LAVENHAM(ラベンハム)
LAVENHAM(ラベンハム)は1969年にロンドン北東部サフォーク州の小さな村「LAVENHAM(ラベンハム)」で創業。村の名前がブランド名になっています。
その昔、乗馬用のブランケットはジュート麻で作られており、保温性が悪く濡れ易いため改善が必要とされていました。そこでエリザベス女王に仕えていた女官のエリオットさんが女王の乗馬用毛布をキルティング生地で作ることを思いつきました。
エリオットさんが発案したナイロン・キルティングのホース・ブランケットは1969年に発売され、乗馬用具業界での地位を確立しました。 また、キルティングの軽い、丈夫、保温性が高い、適正価格の強みからブランケット用だけでなく、乗馬愛好家が着用するジャケットの要望も高まりました。
1972年にナイロン・キルティング・ジャケットが発表され、愛馬とお揃いのジャケットを持つ人が増えました。 また、ラベンハムの代表製品「ダイヤモンド・キルティング・ジャケット」が発表され、ベーシックで実用的な乗馬用トレーニング・ウェアから高品質なファッション用品へと取り入れられていきました。今では「キルティングジャケットといえばLAVENHAM」と言われるほど、他ブランドの受注生産も請け負いながらキルティング製品を作り続けています。2019年で日本上陸25周年です。
サフォーク州の自社工場で生産される「ダイヤモンド・キルティング」
ラベンハムの製品は全てサフォーク州サドバリーの自社工場で生産されています。
ラベンハムを象徴するダイヤモンドキルトは、ダイヤモンド型の角を交差させ、伸縮性のあるナイロン上糸と、毛羽立たせたポリエステル下糸を使用することでほつれを防ぎ、耐久性を高めています。自社工場で一貫して作られるラベンハムのジャケットは、生地、スタッド、ウェッビング等を厳選し、1着ずつ丁寧に縫製。その途中、何度も検品を重ね、検査をクリアした高品質な物をお届けしています。(http://lavenham.jp/about/)
キルティングジャケット「RAYDON(レイドン)」
50年以上キルティング製品を作り続けているLAVENHAM(ラベンハム)の定番モデルの一つが、シンプルなジャケットタイプの「RAYDON(レイドン)」です。
ラベンハムのオリジナルモデル「MILDEN(ミルデン)」のデザインをそのまま生かしながら、現代のモダンスタイルに合わせて細身のフィッティングに仕上げています。ジャケットなので、シャツやセーターの上から着ることを前提に着丈は適度に短く設計され、アームホールや袖幅もジャストフィットに調整。スーツやジャケットの上に羽織ることも可能です。
スナップボタン仕様で、襟、前立て、ポケット口はコーデュロイ生地となっており、よくあるブカブカに膨れ上がったダウンコートとは全く異なります。カジュアル過ぎず、オーセンティックなデザインでオンオフどちらのシーンでも使えます。
RAYDON(レイドン)とDENHAM(デンハム)の違い、選び方
ラベンハムはメンズ、ウィメンズともにキルティング・ジャケットとコートがいくつか種類があります。ショート丈でコーデュロイの襟付きのものでRAYDON(レイドン)のほかにDENHAM(デンハム)というモデルがあります。
デンハムはレイドンを全体的に大きく、広くしてジャケットやスーツの上からでも楽に着れるようにしています。36のSサイズで比較してみましょう。日本別注モデルはサイズが異なることがあるので注意して下さい。
モデル(36) | RAYDON(レイドン) | DENHAM(デンハム) |
着丈 | 71.5cm | 75.5cm |
肩幅 | 42.5cm | 45cm |
身幅 | 52.5cm | 55cm |
袖丈 | 62.5cm | 63.5cm |
DENHAM(デンハム)
デンハムはチェスト・ウエスト・アームホール・袖幅を広めに作られています。ボックス型のシルエット。展開モデルの中でも比較的ゆったりとしたフィット感で、 中に着込んでも問題なく羽織れること、昨今のオーバーサイズのトレンドに沿った商品です。
RAYDON(レイドン)
レイドンは細身のモデル。それ故スーツなどオンスタイルとも相性が良いです。ダウンやキルティング製品はどうしても着ぶくれしてスタイリッシュな着こなしができないですが、レイドンはスッキリ着こなせるため、ファッション性が高いキルティング・ジャケットです。
ラベンハム「RAYDON(レイドン)」の原価
今回私がRAYDONを注文した「ChelseaGardensUK(チェルシーガーデンズUK)」(※25年現在は取り扱い無し)はイギリスから商品を送付してくるので、今回も税関を通って手元に届きました。Valueの文字で「44GBP」と書かれています。おそらくこれが原価だと思われます。※2020年時点
1ポンド190円で日本円に換算すると 約8000円!
動画を見て分かるように、一工程ごとに人の手が入っており、キルティング生地の品質はもちろん、縫製の手間がかかっているためこの原価なのだと思います。
私が購入した2020年時点の原価です。2021年以降は100%リサイクルのキルティング生地「ラブンスター」に変更されています。
「RAYDON(レイドン)」を安く購入する方法
数年前までは代理店やセレクトショップでも広く取り扱いがありましたが、25年現在は公式か並行輸入品の通販で購入することができます。
- LAVENHAMの公式サイト(日本 or UK)で購入(通販)
- 日本の通販サイトで並行輸入品を購入(通販)
25年現在、公式の定価は55,000円/255ポンドと私が購入した2020年と比べて約2万円ほど高騰しています。UKサイトから個人輸入してもほぼ変わらないため、通販の並行輸入品が最も安いです。通販なら3.9万円で販売されています。
「RAYDON(レイドン)」を通販で購入、レビュー
2020年当時、楽天通販で並行輸入品を注文。
ハンガーにかけてみました。ラベンハムのダイヤモンドキルトは艶があります。ダイヤモンドの頂点部分、ステッチが重なり合う箇所はラベンハムの特徴であるクロスステッチという手法で縫製されています。糸をほつれにくくする独自の縫製技術です。
スナップボタン
ボタンにもロゴ入り。カチッと強めにしっかり留まるスナップボタンです。
左ポケットにロゴがあります。
検品担当者の名前が書いてあるタグ
検品と包装を担当した人の名前がタグの裏に貼り付けられています。私のレイドンはAgnesさんという方がみてくれたようです。機械で無機質に量産されている服飾業界でこういう人の手を実感できる製品は本当に素晴らしいと思います。
裏地は明るいブルー。より光沢感があり、ラベンハムの馬のマークが付いています。
左胸の裏ポケット
裏地にも左胸にポケットがあります。この辺はジャケットっぽいですね。
大きめの裏地のロゴタグもイギリス感溢れてすごく良いです。
ラベンハム「RAYDON(レイドン)」フィッティング
シャツの上に分厚いMACALASTAIR(マカラスター)のニットを着て上から羽織ってみました。
私が購入したのは36のSサイズ。色はSUFFOLK NAVY。
171cm、55kgの細身体型の自分にはピッタリでした。ニットやスーツの上からも着ることはできますが、レイドンは細身モデルのため、薄手のニットのほうがスッキリ見えます。
薄手のニット(オレンジ)を着てみました。こちらのほうがシルエットがスッキリします。
ボタンを全て留めることもできますが、ニットやシャツが見えた方が見栄えは良いので私はいつも羽織るだけにしています。
追記:2年目のRAYDON(レイドン)
レイドンを購入して2年目。大きな汚れは付いていないのでクリーニングには出していません。着用後のブラッシングのみ。
薄手のニットの上に羽織るのが綺麗に見えます。
ダウンやキルティング製品は保温性が高く、機能性に優れますが、着ぶくれしやすく、ゆったり目のシルエットが、私好みのクラシックファッションから離れるため、今まで手を出してきませんでした。
そこで出会ったラベンハムのレイドン。キルティング製品でもスタイリッシュに着こなすことができ、特にクラシックと相性が良くて気に入っています。
全て自社工場で生産しているMADE IN SUFFOLK ENGLAND。タグや動画にあるように職人が丁寧に手作業、検品しているため品質は保証されています。
キルティング製品の良いところは機能性が高いこと。まず軽い。ジャケットやコートは重いことが多いですが、レイドンは持ち運び、着脱しやすいです。また、保温性は言うまでもなく高く、撥水加工されているため防水性も兼ねそろえています。耐久性も高いため、高いウールコートのように手入れに気を遣いすぎなくても良いのが楽です。
日常のお手入れ、使用方法
生地が丈夫なので、着たら軽くブラッシングする程度で日常のお手入れは十分です。
- 肩に厚みのあるコート・ジャケット用ハンガーにかける
- 着用後はブラッシングしてキルティングの溝に入っている埃や汚れをかき出す
- 雨に濡れたり、シミの汚れが付いたらタオルで軽く叩いてケア
- コーデュロイ部分は汚れやすいため、定期的にチェックして汚れていたら綺麗にする
- 取れない汚れが付いたらクリーニング
初めてのキルティングはラベンハムで。
キルティング製品はダサいイメージしかありませんでしたが、ラベンハムのおかげでそのイメージが覆りました。最近はよくキルティング・ジャケット、コートを着ている人を見かけますが、シルエットや生地の高級感で目に見えて違いがありますので、ぜひ試してみて欲しい商品です。
高級ジャケット、コートは2桁万円することがほとんどで手を出しにくいですが、ラベンハムの製品は私のような庶民にも優しい価格設定です。別のモデルも興味ありますし、レイドンもへたったらリピートするつもりです。長く大切に使いたいです。また一つ、所有する英国製品が増えました。