KOFFEE MAMEYA(コーヒー マメヤ)
KOFFEE MAMEYA(コーヒー マメヤ)は、建物の老朽化により、2015年に惜しまれつつも閉店した「OMOTESANDO KOFFEE(表参道コーヒー)」を前身として、2017年にリノベーションされて再オープンしたコーヒー専門店です。
昨今のコーヒーブームで自家焙煎のコーヒー豆を全面に押し出しているお店が多いですが、KOFFEE MAMEYAは、世界中を旅して出会った一流のロースターが生産するコーヒー豆を集めて紹介する、コーヒーの魅力を伝えることに振り切ったコーヒーのセレクトショップです。
オーナーの國友氏:「自分で焙煎をすることはしません。焙煎はプロであるロースターがやったほうがいい。あくまでもバリスタとして何ができるかを考えて、私たちはロースターとお客様をつなぐことを目指したいんです。ロースターがいい豆を生産地に赴いて探しているように、バリスタとしてはよいロースターを世界中から探したい。そして、コーヒー豆を一番美味しい状態のドリンクにするプロであるバリスタは、どんな豆がその人の好きな味を出せるのか、どういう淹れ方をするのがよいのかをお客様に伝えるのが仕事だと思っています」(引用元:TimeOUT)
「同じ産地の豆でも焼く人によって味わいが全く異なる。明確なプロによる、明確な分業こそ職人技が光る」という考えから、焙煎はその道のプロにお願いして、焙煎後の豆をプロのバリスタとしてアフターブレンドすることで独自のコーヒーを販売しています。
接客してくれる店員さんは全員コーヒーに精通したバリスタ。「美味しいコーヒーをその場で出すだけでなく、バリスタとして家で飲む美味しいコーヒーも提案したい」という想いから、他店では手に入らない世界中から厳選した15~20種類のコーヒー豆から、お客さんの好みを丁寧にヒアリングして紹介してくれます。
白衣をまとったプロのバリスタ店員からコーヒーのカウンセリングを受けられるということで、丁寧な接客に定評があり、表参道の隠れ家的存在として人気を博しています。
KOFFEE MAMEYA(コーヒー マメヤ)を初訪問
2021年8月6日。外苑前駅周辺で用事を済ませ、コーヒーが飲みたくなったので近くでコーヒー専門店を探したところ、KOFFEE MAMEYA(コーヒー マメヤ)がヒットしました。普段は通販でコーヒー豆を取り寄せるため、通販サイトを持たないKOFFEE MAMEYAのことは初めて知ったのですが、評価が高かったので、暑い日でしたので美味しいアイスコーヒーを求めて10分ほど歩きました。
表参道の洗練された住宅街に溶け込んでいて通り過ぎそうになりましたが、日本家屋を感じさせる黒い門と石畳が入口です。
海外メディアに取り上げられている影響で外国人の利用者も多く出入りしています。この日も私と入れ違いで外国人のお客さんが出てきました。
頭をぶつけないように入口をくぐります。高級感漂う雰囲気に圧倒されて扉をくぐるのに一瞬躊躇しましたが、バリスタの店員さんが笑顔で迎えてくれました。
コンクリートの床と壁に囲まれて、茶室を連想させる木のカウンターがモダンな和の空間を演出しています。
店内はカウンターのみで広くはないので、数組、立ち飲みで4〜5人入れるくらいです。回転率は高いですが、土日祝日の混雑時はテイクアウトが多いようです。この日は平日でしたので、一人で来店していた男子大学生2組と私の3人でした。
お客さん1組に対して、白衣をまとったバリスタが専属で接客してくれます。「ご利用は初めてですか?」から始まり、ロースト度合いやフレーバーを比較できるサンプル豆とメニュー表をもとにコーヒーの好みをヒアリングされます。
- アイスコーヒーを注文したい
- 酸味が強いのは苦手
- 普段はほとんど酸味のない苦味の強い深煎りコーヒー豆を好んで飲んでいるが、今日は酸味も感じられるものを飲みたい気分
ということを伝えると、「苦味を残したまま、フルーティーな酸味を感じられるブレンド」ということで「Tokado Coffee(豆香洞コーヒー)のHile Selassie(ハイレセラシエ)」というコーヒーを提案してもらいました。
ホットコーヒーは目の前でドリップしてくれるようですが、アイスコーヒーは予めサーバーに淹れたものを氷が入った容器に注いで提供されました。
一口飲むと、確かに苦味の中にフルーティーな酸味とほのかな甘味を感じます。「Hile Selassie(ハイレセラシエ)には三位一体という意味があり、苦味、酸味、甘味のバランスが取れた味わいです」と丁寧な説明を受けながら飲むとより一層美味しく感じます。
「とても美味しいです。このコーヒー豆を購入できますか?」と伝えると、「お時間ありますか?コーヒー豆を購入するなら後悔してほしくないので、深煎りのものと飲み比べしてみてください」ということで、カウンターでゆっくり立ち飲みしながら、もう1種も1口味見させて頂きました。コーヒー豆を購入する場合は飲み比べさせてもらえるようです。
価格はメニューによりけりですが、私が飲んだHile Selassieは、1杯550円。価格だけみると他のコーヒー専門店と同じくらいですが、丁寧な接客を受けられる分、満足度が高いです。
店員の方はフレンドリーな話し方ですが、接客の軽さや適当さは全くなく、むしろバリスタとしてのプロ意識を感じる対話でした。私も仕事柄、見習う点が多かったです。
飲み比べた結果、Hile Selassieを購入することに決めました。その後も家でのコーヒーの淹れ方についてカウンセリングを受け、豆の情報や淹れ方を書いた「カウンセリングシート」を作成して頂きました。
コーヒー豆は150gで販売しており、その場で豆を挽いてもらうことも可能です。Hile Selassieは150gで1950円。他店に比べると少し高いですが、プロのバリスタの接客へのチップと考えると妥当な価格設定だと思います。
KOFFEE MAMEYAの店内装飾は、身近にコーヒーを楽しんでもらいたいという想いからKIOSK(売店)からインスピレーションを受けており、また、全てのデザインが「□(四角)」で統一されているのが特徴です。
後の棚からお洒落な巾着袋に入れられたコーヒー豆を取り、挽き目サンプルとカウンセリングシートを同封してくれるので、オーダーメイドしている感覚です。ショップ閉店後の平日18〜19時はカウンセリングシートを持参してワークショップに参加することもできます。
滞在時間は10分程度でしたが、密度の高い時間でとても良い時間を過ごすことができました。土日に行列ができるのも頷けます。表参道の近くに寄る用事がある時にはまたぜひ訪れたいです。
【レビュー】Tokado Coffee(豆香洞コーヒー)「Hile Selassie(ハイレセラシエ)」
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店内で飲んで気に入って購入したコーヒー豆。お洒落な巾着袋が付いてくるのも何気に嬉しいですね。
コーヒー豆150g、カウンセリングシート、挽き目のサンプルが入っています。
軽めの口当たりで中〜深煎りのローストです。
生産国 | エチオピア |
農園 | Hile Selassie |
品種 | エチオピア種 |
加工方法 | ウォッシュド+ナチュラル |
標高 | 1,800〜2,200m |
フレーバー | オランジェット、ブルーベリー、紅茶 |
老舗のバッハコーヒーにて修行し、World Coffee Roasting Championship 2013で優勝した焙煎士の後藤直紀氏がギーセンという焙煎機で焙煎したコーヒー豆です。
賞味期限は10月30日で購入日から約3カ月。
ハンドドリップ、苦味が好みということで書いてもらった抽出方法がこちら。14gの豆を中挽にして、90度のお湯で180秒とゆっくり時間をかけながら6回に分けて210mlを抽出します。
自社焙煎のコーヒー豆と比べると、焙煎から少し時間が経っているとは思いますが、コーヒー豆から油は出ておらず、品質管理は問題なさそうです。
レシピ通りに抽出して、今回はホットで飲んでみました。アイスコーヒーにしたときに比べてコクが深まり、お店で飲んだ時の味を再現することができました。
コク、ボディ(口当たり) | 重め |
甘味 | ☕️☕️○ |
酸味 | ☕️☕️○ |
苦味 | ☕️○○ |
総合点 | 80/100 |
レモンのような明るさ、黒蜜のような滑らかな舌触り、ストロベリーのような甘い香りを放っています。苦味を残したまま、オランジェットやブルーベリーのフルーティーな酸味とほのかな甘味を楽しめるコーヒーで、酸味が苦手な方でも美味しいと感じることのできるブレンドです。
ネット通販で手軽にコーヒー豆を購入できる時代ですが、実際にお店を訪れて、コーヒーの香り、お店の雰囲気、店員さんとの会話を楽しめるのは店舗ならでは。
プロのバリスタのカウンセリングを受けながら自分好みのコーヒー豆を探せるKOFFEE MAMEYA。ぜひ訪れてみてください。
店舗情報
住所 | 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-15-3 |
アクセス | 「表参道」 駅 A2出口 徒歩5分 |
営業時間 | 10:00〜18:00 |