イタリア|ローマ写真旅③ – バチカン美術館の見どころ、おすすめ作品
イタリア|ローマ写真旅③ – バチカン美術館の見どころ、おすすめ作品
ローマ観光二日目はバチカン市国からスタート。(写真は2017年8月当時のもの)

ローマ観光二日目。午前中にバチカン美術館を見学した後は、サン・ピエトロ大聖堂を訪れました。(写真は2017年8月当時のもの)

サン・ピエトロ広場  

サン・ピエトロ広場は、サン・ピエトロ大聖堂の正面にある楕円形の広場です。ジャン・ロレンツォ・ベルニーニの設計により、1656〜67年に建設されました。広場の幅は240メートル、奥行き340メートルで約30万人を収容できると言われ、日曜や聖日になると、ミサに参列する巡礼者たちで埋め尽くされます。

広場の中央にオベリスクが立っており、高さ15メートルの4列のドーリア式円柱による列柱廊372本と140体の聖人像が広場を囲んでいます。

 

サン・ピエトロは全ての教会の母なのであるから、母のように両腕を広げて受け入れることを表現した柱廊が望ましい。

設計者のベルニーニは古代ローマの闘技場コロッセオからインスピレーションを受けていたといわれています。世界中から救いを求めてサン・ピエトロ広場に集まる信者たちを想い、広場を訪れる人々により大きな感動を与えようと、この広場には様々な仕掛けが施されています。

信者は後ほど紹介するサンタンジェロ橋から広場に向かってきます。そこには10体の天使が信者を迎える形で配置されています。この橋を渡りながら、受難の道を越え、長い旅路の果てに辿りついた信者たちをサン・ピエトロ広場という巨大な空間が手を広げて出迎えるという一連のストーリーです。

 

柱がピッタリ重なる特別な場所「ベルニーニポイント」

サン・ピエトロ広場にある「centro del colonnato」と書かれた場所に立って円柱を見ると、4列の柱がぴったりときれいに重なります。ベルニーニポイントと呼ばれており、ここに立つと視界を遮っていた円柱が減り、広場の外側の景色が見通すことができます。

これもベルニーニの仕掛けで、この場所を中心に放射状に円柱が立てられていることが分かります。外の世界から閉じられた広場のようで、実は同時に世界に開かれている広場である(世界中の信者にも救いをもたらす)という、一見相反する意図を満たす空間となっているのです。

centro del colonnato(ベルニーニポイント)」は、オベリスクと噴水の間の2か所にあります。

 

写真の通り、ここに立つと円柱がきれいに重なります。

柱廊の上には140体の聖人像もただの飾りではなく、信者たちが聖人達から守られていると感じられるようにする演出のために配置されています。

広場の中央には高さ約25mのオベリスクがあります。オベリスクは古代エジプト時代に多く製作され、神殿などに立てられたモニュメント、記念碑の一種です。

世界に現存しているオベリスクは30本でその内の13本がローマにあります。サン・ピエトロ広場のオベリスクはローマにある13本のオベリスクの中で唯一、一度も倒れることがなかった神聖なものとなっています。

 

更にオベリスクを円状に囲む様に天使の顔のレリーフ「ウエスト・ポネンテ」があります。

 

映画「天使と悪魔」で見たことのある人もいるでしょう。劇中では、天使の吐く息の方向が次の殺害現場を示すとされていました。

 

サン・ピエトロ大聖堂

サン・ピエトロ大聖堂は、バチカン市国のサン・ピエトロ広場の西側に面して建つ高さ120m、幅156mのキリスト教最大の建造物です。324年にキリスト教を公認したコンスタンティヌス帝の命によって建てられた聖堂がオリジナルで、その後も数々の天才芸術家が聖堂の建て替えに加わり、1626年に完成しました。世界に10億人以上の信者を持つカトリックの総本山です。

サン・ピエトロの名前は聖ペトロから来ています。聖ペトロとは、キリストの十二使徒の筆頭で、暴君ネロによって紀元64年に逆十字架に掛けられて亡くなりました。サン・ピエトロ大聖堂や広場の由来にもなっており、その遺体は現在の大聖堂の真下に埋葬されています。(聖ペトロの墓地については、本当にペトロのものであるか分からないというのが実情のようですが)

 

サン・ピエトロ大聖堂の営業時間

  • 7:00~19:00(4~9月)
  • 7:00~18:30(10~3月)

 

クーポラの営業時間

【エレベーター】

  • 7:30~18:00(4~9月)
  • 7:30~17:00(10~3月)

【階段】

  • 7:30~17:00(4~9月)
  • 7:30~16:00(10~3月)

※ 日曜のミサ、宗教行事の日などがある日は休館となります。

※ 毎週水曜は午前休館、午後1時から入場可能な場合もあります。訪れる前に開館しているかどうか確認してください。

 

サン・ピエトロ大聖堂、クーポラの入場料

  • 大聖堂:無料
  • クーポラ:10ユーロ(エレベーター)、8ユーロ(階段)

 

広場の仕掛けを一通り体感した後は、サン・ピエトロ大聖堂の入場列に並びました。灼熱の中並ぶので体力が要ります。水分補給は必須。日本風の日傘やペットボトルの水を売りつけてくる人もいます。暑さに耐えられず購入する観光客が写真の通り結構います笑

こちらも朝一に並べばすぐ入場できるため、バチカン美術館とどちらを優先するかですね。私は並んでいる間に広場の景色を楽しめる点で大聖堂の列に並ぶ方が良いと思います。

 

サン・ピエトロ大聖堂 入口の看板
引用元:https://amazing-trip.xyz/t-blog/san-pietro/

入場の注意点

大聖堂は神聖な場所のため、極端に肌の露出の多い服装だと入場できない可能性があります。スカーフなどを使って肌の露出を隠しましょう。また、教会でも同じですが、帽子を着用しての入場は禁止です。キリスト教に馴染みのない日本人だと暑い中、ついつい帽子を被ったまま入場してしまい注意されることがあるので気を付けてください。

写真撮影は三脚とフラッシュはNGですが、撮影可能です。

安全面などの理由から、スーツケースや大きめのリュック、ベビーカーの持ち込みは禁止されています。事前にクロークルームに預けましょう。

 

スイス人の衛兵

バチカン市国とローマ教皇を警備を伝統的に警備しているのが、110名のスイス人の衛兵です。皆さんイケメン!赤・青・黄のド派手な制服もばっちり着こなしてますね~(笑)スイス人のカトリック教徒で、成績・スポーツの優秀な人物が選ばれるそうですよ。

現在のスイスは、中立国家として傭兵を禁止していますが、儀礼的要素が強いことなどからこの衛兵たちは例外として維持されています。現在では数少ない傭兵隊であり、現存する国軍では創設時期が最古の軍です。
Wikipedia引用:
21世紀現在、スイスではスイス衛兵はスイスの雇用を担うものとして考えられている。月収は1500スイスフラン(約11万円)程度と薄給であるが、免税、国民健康保険料支払い免除などの特権や住宅費と食費の保証などがある。そのほか在任中に外国やITを学べるために外国での職業訓練という性格がある。景気の上下とともに志願者の変動があるものの一定の需要がある働き口である。採用基準は以下の通り。
  • カトリックのスイス市民
  • 年齢は19歳から30歳まで
  • 身長は1.74メートル以上
  • 中等学校または相当する職業訓練校と、スイス軍の基礎訓練課程を修了
  • スポーツ能力と人品が良好であること
  • 伍長と兵は独身であること

 

手荷物検査を終えて進むと入口が近づいてきました。まずは大聖堂に入場します。

 

大聖堂の5つの扉

入口の階段を上がると、玄関廊があり、内部へ通じる扉が「聖なる扉」「秘蹟の扉」「中央の扉」「善と悪の扉」「死の扉」と5つあります。

「聖なる扉」は聖年(カトリック教会において、ローマ巡礼者に特別の赦しを与えるとした年。100年ごとにの節目は大聖年。)に合わせて25年に一度しか開かない扉です。この扉を含め4大聖堂の聖年の扉を全てくぐると、罪の償いが許されるそうです。

聖なる扉

 

サン・ピエトロ大聖堂に入場すると、迫力のある圧倒的な空間が飛び込んできます。

 

ヨーロッパで数々の教会や聖堂を見てきましたが、やはりローマは頭一つ抜けて美しいです。

 

ミケランジェロ「ピエタ」

中に入ってすぐ右手にあるのが、ミケランジェロのピエタです。バチカン美術館でレプリカを見ましたが、本物は大聖堂の中にあります。ミケランジェロが25歳の時に手掛けた傑作。永遠の若さを持つ母の腕の中で、死にゆく息子の姿が表現されています。聖母マリアが磔刑に処された死にゆく息子キリストを愛おしんでいます。母親としては顔が若すぎるという批判に対して、ミケランジェロは「マリアが若いのは彼女の永遠の純潔さからだ」と反論したそうです。

過去にピエタを破壊しようとした事件があったため、現在は防弾ガラスで覆わています。

 

大天蓋(ベルニーニ作)

大聖堂の主祭壇には、4本の螺旋状の柱に支えられたベルニーニ作の大天蓋(バルダッキーノ)が鎮座しています。高さ29メートルの銅製で、ローマ教皇「ウルバヌス8世」の命によってベルニーニが手掛けました。大天涯の真下に「聖ペテロ」が埋葬されています。

 

 

聖ロンギヌス像(ベルニーニ作)

天蓋を囲む4つの柱には、それぞれ聖遺物を納めている祭壇があり、聖遺物に関連する聖人像が置かれています。1つだけご紹介。1639年にベルニーニが手掛けた聖人像。ロンギヌスは、ローマ帝国の兵士で、キリストがゴルゴタの丘で磔刑にあった際に、その生死を確かめるために左脇腹に槍を突き刺したと言われています。聖槍「ロンギヌスの槍」と聞くと中二病心がくすぐられます。この槍の穂が、キリストの身体に触れた聖遺物となっています。

 

 

アレクサンデル7世の墓碑(ベルニーニ作)

ベルニーニのパトロンだった教皇アレクサンデル7世の墓碑です。ベルニーニの晩年、80歳の時に手掛けたもので、「砂時計」の金色のオブジェクトが飾られ、「過ぎゆく時のなかで死は誰にも避ける事ができない」という事を表現しています。

 

 

聖ペテロの司教座(ベルニーニ作)

祭壇の奥の後塵にベルニーニが1666年に手掛けたブロンズ装飾の「聖ペトロの司教座」があります。120トンものブロンズが使用された豪華な見た目は圧巻の一言。

 

ベルニーニはこの司教座の完成と共に大聖堂の装飾を完成させました。司教座の中には聖ペテロが使用したと言われる木製の玉座が収められています。

 

オレンジ色に光輝く円形部分には、聖霊の象徴である鳩が描かれ、それを取り囲む様に飛翔する天使たちが配置されています。

 

ここは何の空間か忘れました…。これ以外にも宝物館(有料)などがあります。だいたい30分〜40分で見て回れるでしょう。

 

 

サン・ピエトロ大聖堂のクーポラ

一度サンピエトロ大聖堂を出て、クーポラの入口から登ります。ここでまた行列に並ぶことがありますが、私の時はそんなに長く並ばなくて済んだ気がします。(20分程度)。

また、上り方は階段とエレベーターの2通りあります。階段は全551段あり、エレベーターを使うと残りの320段を自分の足で上る必要があります。これだけ見ると階段のほうがお得感ありますが、意外ときついのでエレベーターをオススメします。

エレベーターで上りたかったのですが、当時は現金でしか入場料を支払うことができなかったため、現金を持ち合わせておらず、8ユーロ(現在10ユーロ)をギリギリ支払えず、6ユーロ(現在8ユーロ)の階段で上りました…。

大聖堂内部、バチカン美術館などと合わせて見学すると、足をかなり酷使しますので、一緒に階段を上る観光客とゼーハーゼーハー息切れしながら上った記憶があります。注意書きで心臓の弱い方はエレベーターの利用を推奨していました。

ぐるぐるらせん状の階段と狭い階段をひたすら上ります。

 

途中で大聖堂の内部を見ることができるポイントがあります。

 

バチカン市国を一望

ヘトヘトになりながら最上階に着くと、そこにはバチカン市国を一望できる素晴らしい景色が広がっていました。昼間に上ったこともあり、青空もきれいです。(朝一は入場しやすい時間帯ですが、クーポラが東に位置するため、逆光になるそうなので注意)

360度見て回ることができます。

サンタンジェロ城、パンテオンが小さく見えます。

 

バチカン大聖堂の裏側にあたる西側には、バチカンの政庁舎があります。世界一小さな国バチカン市国の政府です。

 

手前がシスティーナ礼拝堂、奥がバチカン美術館です。

 

この写真が撮りたくてキツい階段を上りきったので、この景色を見ることができて疲れも吹っ飛びました。夏は晴れていて天気も良いのでオススメです。(灼熱の暑さですが…)

写真を撮って満足したらまた階段をひたすら降ります。

 

スイス人衛兵隊 立哨詰所

入場前にも見かけたスイス衛兵ですが、大聖堂の左手にも立っていました。青、赤、オレンジの派手な縞模様の制服は目立ちますね。当時世界最強と謳われた傭兵です。この暑さの中微動だにしません。

 

 

サンピエトロ大聖堂のファサード

最後にサン・ピエトロ大聖堂のファサードを拝みました。中央バルコニーで新ローマ法王の誕生時が発表されます。ファサードの上部には、ヨハネとペテロを除く11使従の彫像が並んでいます。太陽の光も相まって神聖な雰囲気です。

写真に写っている「聖ペテロ」の右手には、キリストから授かった天国への鍵が握られています。

 

 

 

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