BORRIELLO(ボリエッロ)
BORRIELLO(ボリエッロ)は1980年にCLELIA BORRIELLO(クレリア・ボリエッロ)氏がナポリの近郊にある小さな街バーラで小さなワークショップを設立して創業したシャツブランド。
ボリエッロの高品質な生地、独自のパターン、シャツ作りの技術に目を付けた有名ブランドからOEM(受託製造)も手掛けるようになり、瞬く間に高級シャツメーカーとしての地位を獲得しました。
BORRIELLO(ボリエッロ)の工房は、品質を維持するため生産規模は拡大せず、35人ほどの職人と2つの工場で、オリジナルのシャツを全てナポリで製造し続けています。現在は2代目のファビオ・ボリエッロ氏がビジネスを継いでいます。
BORRIELLO(ボリエッロ)ストライプシャツ
GILTでBORRIELLO(ボリエッロ)のシャツを2枚購入し、そのうちの1枚がストライプのドレスシャツでした。
カジュアルラインの花柄シャツは別記事でレビューしています。
カジュアルラインよりも高級なドレスラインは手間暇掛けて手縫いでつくられています。ロゴのリボンやシャツのピン留めに金具が用いられていたりと、パッケージからカジュアルラインとは差別化されています。
品番は1906/58。襟型は「Forcella」というレギュラーカラーになっています。
定価は約43000円(税込)。これがセールで半額以下でした。
サイズは38。私の場合、イタリアシャツは37がジャストサイズ。これはワンサイズ大きいので、襟周りにゆとりがあります。袖丈は63cmでこれも私にとっては少し長め。
濃いネイビーのストライプが入ったドレスシャツです。生地はサラサラしていますが、肌触りが滑らかです。厚くもなく薄くもなく、通年で使えそうです。
ガゼット
ガゼットとは、裾の前身と後身が合わさった部分を補強すためのパーツの名称です。
この部分からシャツが裂けないようにするためのものですが、現在では縫製技術も進歩して実際はそこまで実用性があるものではありません。男のロマンやこだわりと言えばそれまでですが、高級シャツには必ずと言っていいほど付いています。
ボリエッロの「B」の文字のガゼットが手縫いで縫い付けられています。
ボタン
ボタンは当たり前のように貝ボタン。安いシャツはプラスチックのボタンが使われていますが、高級シャツは貝ボタン(シェルボタン)が使われています。割れやすいのが難点ですが、光が当たるとキラキラ輝くため、一目見て高級シャツだと分かるポイントになっています。高瀬貝ではなく、一番高級な白蝶貝です。ボタンの厚さはあまり気にしないのですが、こちらは厚みが薄いボタンでした。
下矢印のような縫い付け方は「千鳥掛け」と呼ばれるもので、鳥の足のように一点を基点として、他の三点それぞれに糸を通す方法です。
ミシンではできず完全に人の手で一つ一つボタンを付ける必要があり、非常に手間のかかる手法ですが、ボタンに若干の傾斜がつくことでボタンが付けやすくなる、という効果があります。
4つ目のボタンの横はかんぬき止めで前身頃が補強されています。
ボタンは全て手縫いで縫われており、「根巻き」されています。これによりボタンが取れにくくなります。
ボタンホール
手縫いのボタンホール。糸がほつれていたりせずにしっかり縫われています。
前立て
前立てを裏から見ると手縫いされていることが分かりますが、表からは糸が全く見えません。
剣ボロ、かんぬき
袖先の開閉によって負荷のかかる剣ボロには、カンヌキ止めという手縫いの補強が施されています。これで腕まくりしても剣ボロが破れる心配がありません。写真を見て分かるとおり、剣ボロの端ギリギリをストライプの線に平行になるように丁寧に細かく縫われています。
また、剣ボロのストライプがズレないように「柄合わせ」されているのも好印象。
カフス
私はカフスが円錐のものが好みなのですが、こちらは袖口にかけての絞り込みは控えめでスクエア型。カフスの形に合わせて縫い目が綺麗に曲がっています。
バックヨーク
手縫いのバックヨーク。糸が目立たないように縫い付けられています。
ギャザー(雨降らし:布が縫い縮められたひだ、縫い付け手法)も控えめにあります。
袖付け、アームホール
袖付けももちろん手縫い。ここにもギャザーがあります。腕の可動域が広がり、腕がシャツに引っ張られることなく着心地を向上させます。
また、袖付けは前振り仕様になっています。
写真で袖が2cmほどずらされてボディに縫製されているのが分かるかと思います。人間の腕は体より少し前方に向いているため、このほうが自然な着心地を得ることが出来ます。デスクワーク中も肘を曲げて腕が前に出た状態だと思いますが、腕を前に出したときの引っかかり感を軽減してくれます。
カラー(襟)
平置きにしたときのレギュラーカラーの襟の広がりがとてもエレガント。LES LESTONという日本の高級シャツブランドのものが気になっていたのですが、それと同じような形の襟をしていたのも今回このシャツを買った理由の一つです。ワイドカラーもイタリアっぽくて良いですが、ドレスシャツはレギュラーカラーも持っておきたいですね。
カラーキーパー(カラーステイ)ももちろん入っています。襟のミシン目もとても細かく、ボタン周りに関しては縁ギリギリ過ぎてどうやって縫っているのかとても気になります。
曲がったりズレたりすることなく一直線に細かく縫われていてもはや芸術品ですね。
ストライプに合わせて横縫いも美しいです。
台襟は手縫いで縫われています。
裾、裾巻き
裾巻きも幅をずらさずに綺麗に処理されています。
前身と後身の縫い付けも手縫い。
Made in Italyの綿100。
試着
着丈の長さはピッタリ。袖丈はやはり2、3cmほど長め。後日袖詰めしました。生地の肌触りと、突っ張りを全く感じない着心地で気分が上がります。
ジャケットを着るとこんな感じ↓
ナポリシャツのハンドメイドは最高
一度高級シャツを着るともう安いシャツには戻れないですね。今までは価格差分の価値があるのか半信半疑でしたが、生地のクオリティだけでなくつくりのディテールにこだわりがあるのだと分かりました。ラックに掛けているだけでも見ていて気分が上がります。
ボリエッロのシャツを安く買う方法
ボリエッロは、他のナポリシャツに比べて取扱いが少ないです。ボリエッロのシャツはGILTで時々セールをやっていますが、楽天やBEAMS、TOKYOlifeでも取扱いがあります。
ボリエッロの取扱いのある楽天オススメショップ
BEAMS
TOKYOlife