BORRIELLO（ボリエッロ）
BORRIELLO（ボリエッロ）は1980年にCLELIA BORRIELLO（クレリア・ボリエッロ）氏がナポリの近郊にある小さな街バーラで小さなワークショップを設立して創業したシャツブランド。
ボリエッロの高品質な生地、独自のパターン、シャツ作りの技術に目を付けた有名ブランドからOEM（受託製造）も手掛けるようになり、瞬く間に高級シャツメーカーとしての地位を獲得しました。
BORRIELLO（ボリエッロ）の工房は、品質を維持するため生産規模は拡大せず、35人ほどの職人と2つの工場で、オリジナルのシャツを全てナポリで製造し続けています。現在は2代目のファビオ・ボリエッロ氏がビジネスを継いでいます。
ナポリの高級シャツへの憧れ
生産国によって表情やディテールが異なる高級シャツ。イタリアのシャツは柔らかい着心地と色気のある表情が特徴的で、特にその色が濃いのがナポリのシャツです。
Finamore（フィナモレ）、LUIGI BORRELLI （ルイジ･ボレッリ）、Maria Santangelo（マリアサンタンジェロ）、BARBA (バルバ)、G.Inglese（ジ・イングレーゼ）など名だたるカミチェリアがあり、雑誌で見る度にナポリの高級シャツへの憧れが募っていきました。
BORRIELLO（ボリエッロ）のシャツをGILTのセールで購入
GILTは海外・国内の有名ブランドの商品が最大7割引で手に入る通販サイト。毎日21時からセールが始まります。1年前から無料会員登録してセールを眺めていますが、度々利用しています。
そのGILTでボリエッロがセールにかかっているのを見かけたため、シャツを2着購入しました。
BORRIELLO（ボリエッロ）フラワープリントシャツ 7056/1
GILTで購入したボリエッロのシャツは2着。1着はドレスシャツで、もう1着はカジュアルシャツです。
ドレスシャツのほうが高級ラインで手縫い部分も多く、素晴らしい1着なのですが、それはまた別記事で紹介します。今回はカジュアルシャツの「フラワープリントシャツ 7056-1」を紹介します。
品番は7056/1。襟型はBORRIELLO(ボリエッロ)の定番モデル「BORRIELLO」。
ブランド名と同名の襟型で、通常のワイドカラーと違い、襟の開きを抑えセミワイド気味になっています。また、剣先の長さが短くなっており、コンパクトな襟元が開襟の時の首から胸元を綺麗に演出してくれます。オリジナルのワイドカラーです。
定価は28000円。これがセールで半額以下でした。お得にナポリ製のシャツが手に入ってかなり嬉しいです。
サイズはXS。だいたい37サイズと同じくらいです。袖丈は61.5cmでお直し不要のちょうど良い長さです。
手縫いで縫い付けられたブランドロゴのタグ。
細かい花柄パターンが一面に入ったプリント生地です。普段はシンプルなデザインの服が多いので、こんな少し派手な柄は初めてです。春夏は1枚で、秋冬は単色ニットに合わせて、花柄の襟をチラリと見せるとお洒落だなと勝手に想像しながら購入しました。
ボリエッロのカジュアルシャツのディテール
ここからはシャツの細部を見ていきます。私は今まで、高級シャツと安いシャツの違いなんて貝ボタン（シェルボタン）と生地くらいだと思っていましたが、ボリエッロのシャツはそんな偏見を良い意味で覆してくれました。生地やボタンを高級なものにしても真似できない、職人技の光る、ナポリのシャツを高級シャツたらしめるものがしっかりありました。
ガゼット
ガゼットとは、裾の前身と後身が合わさった部分を補強すためのパーツの名称です。
この部分からシャツが裂けないようにするためのものですが、現在では縫製技術も進歩して実際はそこまで実用性があるものではありません。男のロマンやこだわりと言えばそれまでですが、高級シャツには必ずと言っていいほど付いています。
生産側からしたら、この小さいパーツをわざわざ縫い付けるのは手間が掛かるため、ガゼットを付けていないシャツも多く存在します。
カジュアルラインのシャツとはいえ、こういう細かい部分も手を抜かないのは好印象。同じガゼットでも、ガゼットが小さく、縫い目が細かいものは裁縫の難易度が上がるため、高級シャツの見るべきポイントの一つです。このシャツはおそらくミシンで縫っていると思いますが、小さなガゼットを細かいステッチで縫い付けています。
ボタンホール
シルクの糸を使ったボタンホール。カジュアルラインのため、マシン縫いですが、楕円系の形でボタンを留めやすくする工夫がされています。
また、襟元のボタンホール以外は縦ですが、一番下のボタンホールは横向きになっています。これも高級シャツに見られる工夫で、一番下のボタンホールを水平にすることによって、お腹周りに余裕を持たせることができます。また、「このボタンが最後」という目印にして留め忘れを防止するなどといった意図があります。
ボタン
安いシャツはプラスチックのボタンが使われていますが、高級シャツは貝ボタン（シェルボタン）が使われています。割れやすいのが難点ですが、光が当たるとキラキラ輝くため、一目見て高級シャツだと分かるポイントになっています。
また、この下矢印のような縫い付け方は「千鳥掛け」と呼ばれるもので、鳥の足のように一点を基点として、他の三点それぞれに糸を通す方法です。
ミシンではできず完全に人の手で一つ一つボタンを付ける必要があり、非常に手間のかかる手法ですが、ボタンに若干の傾斜がつくことでボタンが付けやすくなる、という効果があります。
ボタンの素材は高瀬貝。裏側に模様があり、白蝶貝に比べると少し黄色っぽいレインボー調の光沢が特徴です。
ヨーク
背中の首から肩周りの部分をヨークと呼びます。マシン縫いですが、ミシン目が細かくズレは全くありません。しかも、直線ではなく、背中の形に合わせて弧を描いています。
縫い目に沿って、縦のシワのようなものが見えるかと思いますが、これはギャザー（雨降らし）というもので、布が縫い縮められたひだ、縫い付け手法です。シャツの袖付けなどにも見られ、可動域を広くすることができます。背中を曲げたときにピチピチにならないようにしてくれます。
袖付け
細かい運針で綺麗に縫われています。
また、袖付けは前振り仕様になっています。
写真で袖が2cmほどずらされてボディに縫製されているのが分かるかと思います。人間の腕は体より少し前方に向いているため、このほうが自然な着心地を得ることが出来ます。デスクワーク中も肘を曲げて腕が前に出た状態だと思いますが、腕を前に出したときの引っかかり感を軽減してくれます。
Made in Italyの綿100。
カラー（襟）
ワイドスプレッド気味の襟には、カラーステイ（カラーキーパー）が付いています。
裾、裾巻き
ボリエッロの細かく丁寧な縫い目のつくりは他の部位でもしっかりと見て取れますが、裾巻きもその一つ。3mm幅でズレなく真っ直ぐに縫われています。
前身と後身の縫い付けも丁寧です。生地が透けて見えるように、春夏用の生地です。
サイズ感、試着
着丈の長さはピッタリ。袖丈は少し長いですが、洗濯して縮むと思いますので、このくらいがちょうどかと思います。
首元は1番ボタンを付けると余裕がないです笑
襟羽が小ぶりで短く、ワイド〜セミワイド。
柔らかな手触りの細番手生地で、心地よいです。
フラワープリントの柄の主張は強いですが、ビビッドな色ではないので、1枚で着てもやり過ぎ感はありません。もちろん、ニットやカーディガンを合わせてさりげないワンポイントにするのもアリだと思います。
2年目も変わらず愛用中です。
人生初のナポリシャツは素晴らしかった
このシャツが人生初のナポリシャツだったのですが、生地やつくりが違うだけで、こんなにも見た目や着心地に差が出るんだと教えられました。これ以来、イタリアシャツを度々購入していますが、他ブランドに引けを取らない良いシャツです。
ボリエッロのシャツを安く買う方法
ボリエッロは、他のナポリシャツに比べて流通量が少ないですが、BEAMS、楽天通販等で取り扱いがあります。GILTでお気に入りブランド登録してセールで購入するのも良いでしょう。
ボリエッロの取扱いのある楽天オススメショップ
BEAMS
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