DENTS(デンツ)
DENTS(デンツ)は1777年に英国の都市ウースターでジョン・デントが創業。革の鑑別と裁断技術において他の追随を許さない職人技を持っていたデンツが作る手袋は、手袋をしている感覚を忘れるほどのフィット感があり、世界最高級の革手袋として有名になりました。
240年以上代々受け継がれる職人技
DENTS(デンツ)で手袋カッター(裁断士)になるためには、数年間マスターカッター(親方裁断士)の下で修行を積む必要があります。カッティング以外にも、一組の手袋を作るのに32工程があり、その殆どが職人の手作業です。これらの伝統ある製法技術を240年以上にわたって代々受け継ぎ、現在はウィルトシャー州ウォーミンスターにある工場で世界一有名な高級手袋を生み出しています。
最高級皮革とライニングの素材へのこだわり
濃淡、色合い、天然の傷、シワなど個体によって品質が異なる天然の皮は大量生産の素材にはない唯一無二のものです。その性質故、高級革手袋に見合う素材選びから熟練の技が必要となります。
DENTS(デンツ)の革バイヤーと選別士が個々の革片を丹念に選び抜き、検査し、等級をつけます。この技術と知識は機械化されておらず、職人の経験と研ぎ澄まされた眼で、革のきめ細かさ、感触、厚み、耐久性を見極めます。
ペッカリー
南米の熱帯雨林に生息する野生の猪豚に似た哺乳類ペッカリー。
銀面(革表面)には3つの連なった特徴ある毛穴があり、その革は厚みがあるにも拘わらず素晴らしい柔らかさをあわせ持ちます。水汚れにも強く、硬くなりにくい性質もあります。使い始めは非常に美しい光沢があり、長く愛用していくとまた違った味わいになるデンツを代表する高級皮革です。野生動物のため、なめし革にしても小さな傷が残ります。これこそ野生ペッカリーの証明と言えます。製品、そのパーツは使用される部位により艶や色、シボ(模様)はそのグローブ唯一ものです。
ディアスキン
ディアスキンとは鹿革のことをいい、
デンツでは光沢のある銀面層を持つ 最高級の北米産の鹿革が使われます。
数ある皮革材料の中でも非常に丈夫でありながら、
とてもきめが細かく柔らかいという特徴を持っています。
グローブの素材に最も適したレザーの一つです。
ヘアシープ
エジプト周辺の砂漠地帯に生息する特殊な羊の皮革。
非常に薄く柔らかくなめすことが出来、肌に吸い付くように滑らかで
シルキーな感触をもち、その使い心地は最高です。
デンツのヘアシープ グローブのほとんどは、
世界有数の高品質レザーを製作する 英国の名門ピタード社のレザーを使用しています。
手袋のライニング(裏地)は手に直接触れる部分のため、高い保温性と極上の手ざわりが求められます。人気高いのはシルクとカシミヤ。
DENTS(デンツ)ではライニング素材で一組の手袋を作り、それを伝統的な方法で革手袋内に挿入し、ライニング付きの革手袋をつくります。2重にする事でフィット感が増します。
シルク
独特の光沢と滑らかな肌触りが特徴のシルク。
冬に暖かく夏に涼しい、皮膚に最も近い繊維として素晴らしい柔らかさを持ちます。
シルクの主成分タンパク質セリシンには、抗菌性、調湿性、吸臭性、 紫外線カットの効果なども持ち合わせています。
ライニングとして使用することで、より手に吸いつくような 一体感を感じることができるでしょう。
カシミヤ
カシミール地方に生息するとても細く長い繊維をもち、毛足の長い毛を選別すると
1頭からわずか200gほどしか採取できない貴重な素材カシミヤ。
この貴重な素材で編上げられたライニングは、 とても贅沢な温かみと軽さを持ち合わせています。
デンツ社は、カシミヤ製品で定評のあるジョンストンズ社で特注した カシミヤ・ライニングを使用しています。
ノーライニング(アンライニング)
『表面の素材をより堪能したい』というお客様にお薦めするライニングが無いもの。
直に素材に触れて頂き、繊細な指先に伝わる感触を体感することができます。
お手入れがしやすくなるので、末永くご愛用したい方にもお薦めです。
英国王室御用達「ロイヤルワラント」
世界各国の王室に商品を納入しているブランドに与えられる「王室御用達」の認定ですが、特にイギリス王室の「英国王室御用達(ロイヤルワラント)」は代表格。
厳しい審査や管理を経て、王室が実際に使用し、英国王室に最低5年以上納品している実績があるものから英国女王、エディンバラ大公、ウェールズ公が認めたものだけにそれぞれの紋章が与えられます。認定されたブランドは与えられた紋章(最大3つ)を掲げることができます。5年ごとに審査があり、常に高品質の商品を提供することが求められます。
DENTS(デンツ)は1897年にビクトリア女王に、1953年にはエリザベス2世の即位の際に戴冠式用の手袋を納めた実績もあり、チャールズ皇太子からロイヤルワラントを授けられています。
DENTS(デンツ)の革手袋の選び方
DENTS(デンツ)の革手袋は革の素材、ライニングの素材、手縫いorマシンメイド、デザインの様々な組み合わせがあり、種類が豊富です。私のオススメの選び方を紹介します。
①Heritageコレクションから選ぶ
DENTS(デンツ)は生産国がイギリス、チェコ、中国などがあります。生産国で革手袋の質が大きく異なることは全くありませんが、せっかくならイギリス産が欲しい。また、昔ながらの定番デザインが欲しいならイギリス産のHeritage コレクションをオススメします。
②手縫いのハンドメイドを選ぶ
手縫いのハンドソーンとマシンメイドがありますが、こちらもせっかくなら240年以上にわたって引き継がれてきた職人技を余すことなく味わいたいのでハンドソーン(Handsewn)のものを選ぶことをオススメします。糸が外縫いになっているものです。
価格差に比例するほどの違いはないかもしれませんが、手縫いのものは、指の間など細かな部品の縫い合わせが施されています。マシンメイドにはこれがありません。この手間ひまのおかげでフィット感が増します。あとは男のロマンという意味で価値があります笑
③革を選ぶ(ペッカリー or ディアスキン)
ブランド物は、定番商品が一番オススメです。デンツといえば「ペッカリーグローブ」。
ペッカリーは、ワシントン条約(絶滅する恐れのある野生動植物の輸入等を規制する条約)によって国際取引が厳しく規制されている貴重な素材。革手袋の最高級素材です。銀面(革表面)に3つの連なった穴があるのが特徴で、厚みがあるにも拘わらずしなやかな柔らかさを持ち合わせます。革の中でも水や汚れに強く、硬くなりにくく、伸縮性に富み、軽くて通気性が高い、まさに手袋のための皮革です。使い始めは非常に美しい光沢があり、経年変化でまた違った味わいが生まれてきます。昔からデンツの手袋に使用されてきており、ペッカリーのグローブと言えばデンツと言われるほど代表的です。
ペッカリーと並んでディアスキンも隠れた名品。皮革材料の中でも非常に丈夫で、とてもきめが細かく柔らかい特徴があります。
ヘアシープは薄く柔らかいため、肌に吸い付くように滑らかでシルキーな感触。また、シワや毛穴が目立たない艶のある美しい表面はスーツやクラシックファッションに最適。
希少価値
ペッカリー>ディアスキン=ヘアシープ
柔らかさ
ペッカリー>ディアスキン>ヘアシープ ※DENTS(デンツ)商品ならそこまで変わらない
丈夫さ
ペッカリー=ディアスキン>ヘアシープ
値段(高い順)
ペッカリー>ディアスキン>ヘアシープ
クラシック↔カジュアル
ヘアシープ>ディアスキン>ペッカリー
革手袋ならどれもクラシックに合うと思うので、個人的には最初の1組はペッカリー、2組目はディアスキンがオススメです。
④ライニングを選ぶ(アンライニング or カシミヤ)
個人的にはアンライニングが一番オススメ。フィット感がまるで違います。保温性に劣ることがデメリットですが、私はフィット感と見た目のスマートさからアンライニングが良いと思います。ライニングを付けるならジョンストンズ製のカシミヤを。シルクはあまり人気が無いです。
フィット感、スマートな見た目
アンライニング>カシミヤ
保温性
カシミヤ>アンライニング
耐久性、手入れのしやすさ
アンライニング>カシミヤ
値段(高い順)
カシミヤ>アンライニング
⑤手のサイズを測る(1サイズ小さめを!)
デンツの革手袋はインチとSML表記の2つがありますが、上記Heritageコレクションの場合はインチで選びます。写真のように手にメジャーを巻き付けて測りましょう。
私の場合は20cm。
こちらがデンツのメンズ革手袋のサイズ表。
革手袋は使ううちに少し伸びるため、最初は少しきつめ、タイトめのサイズを選びましょう。1cm小さいサイズを選ぶのがオススメです。
私の場合は20cmなので1サイズ小さい19cm=7.5インチ。
以上の選び方で革の素材からサイズまで吟味して、必要であれば百貨店などで実際に試着してみてお気に入りの1組を見つけましょう。高い買い物なので自分に合うモノを。
DENTS(デンツ)の革手袋をセールで個人輸入
ずっとデンツの革手袋が欲しかったのですが、日本で定価で買うとかなり高級。私が欲しいペッカリーグローブのアンライニングだと56000円〜というなんとも社会人1年目には辛いお値段。
日本の定価が高いなら個人輸入してみよう!ということで、今回イギリスから輸入しました。また、ちょうど全品30%オフのブラックフライデーのセールを実施していたため、即決でイギリス公式サイトから購入しました。(https://www.dentsgloves.com/en/)
11/24のお昼に注文し、12/6に近くの郵便局に到着しました。土日配達されなかったため、届いたのは12/9。だいたい2週間かかりましたね。他の人は5〜10日ほどで届いているため、今回はセールで注文が多かったため遅かったのだと推測。安く買えるならこれくらいどうってことありません。
ブラックフライデー30%+初回注文10%オフ
ブラックフライデーの30%オフと、メルマガ登録で初めての注文に使える10%オフクーポンを使って、合わせて40%オフになりました。あとで詳しい値段を書きますが、送料込みで日本の定価の半額で買えました。
日本への送料は15ポンドかかります。
発送と同時にトラッキングURLを送ってくれるので、今どこに自分の手袋があるのか確認できます。イギリスの税関から関東まで少しずつ近づいているのをもどかしいながらも眺めていました。
そしてとうとうご対面!
返品可能ですが、イギリス国外に発送されている場合は返品送料は自己負担です。
オリジナルダンボールを開けるとカッコイイロゴマーク。
深みのある赤にゴールドのロゴマーク。高級感が尋常ではありません。
丁寧にオリジナルペーパーで包まれています。
ペッカリーアンライニング「Clifton」7.5インチ
そして紙をめくるとそこにはデンツの革手袋が!私が注文したのはペッカリーアンライニング「Clifton」7.5インチです。
2019/12現在の定価は£289(42,100円、約145円/ポンド)。
それがブラックフライデーセールで£192.67+送料£15 →10%オフクーポンで
£188.40(約27500円)
かなり安いです。日本の定価が56000円〜なので、半額以下!! 関税はかかりませんでした。
左手のタグにはHeritage CollectionとMade In Englandの文字が。
見た目が少し乾燥気味だったので、いつものように新品の革製品はデリケートクリームでプレケアします。
サイズは7.5インチ。色はバーク(Bark、焦げ茶色)、商品番号は15-1043。
革はペッカリー。アンライニングです。
「Clifton」と呼ばれるこのモデルは、手首をスナップボタンで留めることができます。また、手縫いグローブにしか見られない親指と人差し指の間のマチは、指の自在な動きを妨げません。
このモデルは手縫い(ハンドソーン)。内側には糸が見え、外側も外縫いされた糸が見えます。手首部部のみ機械縫いで細かいステッチになっています。
縫い目が表に出る「ブリックシーム法」と呼ばれる縫製は、厚みのあるレザーに使用される方法で、職人の手縫いによる温かみが伝わってきます。
フィット感
サイズについては、1サイズ小さめで大正解でした。伊勢丹で一応試着していたので外れはないだろうとは思っていましたが、しっかりジャストフィット。あと0.5mmくらい小さくてもいいくらい。
指先部分は4枚の革を縫い合わせています。
片手だけでなんと、16枚のパーツから出来ています。これのおかげで細かい手の動作も手袋を付けたままでできると評判らしいです。フィット感は確かに他の手袋に比べて比べものにならないですが、細かい手の動作は紙のページをめくるくらいで、小銭とつまんで取り出すとかまではやりにくいと思います笑
手袋の甲を装飾する「ポインツ」と呼ばれる3列の縫い目は、人差し指から薬指までの腱の動きを助ける役目もあります。伝統的な手袋に見られる縫製です。デザインがクラシックで格好良い。ペッカリー特有の毛穴が分かりやすいですね。
こんな感じでクラシックファッションにピッタリ。私物のFox Umbrellasとスーツで完璧だなと我ながら高揚感に満たされます。
保温性
室内で付けると十分すぎるくらい温かいです。その点カシミヤライニングは室内で付けると暑くて手汗をかくかも。寒い日の屋外で付けると、確かに保温性は少し劣りますが、何も手袋を付けない状態と比べれば十分温かいです。このフィット感と見た目のスマートさのほうが保温性よりも私にとっては価値が高いです。
着用、着脱時の注意点
- 着用する際は、手首部分を折り曲げ、指を揃えて丁寧に手袋の中に入れます。決して一部分のみを強く引っ張らないようにしましょう。
- 手袋を着用したら指全体をつかんで一度ギュッと下に降ろしてしっかりフィットさせます。
- 着脱時は、指全体をつかんで丁寧にずらして外します。手のひらからずらすのもあり。
- 最後にテーブルの上に広げて軽く伸ばして保管します。
日常のお手入れ、使用方法
- 革手袋は湿気に弱いため、連続して使用するのは避けます。内部に湿気が溜まるため。
- 着用後、テーブルの上に広げて置き、馬毛のブラシで丁寧にブラッシングして埃や汚れを落とします。
- 軽く押しつけて引っ張って型崩れしないように整えます
- 吸った汗や湿気を発散させるため、風通しの良い日陰に置いておきます
- シーズンの終わりと始まりごとにデリケートクリームを塗ります。
親指が長いのは注意
DENTS(デンツ)の唯一評判がよくないところが親指の長さ。イギリス人の手の大きさに合わせているため、親指だけはジャストフィットになりません。1〜1.5cm隙間ができます。実際に使ってみて問題やストレスを感じることはありませんが、気になる人は注意が必要です。もし親指もジャストフィットが良いなら、CAUSSE(コース/ガンコス)というフランスのブランドの革手袋がオススメ。
CAUSSE(コース/ガンコス)
DENTS(デンツ)と並び高級革手袋で有名なフランスのブランド。エルメスに納品しているほど高品質であり、親指の長さが日本人にも合うため、DENTS(デンツ)に満足できない人はこちらを選ぶ方もいます。私もガンコスが欲しいのですが、こちらはセールを行わないため、社会人1年目の私は見送りました。セレクトショップとかでセールになっているのを見つけたらいつか買いたいですね。
DENTS(デンツ)の本物を通販で安く買う方法
一番安く買う方法は、イギリスの公式サイトでセール時に初回クーポンを利用して買う方法です。
DENTS(デンツ)は革手袋の人気ブランドのため、通販で並行輸入品も多く販売されています。信頼できるショップで買いましょう。
カシミヤライニングが一番人気なので、アンライニングは取扱いが少ないですが、私が購入したモデルの「clifton」は楽天市場で取扱いがあります。定価に比べれば十分安い値段です。
紳士たる者、最高級の革手袋を
DENTSのペッカリーグローブはあまりに有名なので分かる人は分かりますし、もしかしたら人と被る可能性もありますが、紳士たる者、最高級の革手袋を持っていて損はありません。丁寧に使えば10年は使えますし数万円の価値があります。
さっそく1週間ほど使いましたが、スーツに似合うし、柔らかい感触は惚れ惚れするし、上司にも褒められて承認欲求が舞い上がります笑
毎日連続で使用するより、2組を交互に使うほうが長持ちするので、あともう1組革手袋が欲しいところ。次買うならディアスキンですね。あとはDENTSかガンコスか悩みどころです。
今年はJohnstonsに始まり、John Smedley、フォックスアンブレラと着々とロイヤルワラントを揃える社会人1年目となりました。現在、もう1つ英国製品が届くのを待っている状態です。DENTSのペッカリーグローブ含めて自分へのクリスマスプレゼントになりました。