イタリア|ローマ写真旅② – コロッセオ、真実の口、マルタ騎士団の館、トレビの泉
イタリア|ローマ写真旅② – コロッセオ、真実の口、マルタ騎士団の館、トレビの泉
ローマ観光初日の午後はコロッセオの観光からスタート。

ローマ観光二日目はバチカン市国からスタート。(写真は2017年8月当時のもの)

バチカン美術館

出口。上部はミケランジェロとラファエロの彫刻。

バチカン美術館(ヴァチカン美術館)はバチカン市国にある、歴代ローマ教皇の収集品を展示する世界最大級の美術館。20以上の美術館や広場、中庭などで構成されており、イタリア語の館名は単数形のMuseoではなくMuseiと複数形になっています。16世紀末に教皇ユリウス2世により創設され、ミケランジェロたちに装飾されたシスティーナ礼拝堂をはじめとして人生で一度は見ておきたい美術品が詰まっています。

展示室は1,000以上、通路は7km以上もあり、館内構造も複雑です。15万点以上の作品があるため、見る作品と見学コースを絞って観光しないと、限られた観光時間では見回ることができません。

私も事前に「これだけは見ておくべき作品」を決めていましたが、写真撮影にこだわっていたらサン・ピエトロ大聖堂の観光と合わせて6時間半を費やしました。(9時〜15時半)。

 

バチカン美術館の入場チケットはネット予約がオススメ

バチカン美術館の入場チケットはネット予約がオススメです。当日に現地の窓口で購入すると夏のピーク時は灼熱の中立って並ぶことになります。

4€の手数料がかかりますが、大切な観光時間を費やすリスクを考えたらオンライン予約は必須です。予約開始は60日前から。繁忙期は予約チケットも売り切れになる可能性があるため早めに購入しましょう。購入したチケットは印刷するのを忘れずに。(スマホ表示可)

 

通常チケット(ADMISSION TICKETS):17€+4€(予約料)

 

公式サイト(英語)のオンライン予約に不安があったり、手配が面倒であれば日本語ツアーガイドを申し込むのも一つの手です。

 

入場のタイミングは朝一がオススメ

世界最大級の有名美術館だけあって、観光客が大勢押し寄せます。チケットの行列は朝一からできていますが、館内の混雑状況を考えると、朝一の入場がオススメです。私が訪れた日も朝から行列ができており、ネット予約して本当に良かったと思いました。

 

入場方法(予約者の列)

バチカン美術館の入口に近づくと、列が外壁側(左側)と車道側(右側)に分かれています。チケットを事前予約している場合は、右側の列に並びます。

また、列に並んでいるときにパスケースをぶら下げた人が話しかけてくることがあります。この人たちは詐欺師で、割高なチケットを売りつけてくるので注意してください。バチカン市国ではペットボトルの水と日傘売りもよく見かけました。ローマに限らずヨーロッパは物を売りつけてくる人がいるのでスリも含めて常に注意しましょう。

入口で手荷物検査を受けます。事前予約した場合も窓口で紙チケットへの引き換えが必要です。(記憶が曖昧で覚えていませんが、他のサイトに説明がありました)

 

2020年6月以降 バチカン美術館の営業時間

現在開館しているようですが、コロナウイルスの影響か、今までの営業時間とは少し変動があるようです。最新の情報は公式サイトより確認してください。

http://www.museivaticani.va/content/museivaticani/en/info/tutti-gli-orari.html

■営業時間
  • 月曜〜木曜日 10:00 – 20:00 ※最終入場 18:00
  • 金曜〜土曜  10:00 – 22:00 ※最終入場 20:00

※ 閉館30分前に退館する必要があります。

■休館日

・日曜
・2020年6月11日、29日、8月14日、15日、12月8日、25日、26日

 

ここからはバチカン美術館の作品を一部紹介します。

 

ピナコテカ(絵画館)

ピナコテカ(絵画館)は、フランスのナポレオンの侵略により略奪された作品が、ウィーン会議で返還が決定された事を機に建てられました。18の展示室があり、最盛期のルネサンスの巨匠たちの作品を中心に、絵画とタピスリーが展示されています。

 

ミケランジェロ作「ピエタ像」

ミケランジェロ作「ピエタ像」のレプリカも必見です。本物はサン・ピエトロ大聖堂の中にあります。

レプリカは近くで見ることができるため、作品の細かい芸術を見て味わうことができます。写真に収めるなら本物でしょう、ということでレプリカの写真は撮っていません。サン・ピエトロ大聖堂を紹介する時にフル画質の写真を載せますが、↓このような像です。

ミケランジェロが25歳の時に手掛けた傑作。永遠の若さを持つ母の腕の中で、死にゆく息子の姿が表現されています。聖母マリアが磔刑に処された死にゆく息子キリストを愛おしんでいます。母親としては顔が若すぎるという批判に対して、ミケランジェロは「マリアが若いのは彼女の永遠の純潔さからだ」と反論したそうです。

 

ラファエロ「キリストの変容」

キリストの起こした2つの奇跡(キリストが光を放ち、3人の弟子 左から「聖ヤコブ」「聖ペテロ」「聖ヨハネ」に神の子である事を告げた奇跡、悪霊に取り憑かれた少年を救う奇跡)が表現されています。キリストの左に「予言者エリヤ」、右に「予言者モーセ」が描かれています。

ラファエロの遺作と言われており、この作品がほぼ完成した1520年にラファエロはこの世を去りました。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチ「聖ヒエロニムス」

聖ヒエロニムスは、ダヴィンチの1480年頃の作品で、未完の大作。キリスト教の聖職者である「聖ヒエロニムス」が、荒野の洞窟で修行をする場面が描かれており、その前方のライオンはヒエロニムスが棘を抜いて助けたという物語に基づいて描かれています。この作品は、ダヴィンチがシスティーナ礼拝堂の壁画制作の選考にもれた際に描いた作品で、絵画には彼のその時の感情が投影されていると言われています。

ピナコテカの他の見どころは「ステファネスキの祭壇画(ジョット作)」、「キリストの埋葬(カラヴァッジオ作)」「聖母の載冠(ラファエロ作)」「フォリーニョの聖母(ラファエロ作)」などです。

 

ピオ・クレメンティーノ美術館

ピオ・クレメンティーノ美術館には古代ギリシャ・ローマ時代の彫刻が展示されています。ベルヴェデーレ宮殿の中庭である「八角形の中庭」を中心に12の展示室で構成されています。

 

ラオコーン像

八角の中庭で最も有名な彫刻が「ラオコーン像」。ミケランジェロなどの有名芸術家たちに大きな影響を与えた作品です。トロイア戦争で神官ラオコーンが女神アテナの怒りをかったために、2人の息子とともに大蛇2匹に絞め殺されるという場面が表現されています。

 

 

円形の間

「円形の間」は、シモネッティとミケランジェロがローマのパンテオン神殿をモチーフに製作した広間です。広間の中央には、4メートルを越える希少な赤大理石の一枚岩(斑岩(火成岩))で造られた大水盤(巨大杯)が置かれています。部屋を取り囲むように彫刻が並べられ、床はギリシャ時代のモザイクで飾られています。

写真だと観光客が少なく見えますが、これも朝一で入場したおかげ。人が多いときは柵を囲うように人でごった返します。

写真中央の像は「ヘラクレス」で円形の広間で最も貴重な像です。

 

ミューズの間 – ベルベデーレのトルソ

八角の中庭を抜けた先にあるのが「ミューズの間」です。中央に「ベルヴェデーレのトルソー」があり、その周囲を9人のミューズ(ゼウスの娘である9人の女神)のうち7人の像で囲んでいます。ミューズの像はは紀元前のものをローマ時代に模刻したもの。

見どころの「ベルヴェデーレのトルソー」は、紀元前1世紀のヘレニズム美術の傑作で、像には「アテネのアポロニウス作」と刻まれています。頭部と手足を破損していますが、筋肉美の表現はミケランジェロやラファエロを魅了したと言われています。

 

ギリシャ十字の間

「ギリシャ十字の間」は、その名の通り、等しい長さの2本線で構成される「ギリシャ十字」の形をした部屋です。中央の床の「アテネのモザイク画」、斑岩で造られた2基の石棺「聖コンスタンツァの石棺」と「聖ヘレナの石棺」が見どころ。

 

聖ヘレナの石棺

コンスタンティヌス皇帝の母「ヘレナ」のために造られた「聖ヘレナの石棺」です。ローマ南にあったヘレナの墓から運ばれてきました。騎士と蛮族の戦闘の場面が彫られています。

 

 

地図のギャラリー(Galleria delle Carte Geografiche)

幅6m、長さ120mの地図のギャラリーは16世紀に作られたイタリア各地の地図が、廊下の両側に展示されているギャラリーです。

壁に飾られた地図だけでなく、丸天井の端から端まで輝く黄金のスタッコ装飾が圧巻の美しさ。

地図のギャラリー出口にあるバチカンの紋章とレリーフ。

 

無原罪のお宿りの間(Sala dell’Immacolata)

 

1854年に教皇ピオ9世はが制定した「無原罪のお宿り」(聖母マリアが神の特別なはからいによって、原罪なしに生まれてきたとする教義)の教義制定から4年後の1858年に記念のフレスコ画制作を依頼しました。

 

ラファエロの間(Stanze di Raffaello)

ラファエロの間は、教皇ユリウス2世からグレゴリウス13世までが居住エリアとして利用していた部屋。教皇ユリウス2世に、ラファエロが装飾を託されました。

第1室「コンスタンティヌウスの間」、第2室「ヘリオドロスの間」、第3室「署名の間」、第4室「火災の間」の4室からなり、1508年から16年かけて、ラファエロとその弟子達で制作されました。

 

第1室 コンスタンティヌウスの間

4部屋の中で最も大きく、最後に完成した、コンスタンティヌス帝の生涯がテーマとなっている部屋です。ラファエロの死後に弟子達が手掛けた部屋で、「コンスタンティヌウス帝の洗礼」、「ミルウィウス橋の戦い」、「十字架の出現」、「コンスタンティヌスの寄進状」が描かれています。

 

第2室 ヘリオドロスの間

1512年から1514年のラファエロ生存期間中に制作されました。部屋内の壁を「宮殿から追放されるヘリオドロス」「大教皇レオとアッティラの会談」「ボルセーナの奇跡」「聖ペトロの解放」が飾っています。

天井画には創世記の物語「イサクの犠牲」「燃える柴」「ヤコブのはしご」「ノアの前に現れたヤハウェ」が描かれています。

 

第3室 署名の間(アテナの学堂・聖体の議論)

ラファエロの間で最初に完成し、4部屋の中でも最も有名なのが「署名の間」です。20代のラファエロがこの部屋の多くを一人で手掛けました。部屋の名前は教皇が公式文章に署名する作業を行っていた事に因んでいます。

この広間は、人間精神の最上とされる「真」「善」「美」を主題としており、それらは4つの絵画「アテネの学堂(自然的な真理)」「聖体の議論(超自然的な真理)」「枢要徳(善)」「パルナッソス(美)」で表現されています。中でも「アテナの学堂」と「聖体の議論」は、ラファエロの傑作です。

 

聖体の議論

上部の天上界は、中央のキリスト、頭上に神、左右に聖母マリアと養父ヨハネ、その周りを囲むように聖人、預言者達が描かれています。キリストの真下のハトは聖霊を象徴し、聖霊の左右には4つの福音書が描かれています。

下部は聖体顕示台が置かれた祭壇を挟み、両側の聖職者たちが「聖体の意義」について議論しています。「三位一体」が表現されている作品です。

 

アテナの学堂

聖体の論議の向かいにあるのが、ラファエロの最高傑作といわれる「アテネの学堂」です。古代ギリシャ・ローマ時代の偉大な哲学者や科学者たち50人以上が一堂に介して議論しあう様子が描かれています。

中央の赤い服を着た人物が哲学者プラトン(顔のモデルはレオナルド・ダ・ヴィンチ)で知識の源として天を指さしています。右の青い服を着た人物が弟子のアリストテレスは物理の確実性を示す様に地に手をかざしています。

中央下段で頬杖をついている人物はヘラクレイトス(顔のモデルはミケランジェロ)と言われています。

 

画角が狭くて全体像を収められませんでした。

右下の黒帽子を着て、唯一こちらに目を向けている人物が作者のラファエロ自身。その隣りで天球を手にしているのが預言者「ゾロアスター」、後ろ向きで地球儀をもっているのは地理学者の「プトレマイオス」であるとされています。他の登場人物の一部もラファエロの先輩画家たちがモデルとして登場しています。

 

署名の間の天井画

右上に「アダムとイヴの誘惑」、下は「枢要徳」(あらゆる徳を基礎づける4つの徳「剛毅」「賢明」「節制」「正義」)の「正義」が描かれています。

 

第4室 火災の間

火災の間ははかつて教皇の食堂として利用されていた場所です。

 

オスティアの戦い

レオ4世の軍隊がサラセン人(イスラム教徒)の襲来に勝利した場面が描かれています。本作は構図と多数のデッサンをラファエロが描き、それを元に弟子たちが完成させました。

 

システィーナ礼拝堂

バチカン美術館の一番の見どころが「システィーナ礼拝堂」です。教皇専用の聖なる祈り場であり、新しい教皇を選出する選挙「コンクラーべ」が行われる場所としても知られています。

奥行40m、幅約13m、高さ20mの巨大空間で、礼拝堂を飾る天井や壁面は美しい芸術作品の数々で埋め尽くされています。中でもミケランジェロの祭壇の壁画「最後の審判」と、天井画「天地創造」は美術史上に残る名作で知らない人はいないでしょう。人生で一度は目に焼き付けておきたい作品です。

残念ながら礼拝堂内部は撮影禁止のため、写真はありませんが、間違いなくヨーロッパで見た美術品の中でトップクラスに印象に残っています。目から入ってくる情報はもちろんですが、何よりその神聖な空気感が尋常ではなかった記憶があります。一番の見どころとあって観光客で部屋が埋め尽くされていましたが、礼拝堂の空気感の前に誰も大声を出す人がいなかったため、心ゆくまで見とれることができました。天井の「天地創造」から「アダムの創造」を見つけたときは興奮しましたね。

 

ジュゼッペ・モーモの螺旋階段

見どころを押さえつつ、3時間ほどでバチカン美術館の見学を終えました。「Uscita(Exit)」の案内沿って行くと、最後にジュゼッペ・モーモの設計によって造られた「螺旋階段」をがあります。

2重らせん階段なのに上りと下りが1つの階段のように見える設計になっています。写真好きとしてここの階段はぜひ綺麗に収めたいと意気込んでいたので、時間をかけて撮影したのですが、人が写り込まない写真を撮ろうとして夢中になりすぎ、1時間以上この場にいました…。

途中で隣りにいたアジア系のカメラマンと手持ちのミラーレスについて話が盛り上がったり、写真撮影を手伝ったり(退館した後でまた出会い、サン・ピエトロ大聖堂の前で記念写真を撮ってもらいました)した良い思い出。

おかげでこの日は昼ご飯は食べていません笑

 

 

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