ローマ観光初日の午後はコロッセオの観光からスタート。
所要時間
コロッセオ、フォロ・ロマーノ、パラティーノの丘、カンポドーリョ広場を一通り見学するなら3時間が目安。私は時間が限られていたので2時間でササッと見ました。
服装・持ち物
夏は特に日差しが強く、日陰がほとんどないです。日焼け止めを塗り、飲み物を必ず持ち歩いて水分補給必須。帽子やサングラスを着用するのもありです。遺跡内はそこまで整備されていないので歩きやすい靴はマスト。お手洗いはフォロ・ロマーノの出入口(無料)が使えます。
コロッセオ
ここからコロッセオを含む周辺施設の観光がスタートしますが、目安の所要時間と持っていくべき物を紹介します。
コロッセオは、ローマ帝政期に造られた円形闘技場。建設。
ウェスパシアヌス帝が即位した頃のローマは、大火災や内戦でボロボロだったため、首都の再建を進める上で、市民を懐柔するための娯楽施設として円形闘技場コロッセオ(当時の正式名称はフラウィウス円形闘技場)の建設が検討されました。西暦70年〜80年にかけて建設され、長径188m、短径156m、高さ48mの楕円形で約5万人を収容できる施設となりました。東京ドームと同じ収容力の建物が2000年前にあったことが驚きです。
コロッセオの構造は、地下、アリーナ、そして全4階の観客席となっています。
アリーナはほとんどが壊れてなくなっており、写真中央に見える半月型の床部分が再現されたアリーナです。ここが剣闘士の闘いのフィールドでした。午前中は猛獣と剣闘士の闘い、昼は罪人の処刑、午後は剣闘士同士の闘いと派手なプログラムで市民の反乱の芽が出ないよう娯楽に没頭させました。
アリーナの下、むき出しになっているのが地下です。猛獣の檻、剣闘士たちの待機場所があり、巨大な猛獣の入った檻をアリーナに持ち上げる巻き上げ機、剣闘士を登場させる跳ね上げ式の出入り口など、登場を盛り上げる仕掛けがたくさんあります。
観客席は1階から4階までアーチ状に配置されています。この設計計算技術は現代技術にも引けを取らない高度技術が使われており、2000年前の建築物とは思えません。
1階は貴族階級、2階は騎士、3階は一般市民、4階は市民権を持たない奴隷や女性の席と分けられていました。4階への階段はわざと狭く造られており、奴隷たちの退場を遅らせることで身分の高い階級の入退場をスムーズに行わせる工夫もあるとか。
猛獣や剣闘士の闘いだけでなく、アリーナの床を取り外して水をはり、実際に船を浮かべて模擬海戦も行われました。海戦が得意な古代ローマらしいプログラムです。このため、コロッセオに水を引くことも考えて建築されており、あらゆる面で発想力と技術力に感服します。ちなみに壁面の穴は戦傷の痕ではなく、建設および補修時の足場用の木材を挿入するための穴です。
高難易度な技術で作られた巨大な建造物が約2000年前から倒壊せずに現存していることが奇跡です。一生に一度は見ておきたい観光スポットです。
コロッセオ含む周辺施設の営業時間、入場料
コロッセオを含む周辺施設(フォロ・ロマーノやパラティーノの丘)の営業時間は時期によって頻繁に変わるため、注意が必要です。最新情報は公式サイト参照。
コロッセオは安全上の理由により、最大3000人までしか中に入ることができないため、混むと並びます。荷物のセキュリティチェックもあります。
営業時間
1/2〜2/15 | 08:30 ~ 16:30(入場は15:30まで) |
2/16〜3/15 | 08:30 ~ 17:00(入場は16:00まで) |
3/16〜3月最終土曜日 | 08:30 ~ 17:30(入場は16:30まで) |
3月最終日曜日〜8/31 | 08:30 ~ 19:15(入場は18:15まで) |
9/1〜9/30 | 08:30 ~ 19:00(入場は18:00まで) |
10/1〜10月最終土曜日 | 08:30 ~ 18:30(入場は17:30まで) |
10月最終日曜日〜12/31 | 08:30 ~ 16:30(入場は15:30まで) |
コロッセオの入り口はコンスタンティヌスの凱旋門近く、建物の西側にあります。長蛇の列があるのでそこに行けば辿り着きます。
私が訪れたときはチケット売り場は思っていたほど混んでおらず、チケット購入〜荷物検査含め20分ほどでした。スムーズに観光したい場合は前もってチケット予約することをオススメします。。
入場料、チケット購入の裏技
現地チケット |
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オンライン予約チケット | 18ユーロ(手数料2ユーロが含まれます) |
ローマパス | 予約サイトで時間の指定が必要 2ユーロ |
毎月第1日曜日はローマの国立博物館や美術館などが入場無料になります。お得ですが、逆に言えばこの日は有名観光スポットがかなり混むことが予想されます。
コロッセオは特に混むため、裏技としてフォロ・ロマーノやパラティーノの丘でチケットを購入するとスムーズに買えます。共通チケットなのでコロッセオにもそのチケットで入場できます。
ローマパスはオススメしない?
【ローマパス72時間】
・料金:€38.50
・最初の2施設は無料で入場可能
・2施設目以降からチケット、イベント、ツアーサービスの割引
・ATAC社運営の地下鉄、バス、トラムが乗り放題
【ローマパス48時間】
・料金:€28.00
・最初の1 施設は無料で入場可能
・1施設目以降からチケット、イベント、ツアーサービスの割引
・ATAC社運営の地下鉄、バス、トラムが乗り放題
ローマパスというものがありますが、こちらはオススメしません。無料入場施設にコロッセオが含まれますが(時間指定2ユーロ必要)、他の施設はマイナーな観光スポットしかないため、ローマをじっくり深く観光したい人以外にはお得感はないです。私は徒歩観光だったのでさらに必要ありませんでした。
コンスタンティヌスの凱旋門
西の副帝だったコンスタンティヌスが、ミルウィウス橋の戦いで正帝マクセンティウスに勝利し、西ローマの皇帝となった事を記念し建てられたもの。
高さ21m、幅25.7m、奥行き約7.4m。こちらも約1700年間現存している貴重な建築物。コロッセオからもよく見えます。
フォロ・ロマーノ
フォロ・ロマーノは古代ローマ遺跡で、世界遺産に指定されています。「賽は投げられた」の言葉で有名なユリウス・カエサルが演説をし、歴代皇帝たちが凱旋した場所でもあります。
現在は基礎や柱の一部のみが残っています。セプティミウス・セウェルス帝の凱旋門、元老院議事堂(クーリア・ユリア)など。
遺跡の類いは前回のアテネでお腹一杯だったこともあり、じっくり見ずにとにかく歩き続けました。暑くて熱中症になりそうになりながら、途中の自動販売機で水も買いながらとにかく歩きます。
ウェヌスとローマ神殿
パラティーノの丘
パラティーノの丘は、フォロ・ロマーノの南側に隣接した遺跡。時間があれば見るといいかなという印象。
カンピドリオ広場(カピトリーノ)
フォロ・ロマーノから出て坂を登っていくとカンピドリオ (カピトリーノ) というローマの七丘の一つに辿り着きます。 ローマの七丘でも最も高い丘で、ローマの守護神の神殿があり、ローマの中心でした。現在はローマ市庁舎があります。
前回紹介したミケランジェロ先生が設計したカンピドリオ広場があり、中心にはマルクス・アウレリウス像が立っています。
真実の口(サンタ・マリア・イン・コスメディン教会)
営業時間 |
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入場料 | 2ユーロ ※教会は無料 |
カンピドリオ広場から道路沿いを歩いていくと、かの有名な真実の口に着きます。サンタ・マリア・イン・コスメディン教会(Santa Maria in Cosmedin)の正面柱廊の奥にあります。人が並んでいるのが分かりますでしょうか。
真実の口に刻まれている顔は海神オーケアノスのものとされ、手を口に入れると、偽りの心がある者は、手を抜く時にその手首を切り落とされる、手を噛み切られる、あるいは手が抜けなくなるという伝説があります。
映画「ローマの休日」では、新聞記者のジョーがアン王女を驚かそうとして、手が抜けない演技をするシーンがあまりに有名。この日も多くの観光客が並んで手を入れていました。私は長蛇の列には並ばず、柵越しに真実の口の写真を撮って退散。
アランチ庭園
有名観光スポットではないですが、真実の口やマルタ騎士団の館の近くにある見晴らしの良い丘です。細く高い木々が特徴的。ローマの街並みやバチカン市国を眺めることができるので休憩にももってこいです。結婚式を挙げていたり、夕日が綺麗だったりとロマンチックな庭園なので隠れ観光スポットとしてオススメ。
マルタ騎士団の館(鍵穴から覗くバチカン市国)
ロドス及びマルタにおけるエルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会、通称マルタ騎士団は、キリスト教カトリックの騎士修道会で、1100年頃に信者の巡礼保護を目的として、イエルサレムで設立された団体です。昔は軍事組織として、現在は医療団体としての活動しており、イタリア共和国軍の軍医部隊としても運用されています。
かつて領土を有していた経緯から「主権実体」として107か国と外交関係を持っており、在外公館を設置しています。そのマルタ騎士団がローマに所有している敷地のひとつが、マルタ騎士団の館です。
マルタ騎士団の館の中央扉には「鍵穴」があり、その鍵穴からバチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂を見ることができるという、写真好きの心をくすぐる仕掛けがあります。
意外とマイナー観光スポットで、鍵穴前に並ぶ観光客は少ないです。この日は年配の観光客が数人、一生懸命鍵穴から写真を撮っていました。
イタリア共和国から、マルタ騎士団の館を通して、バチカン市国のサンピエトロ大聖堂が見えるというふしぎな場所。
望遠レンズを使うと綺麗に撮ることができます。マイナースポットでこんなポストカードのような写真が撮れるので個人的にかなりオススメです。真実の口からも徒歩で行ける距離なのでぜひ訪れてみて下さい。
サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ聖堂
営業時間 | 7:30-21:00 ※ミサ中は入場禁止 |
入場料 | 無料 |
サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ聖堂 (Basilica di Santa Maria in Trastevere) はローマにおける聖母に捧げられた教会のうちでも最も重要と評される聖堂のひとつ。また、ローマ最古の教会の一つ。
今まで見てきた迫力のあるバロック様式ではなく、古代ローマ時代の遺跡から持ち込んだ柱を用いたロマネスク建築を含め様々な時代の建築様式を取り入れています。黄金の格天井が印象的。
シスト橋
トラステベレ地区からテベレ川にかかる橋。特に何かあるわけではないです。
トッレ・アルジェンティーナ広場
トッレ・アルジェンティーナ広場(Largo di Torre Argentina)は4つの神殿とポンペイウス劇場の一部があった場所で、共和政ローマ時代の「聖域」でした。「ブルータスお前もか!」で有名なユリウス・カエサルの暗殺はポンペイウス劇場の敷地内で起こりました。ここがその事件現場です。
現在では猫の聖地となっており、広場には Torre Argentina Cat Sanctuary と呼ばれる野良猫の保護施設があります。市内に4か所ある猫コロニーのうちのひとつ。
パンテオン神殿
営業時間 |
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入場料 | 無料 |
パンテオン (Pantheon) は、ローマのマルス広場に建造されたローマ神たちを奉る神殿。ローマ建築の理想モデルとして、世界各地にパンテオンを模した施設や教会がたくさんありますが、そのオリジナルです。パンテオンとはギリシア語のPan (パン)”全ての”、theos(テオス)”神”より由来し、”全ての神々の神殿”という意味で、様々な神々を祀る万神殿でした。
約43メートルの高さのクーポラ(ドーム)には丸い天窓があります。
この穴は「パンテオンの目」とも称され、日ざしが入り込むと光の筋が現れます。
また、パンテオンにはイタリア王国の初代国王ヴィットリオ・エマヌエーレ2世と、ルネサンス期の巨匠ラファエロが埋葬されています。
こちらは祭壇。お墓も見ることができますが、パンテオンで最も人気の場所なのでさっと目に焼き付けて帰りました。
サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ聖堂
私が訪れたときは改修中で、時間がなかったのもあり、入っていません。しかし、青色の天井の内部はかなり美しく、もう一度ローマを訪れたら行きたい教会の一つです。入場無料。パンテオンとヴェネツィア広場にも近いです。
聖イグナチオ デ ロヨラ教会
営業時間 |
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入場料 | 無料 |
聖イグナチオ・ディ・ロヨラ教会はパンテオンの近くにあり、だまし絵で有名な教会。一見豪華な内装ですが、実は資金不足によりクーポラ(半球の形をした天井)を作ることができず、平面にだまし絵を描いて、奥行きがあるように見せているのです。
後日知ったのですが、だまし絵を見る際は床に丸い模様の印があるらしいので、そこに立って見てみて下さい。
ジェズ教会
営業時間 |
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入場料 | 無料 |
ジェズ教会(Chiesa del Gesù)はかつてイエズス会の本拠地(母教会)だった教会。世界中のイエズス会の教会はこの教会をモデルとしています。
内部装飾で最も目に付く天井のフレスコ画は、上の写真のジョヴァンニ・バッティスタ・ガウッリ作「Triumph of the Name of Jesus(イエスの御名の勝利)」です。
ヴェネツィア広場、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂
ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂(Monumento Nazionale a Vittorio Emanuele II、別名:アルターレ・デッラ・パトリア(伊Altare della Patria、国父の祭壇))は、イタリア王国初代国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の記念堂。中央部には無名戦士の墓としての役割も兼ねて祭壇があります。
円形芝生広場のヴェネチア広場も目の前にあります。交通量が多いため注意が必要です。
トレビの泉
トレビの泉(トレヴィの泉: Fontana di Trevi)は、ローマにある最も巨大なバロック時代の人工の泉。ローマ屈指の人気観光名所。
ポーリ宮殿の壁と一体となったデザインで、中央にネプチューン(ポセイドーン)が立ち、左に豊饒の女神ケレース(デメテル)、右に健康の女神サルースが配置されています。
後ろ向きにコインを泉へ投げ入れると願いが叶うという言い伝えがあり、投げるコインの枚数によって願いが異なります。1枚だと再びローマに来ることができ、2枚で大切な人と永遠に一緒にいることができ、3枚で恋人や夫・妻と別れることができるそうです。3枚の願いはキリスト教が離婚を禁止していたという歴史の名残り。泉に投げ入れられた硬貨は一部カトリック系チャリティ団体に寄付されます。
ローマのどの観光スポットよりも人の密度が高いです。スリなどには十分注意が必要だなと感じました。この時は友人と別行動で一人旅だったので、コインも投げずに写真だけ撮ってすぐ離れましたが、今となっては1枚投げ入れれば良かったと後悔してます…。2日目に夜のトレビの泉を撮る予定でしたが、体力と時間がなくて撮っていないのも後悔してます。
サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会
営業時間 |
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入場料 | 無料 |
前回の記事で紹介した巨匠ベルニーニの「INRIの銘を持つ天使」「イバラの王冠を持つ天使」の2つの天使像のオリジナルがこの教会にあります。もともとはサンタンジェロ橋にありましたが、風雨から守るために1729年に当時の教皇によって移されました。
写真の両脇にあるのがそれです。
宿泊:レジデンス カンディア(Residence Candia)
たくさん歩いて観光した後は、電車で本日の宿泊先「レジデンス カンディア(Residence Candia)」へ向かいました。1泊1人31ユーロ。
部屋は可もなく不可もなくといったところですが、バチカン市国に近い立地でリーズナブルな値段だったので、時間を有効に活用して観光することを目的にしていた学生旅(当時)にはピッタリでした。残念ながら、今はbooking.comでも取扱いがなくなっており、もしかしたら閉店したのかもしれません。残念。
シャワーを浴びて、洗濯して、スーパーで飲み物など調達。
夕食:Pizzarium
夕食は、美味しいピザが食べられると有名「Pizzarium」というピザ屋さん。切り売りで豊富な種類のトッピングピザから選ぶことができます。
お店のピザが次から次へと変わっていくほどの人気ぶり。私が訪れたときは10分も待ちませんでしたが、混むときは並ぶみたいです。
私は4枚選びました。これで当時5ユーロ(750円)。安い。
本場のピザは値段も味も幅が大きいですが、ここのピザはお手頃の値段でいろんな味を試すことができて、普通に美味しいです。サクサクで分厚い生地。個人的には日本のピザが一番美味しいと思いますが、本場は本場でやっぱり美味しいです。店に座る場所がほとんどないため、基本的に持ち帰りです。ホテルで温められなかったので、若干冷めちゃいました。焼きたてだともっと美味しいでしょう。
21時。さすがに一日中灼熱の中、歩き続けて疲れました。(このあとの旅でこの日の無理が原因で体調崩します…。)
明日はいよいよバチカン市国の観光です。
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