Valextra(ヴァレクストラ)
Valextra(ヴァレクストラ)は1937年にジョヴァンニ・フォンタナがイタリアのミラノで創業したレザーグッズブランド。ブランド名はイタリア語でスーツケースを意味する「ヴァリージャ (valigia)」と「エクストラ」から来ています。
2013年に投資会社Neo Investment Partnersに買収され、2015年にサラ・フェレーロがCEOに就任してウィメンズマーケットへの注力とハンドバッグをブランドアイコンにしたことが功を奏し、ラグジュアリーブランドとしての地位を確立しました。2013年には東京ミッドタウンに日本初のフラッグシップショップをオープンしています。
Valextra(ヴァレクストラ)のモノづくり
Valextra(ヴァレクストラ)の製品は全てイタリアの工場で約60人の職人のハンドメイドで生産されています。革の状態を見極めて最適な部位を切り取り、糸の選定、裁断、縫製、メタルパーツの仕上げまですべて熟練の職人の手作業で担います。
革小物のコンパートメントにはブランドアイコンのVシェイプのカッティングが施されており、革製品の良し悪しを左右するコバ(革の切れ端)の処理は、Cospaと呼ばれる特別な塗料を用いて手作業で何度も重ね塗りをして仕上げています。
Valextra(ヴァレクストラ)の製品の特徴
ヴァレクストラは「ノーロゴ」がフィロソフィーのため、表面にブランドを象徴するような派手な装飾はなく、内側に小さく刻印されたブランド名のみです。人気ハイブランド商品とは異なり、「ブランドを主張しないシンプルで洗練されたデザイン」がファンをつくっています。
また、ヴァレクストラはクリエイティブ・ディレクターがいない珍しいブランドでもあります。そこには、「コミュニティとしてブランドを発展させる。企業・商品イメージは顧客とともにつくる」という信念があります。
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そんなブランドを主張しないヴァレクストラですが、ブランドを知っている人には分かるような製品の特徴があります。
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海外ハイブランドの財布の中では比較的マイナーですが、「イタリアのエルメス」とも呼ばれます。ちなみにCEOのサラ・フェレーロ氏は、エルメスとの違いについてこう述べています。
ブランドだけではなく企業としても素晴らしい「エルメス」と同等に称されるのはとても名誉なことですね。プロダクト自体から、ウィンドウディスプレイやインスタレーション、コミュニケーションまで、全てが美しいですから。多くの共通点がありますし、同時に多くの違いもあると思います。まず、「エルメス」はとてもフランス的で、「ヴァレクストラ」はイタリア的ですよね(笑)。食事と一緒で、優劣ではなくアティチュードが異なるということだと思います。レザーの質感だと、「エルメス」はパウダリーでソフトな触り心地ですが、「ヴァレクストラ」はもう少しハードで艶がある。クリーンな設計や軽さ、シャープなデザインも「ヴァレクストラ」ならではです。(引用元:FASHIONSNAP.COM)
ヴァレクストラの長財布を購入するまで
SNSでフォローしている方がヴァレクストラの財布を愛用していたのがきっかけでブランドの存在を知りました。高校から10年以上、父親から譲り受けたルイ・ヴィトンのタイガ柄の二つ折り財布を使ってきましたが、
- お札を曲げたくない
- カードの収納力が欲しい
- 財布はズボンやジャケットに入れずに必ずバッグに入れて持ち運んでいるので長財布のサイズ感は気にならない
- 長財布のほうが二つ折りよりカジュアルさが控えめで存在感と高級感がある
といった理由から長財布に買い替えたいと考えていました。
長財布を選ぶにあたり、こだわった点は以下の通り。
1.素材:型押しカーフレザー
レザーの定番素材「牛革(カウレザー)」の中でも、表面がきめ細かく柔らかい仔牛のカーフスキンやベビーカーフが使われている型押しレザーから探しました。
型押しレザーは傷がつきにくく、目立ちづらいため扱いやすいというメリットがあります。模様のデザインで差別化もでき、高級感もあります。
2.機能:カード収納力が高い、小銭入れ無し
昨今のキャッシュレスの流れに伴い、スマホで支払うことが増えましたが、クレジットカード2枚、キャッシュカード1枚、保険証、運転免許証、マイナンバーカードの6枚は二つ折り財布で常に持ち運んでいます。もう少しカードの収納数に余裕が欲しいと感じていたため、カードスロットが10枚くらいあるものを探しました。
私は財布とは別に小銭入れ(コインケース)を持ち歩いているため、長財布に小銭入れは不要です。小銭入れを持っているとメリットもあります。
財布をスマートにみせる、傷めない
小銭を入れてパンパンに膨れ上がった財布は見た目が格好悪いです。財布の型崩れや傷みの原因にもなるため、長く愛用するためにも必要最低限のカードとお札だけを入れて、小銭は別で用意したコインケースに入れて持ち運ぶのをオススメします。
小銭を必要な時に取り出しやすい
キャッシュレスの流れのおかげで小銭の出番がほとんどないため、常に長財布に小銭を入れておく必要性がなくなってきています。逆に小銭だけで事足りる場面ではコインケースを持っていると、それだけ持っていく、取り出せばいいのでとても楽です。
3.デザイン:シンプルで高級感がある
ブランドロゴが全面に出ているものや、派手な柄の財布は好みでは無いため、シンプルなデザインの長財布を選びました。デザインがシンプルだとつくりや素材の良し悪しが見た目の高級感に直接影響するため、ブランドの実力が試されます。
候補に残った4ブランドのメンズ長財布の比較
最終的に候補に残ったメンズ長財布は4ブランドでしたが、自分の条件に見合うものはヴァレクストラ一択でした。
ブランド | モデル | 定価(税込み) |
HERMES(エルメス) | MC2・フレミング | 242,000円 |
Valextra(ヴァレクストラ) | ヴァーティカル 12カード | 77,000円 |
CAMILLE FOURNET(カミーユ・フォルネ) | 21.04 VERSO ロングウォレット | 137,500円 |
Smythson(スマイソン) | Panama スリムコートウォレット | 42,000円 |
エルメス | ブランド力、高級感、品質、全てにおいて一級品の憧れのブランドですが、20代の一般庶民が手を出せるものではありません。気になった「MC2・フレミング」というモデルは定価24万。余裕の予算オーバー。無理して買ってもブランドに自分が追い付かないので、40代以上など貫禄が付いてから手に入れたいですね。 |
カミーユ・フォルネ | 高級感と硬い質感の型押しカーフレザーがとても良く、ヴァレクストラと迷ったのですが、少し予算オーバーかつアリゲーターのレザーが個人的に好みではなかったので外しました。餅は餅屋。やはりカミーユ・フォルネで買うなら時計ベルトですね。 |
スマイソン | 候補の中では一番安いですが、実際に現物を手に取ってみると、革の質感(特に内側)は値段相応といった印象で他の3ブランドと比べると高級感に劣りました。期末に安売りセールしていたりして若干自分の中でブランドイメージが下がってきているのも外した理由の一つです。 |
ヴァレクストラの長財布の色と素材決め
ヴァレクストラの「ヴァーティカル 12カード」の購入を決めたのですが、ソフトカーフスキンとグレインカーフスキンの2種素材あるため、色と素材を決める必要がありました。
どちらもカーフレザーですが、型押しのパターンが異なるため、同じカラーでも発色、質感、手触りが微妙に違います。
ソフトカーフスキン
グレインカーフスキン
ソフトカーフスキンのほうが人気があるようですが、一目でヴァレクストラと分かるヴァレクストラオリジナルのVLレザー「グレインカーフスキン」も良いです。
革小物はユニセックスで豊富なカラーバリエーションから選べます。
メンズも使える長財布「ヴァーティカル 12カード(小銭入れ無し)」購入レビュー
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正規店で購入することも考えましたが、一度利用したことのある楽天市場のモダンブルーというお店で並行輸入品がセールになっていたので、信頼できるショップということもあってそちらで購入しました。
残念ながら、当初欲しかったグレインカーフスキンの取り扱いが他の通販ショップも含めてネイビーの取り扱いがなかったため、悩んだ末に、ソフトカーフスキンの並行輸入品を購入しました。
2019年冬にグレンロイヤルのベルトをモダンブルーで購入したのですが、その時の履歴を確認したのか、1年半越しの買い物に対して手書きメッセージが同封されていました。こういう気遣いがあるとまたリピートしたくなりますね。
並行輸入品の通販は偽物をつかまされる可能性もありますが、モダンブルーは並行輸入品市場での「偽造品」や「不正商品」の流通防止と排除を目指している「AACD(一般社団法人 日本流通自主管理協会)」に属しているため、信頼できるショップです。
ロゴ入りの外箱と布袋。
ケアカードが付属しています。
布袋の中にネイビーの長財布が入っていました。型崩れ防止のための型版は外して製品番号タグは保管。
ヴァーティカル 12カードのディテール
ソフトカーフスキンと言うだけあって、型押しレザーなのに柔らかく滑らかな手ざわりです。また、とても軽いです。重量は約95gでした。
型押しパターン
型押しパターンは格子の大きさはルイ・ヴィトンのタイガと似ています。タイガは斜めにクロスして並んでいますが、ヴァレクストラは不規則です。
コバの処理
コバ(革の切れ端)の処理は、Cospaと呼ばれる特別な塗料を用いて手作業で何度も重ね塗りをして仕上げています。
ネット記事で「ヴァレクストラのコバ処理は雑」、「手作業で製作しているため個体差がある」といったコメントを目にしたのですが、幸いにも私が購入した財布は気になる部分はありませんでした。
強いて言うなら、内側のV字カットの塗装よりも外縁のコバは塗料が多めに塗られているため、レザー感がなくツルツルした表面になっており、この部分だけ少し高級感が薄れているといったところでしょうか。
Vシェイプのカッティング
内側のコンパートメントにはブランドアイコンのVシェイプのカッティングが施されています。カードスロットは12個。
V字カードスロットのコバ塗りはとても丁寧です。端は革と同色の糸で縫われています。
ブランドロゴ
左下に小さく金色のロゴが刻印されています。
4つのフラットポケット
紙幣などを入れるフラットポケットが左右に2つずつ、計4つ付いています。内側のライナーも革張りです。マチ無しで薄さを追求しています。
ファスナーを開く、スナップボタンを開けるといった動作が不要なのでストレスがないですね。
1万円札と1000円札を奥と手前のフラットポケットに入れてみました。奥側のポケットは紙幣が見えなくなるまで綺麗に収まります。手前側のポケットは財布の織り目には影響はないですが、少しはみ出ます。
私はなるべく財布がかさばらないようにしたいので、左奥のフラットポケットのみに紙幣を入れて使おうと思います。
カード収納力
12個のカードスロット。並行カットよりV字のほうがカードが取りやすいです。
ただし、財布をなるべく薄くするためか、カードスロット部分は革を重ね合わせて縫うのではなく、切れ目の入った革を組み合わせた構造になっています。
最初は革がピッチリ張りついた状態のため、1スロットずつ空けて6毎のカードを入れてキツさがちょうど良い感じでした。革が伸びて馴染んできたら12枚入れても良さそうですが、カードを出し入れは少し窮屈かもしれません。
カードを入れると跡が残るので、型崩れをさせないように、かさばらないように使いたいなら1スロット飛ばしの6枚のカード収納がちょうど良さそうです。
財布の幅は、カードを入れない状態で幅1.2cm、カード6つを入れて1.5cmほど。
シンプルですが高級感があります。手触りが滑らかでスッと手に馴染みます。
ヴァレクストラの財布のメンテナンス方法
ケアカードには詳しく書いていませんが、基本的に革製品のケアと同じです。
日々のケア
馬毛ブラシでブラッシング(埃など汚れが見えたら都度)
革のケア
手で触った時に革が乾いた感触があれば、毎月1回〜年数回で革にクリームを入れます。
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コバのケア
コバ塗りだけは、特殊染料を使っているため、正規店に持ち込んで修理を依頼しましょう。
ヴァレクストラの財布を安く購入する方法
日本には正規店が14店舗あります。公式オンラインブティックでも国内送料無料で購入可能です。
公式オンラインブティックを含む正規店では、キャンペーン中に刻印サービス(通常は税込3,850円)を無料で選ぶことができ、また、1年間のコバ塗り直し無料といった保証も付くのがメリットです。
一方で、通販の並行輸入品は定価より数万円安く手に入れることができるのが魅力です。「ヴァーティカル 12カード」は5万円前後で購入可能です。楽天通販で買えばポイントでさらにお得になります。
4月に価格改定で値上げされたため、並行輸入品で安く手に入るのはありがたいですが、偽物をつかまされないためにも信頼できるお店を選びましょう。
私のオススメはモダンブルーとインポートセレクト museeです。
ヴァレクストラで揃えたい!今後狙っている製品
長財布に大満足でしたので、他の小物類もヴァレクストラで揃えたい欲が出てきました。
名刺入れ
メガネケース
小銭入れ
キーケース
シンプルで高級感のある長財布を探している方にオススメしたい名品
ブランドを主張しないシンプルなデザイン、ソフトカーフスキンの柔らかく滑らかな手触り、型押しレザーの艶と高級感などまさに求めていた長財布でした。
ウィメンズに力を入れているブランドですが、日本の顧客は男女比が同じだそうです。豊富なカラーバリエーションがあり、自分用はもちろん、大切な人へのプレゼントとしても良いモノです。
高価な財布なので長く大切に使っていきたいと思います。
ひこ憧れのブランドで手に入れた長財布。もったいなくてまだ外には連れ出していないですが、毎日眺めています。
こんちには。貴重な情報ありがとうございます。
お財布のメンテについてご質問があります。
乗せるクリームの色は透明のものですか?
それともお財布の色にあわせているのでしょうか。
お店に持ってきてくれたらケアすると言われておりますが、
購入時明確な回答を頂けなかったもので…
こんにちは。コメントありがとうございます。
乾燥した革を保湿するだけでも色合いが深くなるので、
普段のメンテナンスでは無色のクリームを使用しています。
ブラックを除き、革製品はブランドごとに色が微妙に違ったりするので、
ブランドオリジナルの補色クリームではない場合は、色合いが変わるリスクを避ける意味でも無色のクリームがオススメです。
革の表面が削れたりして白い傷ができた時のみ色付きクリーム、またはレザーコンシーラーを使用しています。
革の手触りがちょっと独特なので、ウエルカムケアの方法を調べておりました。
お忙しい中、ご丁寧な返信をいただきまして、
誠にありがとうございました。
型押しレザーのため、クリームが溝に溜まると乾いた時に白っぽくなってしまうため、ブラシでしっかり馴染ませてから乾拭きするのがポイントだと思います。こちらこそコメント頂きありがとうございました。