ツェルマット2日目
2017年8月。ヨーロッパ周遊旅行23日目。標高1620mのスイス、ツェルマットは夏でも気温の寒暖差があります。この日の早朝は気温が一桁。朝が弱い私でも、旅行中は不思議とすっきり早起きできます。窓を開けると新鮮な冷気が吹き込みました。
部屋から窓から朝日に照らされるマッターホルンが見えました。この日はトレッキング日。天気予報では曇り、または雷雨の予報でしたが、天気に恵まれそうで一安心。
7時半。ホステルで朝食を済ませてカメラと最低限の荷物を持って出発。
9時。Coopで昼食用におにぎりと飲み物を購入。おにぎりは1個3.8スイスフラン(約450円)。さすがはスイス物価。
ゴルナーグラート鉄道
9時半。昨日購入した切符でゴルナーグラート鉄道に乗車し、終点ゴルナーグラート駅まで一気に登ります。登山することも可能ですが、景色は同じですので、観光が目的であれば、ゴルナーグラート駅まで鉄道で登ってから、下りのトレッキングを楽しむのがオススメです。
ゴルナーグラート鉄道は1898年に開通した登山鉄道。ツェルマット村からスイス最高峰となるモンテローザやマッターホルンなど4000m級の名峰と氷河が広がるゴルナーグラート展望台を約40分で結びます。トンネルがないため、迫力のある眺望を楽しむことができます。通年運行しており、途中の駅で乗車、下車することが可能です。
ゴルナーグラート鉄道の停車駅
- ツェルマット Zermatt GGB (1604m)
- フィンデルバッハ Findelbach(1770m)
- リッフェルアルプ Riffelalp(2210m)
- リッフェルベルク Riffelberg(2582m)
- ローテンボーデン Rotenboden(2815m)
- ゴルナーグラート Gornergrat(3089m)
ゴルナーグラート展望台
日本人観光客も多いためか、乗車アナウンスで日本語が流れます。景色を楽しんでいたらあっという間にゴルナーグラート展望台に到着しました。自動改札を切符の磁気カードで通過します。
ゴルナーグラート天文台。1996年に建設された2つの塔の上部には赤外線及び電波望遠鏡が設置されたドームがあり、ドイツとイタリアの科学者により天体観測が行われました。現在は南側のみがケルン大学によって利用されています。
100年以上の歴史を誇るホテル・レストランも併設されています。
スイス最高峰のモンテ・ローザ、マッターホルン、スイス国内最高峰のドーム(ドム)といった4000m級の山と数々の氷河の壮大なパノラマ形式に圧巻。観光シーズンの夏でも雪が残っていますが、冬の景色も格別でしょう。
反対側には湖があり、左から、オーバーガーベルホルン、ツィナールロートホルン、ヴァイスホルンなどの山々がそびえ立ちます。
アルプス山脈で2番目に高い山であり、スイスの最高峰の「モンテ・ローザ」(左)とスイスアルプスで3番目に長い氷河「ゴルナー氷河」。複数の峰からなる山群の白い山肌・氷河と青い空のコントラストに息をのみます。
皆思い思いに写真撮影。
マウンテンバイクで下山する方もいるようです。
マッターホルンを横目にトレッキングと湖巡り。
一通り写真撮影に満足したら、いざ下山。一定の間隔で立て看板が設置されているので、標識を見ながらトレッキングルートを歩きます。ツェルマットまでは徒歩で3時間15分。
まずは、ゴルナーグラート山稜の中腹にある湖面に映る「逆さマッターホルン」で有名な山上湖「リッフェルゼー(Riffelsee)」を目指します。
ゴルナーグラート鉄道は夏場は頻繁に運行しているため、オレンジ色の鉄道とマッターホルンを写真に収める機会がたくさんあります。
砂利道やデコボコの山道が続くため、可能であれば登山靴を用意したほうが良いでしょう。麓でレンタルすることが可能です。
私はヨーロッパ周遊旅行の一環で訪れていたため、長袖長ズボンは用意していましたが、靴はスニーカーで、帽子や手袋、トレッキングポールといった備品は何もなく、軽装備で下山していたため、周りの観光客と比べると場違い感が出ていましたが、大学生の若さで乗り切りました。
観光客が積んでいるのか、岩が綺麗に積まれた場所もありました。
標高3000mでも花が咲いています。
リッフェルゼー(Riffelsee)湖で「逆さマッターホルン」を撮影
ゴルナーグラート駅からしばらく歩くと、「逆さマッターホルン」を撮影できることで有名なリッフェルゼー(Riffelsee)湖に到着しました。近くの「ローテンボーデン駅」で下車して立ち寄ることも可能です。
リッフェル湖までは、ゴルナーグラートの山頂から歩いて40分程度。湖が近づいてくると、隣りの山崖が意外と大きいことに驚かされます。
この日は風が強い日だったので、湖に波紋が出来てしまい、綺麗な「逆さマッターホルン」は撮影できなさそうでしたが、昼食と休憩がてら、30分ほど長居しました。
風邪は強いですが、天気には恵まれたので、マッターホルンを写真に収めることが出来ました。他の観光客に交じって、湖ギリギリの場所で三脚を立てて長時間露光撮影に臨みましたが、思うような鏡面は撮影できず。。。
おにぎり2個を食べながら景色を楽しみます。
友人は昼寝、自分はひたすら逆さマッターホルンを撮影。
満足のいくまで撮影できたので、次はリッフェルベルク(Riffelberg)を目指します。
少し下るとまた小さな湖があったので、ダメ押しで撮影。
リッフェルベルク(Riffelberg)
リッフェルベルク(Riffelberg)は、ゴルナーグラート鉄道の中間駅で、迫力あふれるマッターホルンの姿が楽しめる展望ポイント。
丘の上にたたずむ山のチャペル(礼拝堂)。
マッターホルンの迫力が大きくなりました。
リッフェルベルク駅には、老舗の山岳ホテル、レストランがあり、休憩スポットにもなっています。
ということで、トレッキングの途中ですが、休憩がてらビールを1杯。5〜7スイスフラン(約600〜800円)。空気は美味しいし、軽めのビールも体にしみるし、最高です。
次はリッフェルアルプ(Riffelalp)を目指します。
トレッキングルートには、「リッフェルゼー(リッフェル湖)」のほかに、「シュテリゼー(シュテリ湖)」、「グリンジーゼー(グリンジー湖)」という湖があるのですが、途中で道を誤ったせいか、たどり着けずにそのままリッフェルアルプ駅に着いてしまいました。
途中からすれ違う観光客が減り、ゴルナグラート鉄道の脇を歩くのは我々だけで、乗車客から視線を浴び続けていたので、なんか違うとは思ったのですが、後に引けずに駅まで一直線に来てしまいました。
牛さんたち。蝿がたかりまくって鬱陶しそうでした。
アルプスマーモットに遭遇することを期待していたのですが、穴はありましたが、逢うことはできませんでした。
湖にたどり着けず、この辺からめぼしい撮影スポットもなく、ひたすらリッフェルアルプ(Riffelalp)を目指します。
リッフェルアルプ(Riffelalp)駅に到着。間違えて購入した往復チケットを無駄にするわけにはいかないので、ここからは鉄道で麓に帰りました。
じっくり写真撮影しながら下山していたというのもありますが、10時頃から出発して帰り着いたのは16時頃だったと思います。夜ごはんもcoopで弁当を購入。ヘトヘトになっていたので、ホステルに帰ってご飯を食べてシャワーを浴びたら寝ていました。
スイスの避暑地というだけあって、家族連れも多く、それぞれのペースで登山、下山を楽しんでいました。鉄道を使えば長時間歩く必要もないので、自分の体力と相談しながらトレッキングと景色を楽しむと良いと思います。
このあと、スイスの都市部も巡りますが、個人的にはスイスを訪れるなら自然を観光することをオススメしたいと思うほど、このツェルマットの景色は印象的でした。