーにて職人のハンドメイドで作っています。また、単なる「道具」、「売り物」ではなく、一生モノの製品づくりを信念に企画から製造、販売、修理までを一貫して行っています。もちろんMade in Japan。日本が誇る一流ブランドです。ソメスサドルは修理サービスが充実しているのが特徴的。「一生モノ」のモノづくりの精神で新製品を企画する段階から、修理することも前提に考えて製品づくりをしています。

 

馬具からファッション革製品へ

ソメスサドルの原点は馬具。これは今でも変わりません。そして現在では50年以上培ってきた馬具づくりの技術を生かして、本格的なファッション革製品を作っています。ベテランと若手が組んで、3〜4人のチームで多品種少量生産を行っています。国内唯一の馬具メーカーの高い技術が生かされた革製品は特に耐久性で評判高く、日本のエルメスと称されるほど。広告や宣伝をしていないため知る人ぞ知るブランドですが、今ではファッション革製品の製造販売が7割を占めます。

 

大人のレザーバックパックを選ぶ基準

良いモノを長く使うことを意識し始めた大学4年。それまで使っていたのはHerschel Supplyのバックパック。デニム生地の珍しい種類で人と被らずモノもたくさん入って留学含め大学4年間で色あせるまで使い倒しました。学生だった私がバッグに求めた容量、耐久性、それなりのデザイン、2万円以内の価格を満たす良いバックパックだったと思います。留学にはオススメ。

しかし、就活を機に社会人になる前にカッコイイ大人なバックパックが欲しくなりました。ありとあらゆるブランドを見て、私が大人のバックパックに求めたものは

素材

革製品(レザー)。高級感、大人っぽさ、長く使うと味が出る(経年変化)、を満たす素材は革でしょう。ビジネスとカジュアルの両シーンで使うことも考えました。

価格帯

4〜6万円以内。素材を革で絞った時点で価格帯は上がります。10万以上出せばカッコイイ大人のレザーバックパックはそれなりにあります。しかしまだ社会人になる前だった私にはこの価格帯が限度でした。1つのバックパックだけをずっと使うならそれなりにお金を出してもいいかもしれませんが、それではバッグもすぐボロボロになりますし、何より私は他にもバッグは揃えたい、むしろブリーフケースとかが本命なので、バックパックはこの価格帯に絞りました。

デザイン

シンプル。ファッションもそうですが、最高級の素材と限りなく無駄を削ったシンプルなデザインが最強だと思います。バックパックもシンプルなデザインで探しました。ポケット数は少なめ、横に出っ張りや膨らみがないスリムなフォルム、深みのある色など。

機能

デザインをシンプルで限定しているため、機能性はあまり求めませんでした。容量の目安としては、財布、メガネ、macbook pro (15インチ)、ペンケース、ノート、手帳、モバイルバッテリーやイヤホンなどのガジェットが入るくらい。

ブランド

素材を革(レザー)で決めたので、革製品が有名なブランドから探しました。国内外問わず見ましたが、価格帯やデザインからほとんど絞られ、高品質な革、職人のハンドメイドなどの点からも残ったのは二つ。ソメスサドルとMOTHERHOUSE。

人との被りやすさ

 

最後はソメスサドルとMOTHERHOUSEで迷いました。価格はMOTHERHOUSEのほうが1万ほど安いです。しかし、デザインの好み、Made in Japanの職人ハンドメイド、ブランドの歴史を考えるとソメスサドルに軍配が上がりました。最後の決め手は人との被りやすさ。MOTHERHOUSEのバックパックはブログやインスタグラムで取り上げられており、人と被るのが好きではない私は最終的にソメスサドルを選びました。社会人になって上京しましたが、MOTHERHOUSEのバックパックを背負っている人を定期的に見かけます。それだけ人気商品という証だと思うので、どちらが良い悪いはありません。単純な好みです。

ソメスサドルのバックパックを購入することを決めたのですが、当時はブラックとダークブラウンのみ在庫があり、私が欲しいネイビーがずっと在庫なしでした。(現在はネイビーとブラックの2色展開で在庫があります)

そこで、2018年6月に就活で東京を訪れたついでに直営店を訪れました。

 

銀座直営店 GINZA SIX

公式通販で画像は見ていましたが、高い買い物なので実物を見ておきたい。ネイビーのバックパックの在庫があることを祈って、ソメスサドルの直営店があるGINZA SIXを訪れました。高級ブランドが店を構えているため、大学生の場違い感が凄かったですが、バックパックを手に取りサイズ感など確認できました。優しい男性の店員さんが接客してくれました。あいにくブラックしか在庫がなく、ネイビーが販売再開されるまで待ちました。

そしてついに2018年の11月頃からネイビーが再販されました。自分へのクリスマスプレゼントととして即購入。

 

メンズバックパック「キャラバン(CARAVAN)」レビュー

こちらがソメスサドルのバックパック「CARAVAN(キャラバン)」。メンズバッグですが、女性が背負っても似合うデザインだと思います。

2018年11月に購入し、約1年が経ちました。当時の写真は残っていませんが、白いソメスのダンボールに丁寧に包装されて送られてきた記憶があります。ソメスのロゴがついた布のバッグケースに包まれていました。

 

特徴

  • 品番  CV-02
  • サイズ: 幅26.5cm  高さ38cm 奥行き12.5cm
  • 肩紐: 55cm ~ 94cm
  • 重さ: 0.9kg
  • 素材: オイルレザー
  • ポケット: 外 1, 内 1

背当てはメッシュ素材でより快適に。保護パッド付きPCポケットを装備。背負ったらこんな感じ↓

引用元:https://www.somes.co.jp/store2/products/detail.php?product_id=966

 

外ポケットのチャックに付いているさりげないロゴがカッコイイ。

 

太陽光でゴールドに見えますが、チャック(ジッパー)はシルバーです。当たり前ですが、安物のような引っかかりなどはなく、滑りが良く、開け閉めしやすいです。1年使って故障する気配もありません。

 

きめ細かい革質。1年以上使った状態でこれです。もちろんブラッシングやデリケートクリームの塗布等、丁寧にケアしながら使っていますが、これだけ綺麗な状態を保っているのは革質、つくりの良さだと思います。

 

裏はメッシュ生地。一つ一つの革部品が細かいステッチで縫われています。

 

チャック(ジッパー)は側面の下までしっかり下ろせるので、物の出し入れがしやすいです。また、チャックが斜めになっており、前に大きく開くのも工夫の一つ。スタイリッシュに見えるのでそれだけで満足です。

 

中はこんな感じでシンプル。

 

PCポケットが付いています。

 

刻印サービス(無料)

PCポケット部分のオレンジ色のタグは刻印サービス(無料)で付けてもらったものです。ソメスのバッグは一部を除き、希望の文字を刻印した小さな革タグをバッグの内装にはりつけてもらえます。

 

刻印タグの上にはソメスサドルのロゴタグ。

 

1年使ってみた感想

実物も見てじっくり選んだので良い意味で期待通りです。高級感、シンプルなデザイン、オンオフどちらでも使える汎用性。特に耐久性は乗り心地を保ちながらも60キロ以上の速度に耐える馬具づくりをしてきたソメスサドルの技術を感じます。部品の破損は全くなく、ほんのりシワが入ってきてゆっくりとした経年変化です。使い方とケアに気を付けていたとはいえ、1年使ったとは思えない外観。バックパック自体は軽く、背面メッシュ生地のおかげで蒸れることもありません。必要最低限の物も入ります。

唯一難点をあげるとすれば、macbook pro retina 15インチ(2014年)はギリギリだということ。もともと13インチのノートパソコンが入る設計なので、古いmacbook pro 15インチは想定していません。一応入れられますが、横にキツキツな状態で、型崩れしそうで怖いので、必要な時以外は入れていません。実物を見たときから分かっていたことですが、これだけ難点。新型macbook proならちょうど良いかもしれません。

その他は大満足です。ビジネスシーンはブリーフケース派ですが、このバックパックも合います。そして何より人と被らないのが良い。今まで一度も色違いですら同じバックパックを背負った人を見たことがありません。ブログに取り上げられている数も少ないです。これからも長く愛用していきたいと思います。

このバックパックを使う上で気を付けたことは

水に濡らさない

革は水に弱いため、雨の日は使っていません。防水スプレーをかけるという手もありますが、個人的に革に防水スプレーをかけるのが嫌なので、このバックパックはできるだけ雨に降られない日を選んで使っています。もしぬれた場合はすぐに乾拭きしてデリケートクリームを塗ります。

物を入れ過ぎない

物を入れ過ぎるとバッグの一部が出っ張ったりして型崩れします。スマートな見た目も台無しになるので、物を入れ過ぎないようにしています。外ポケットにはハンカチとティッシュと鍵。中にはノートパソコン、財布、メガネ、ペンケース、ノート、手帳、モバイルバッテリーやイヤホンなどのガジェット、その他小物を入れて少し余裕があるかないかくらい。容量を求めて買ったわけではないので別に不満はありません。

この2点だけ気を付けて使えばかなり長持ちすると思っています。

 

ケア、メンテナンス方法

ブラッシング

バックパックを使ったら、ブラッシングして埃や塵を落とします。こうすることで革の輝きも取り戻せます。

 

デリケートクリーム

月に1回を目安に、手で触って革が乾いてきたと感じたらデリケートクリームを塗ります。ブラッシングして、手や布でクリームを取り、満遍なく塗り込みます。塗り込んだあとは軽く乾拭き。シワができにくくなり、色も濃くなり、キズも目立ちにくくなります。おすすめのクリームはこの「[コロニル] 栄養クリーム 1909 シュプリームクリームデラックス

 

型崩れ防止

バックパックを使わないときは、型崩れを防止するためにエアピロータイプの緩衝材を中に詰め込んでいます。中が空っぽだと凹んで型崩れしますし、物を入れっぱなしでは変なクセもつくので、使わない時はこのように保存しています。使っている緩衝材はよくアマゾンのダンボールの中に入っているやつです。

 

レザーコンシーラーで色付け

ソメスサドルのバックパックは丈夫ですが、1年も使うと革の継ぎ目部分が削れたりしていて色抜けしています。そういう時はこの「[M.モゥブレィ] キズ補修・補色用クリーム レザーコンシーラー」を塗って色を付けます。半年に1回くらい。

 

最も重要なのは使用後のブラッシング。あとは気付いたときに以上のメンテナンス方法でケアしてあげると新品同様に長持ちしてくれます。壊れたり自分ではメンテナンス不可能な場合は、ソメスサドルに郵送して修理してもらえます。有料ですが、傷の修復から壊れた金具の取替まで一生モノの愛着品を復活させてくれるようです。

 

ソメスサドルのポイント交換商品

ソメスサドルの公式通販でバックパックを購入したのですが、その際会員登録をすると1000円ごとに1ポイントが溜まります。50ポイント、200ポイント、500ポイントでそれぞれ商品と交換ができます。せっかくなので50ポイントで「ミラー+グルーミングセット」と交換しました。

革製品を作るときの余った革で作られています。もちろん職人のハンドメイド。

グルーミングセット以外にも、エプロン、ネームタグ、キーホルダー、ティッシュボックスカバーなど50ポイントでも色々取りそろえています。

 

日本の誇る革ブランド

日本の革ブランドはいくつかありますが、その中でも歴史と確かな技術のあるブランドだと思います。シンプルで大人のデザインのレザーバックパックです。まずは10年、長い付き合いをしていきたいと思います

ソメスサドル【日本の革鞄と馬具】

日本唯一の馬具メーカー ソメスサドル(SOMES SADDLE)がつくる革鞄や革財布の公式オンラインショップ。北海道の砂川市に工場を構え、競馬騎手の鞍や宮内庁の馬車具他、様々な革製品をハンドメイドで製作・修理しています。since1964

コメントする

コメントを書く
名前