Drake’s(ドレイクス)
Drake’s(ドレイクス)は、Aquascutum(アクアスキュータム)のアクセサリー・コレクションのデザイナーだったマイケル・ドレイクが1977年にイギリス、ロンドンのイーストエンドで創業したメンズウェアブランド。
メンズマフラー、スカーフ、小物のコレクションからスタートし、1986年にはネクタイコレクションを発表。伝統的な英国の仕立て技術と斬新な多彩な色柄で注目を浴びました。現在では英国に残る希少なファクトリーブランドとして、ネクタイ、ポケットチーフ、シャツ等は特に高い評価を得ています。2017年に渡辺産業株式会社のBRITISH MADEでアジア進出しています。
Drake’s(ドレイクス)のネクタイ
Drake’s(ドレイクス)のネクタイは300年前に絹織物で栄えた地区にあるHABERDASHER STREETのオフィス兼自社工場で生産されています。伝統技術を引き継いでいるネクタイ作りの職人が、旧式織機で織り上げられたセブンスレッドシルクと呼ばれる7本撚りのシルク糸を使用した生地を使用し、ボリューム感と光沢に優れるネクタイを生み出しています。「ハンドロール」と名の付いたものは職人のハンドメイドで1本1本丁寧に縫い上げられている商品の証です。
英国好きなら外せない映画「キングスマン」では、ドレイクスのネクタイが使用されています。
Drake’s(ドレイクス)|「タッサーシルクタイ(ハンドロール)」レビュー
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British Madeでも取扱いのあるドレイクスの「タッサーシルクタイ(ハンドロール)」を2019年夏に購入しました。
見た目はリネンかと思うほどさらっとした手触りとざっくりとした織り目になっており、春夏向きの素材の風合いを活かしたネクタイです。
タッサーとは野蚕絹(やさんぎぬ)のことで、一般的な絹(家蚕絹)と比べて繊維が太いため、シャリ感と厚みのあるとても丈夫な生地。また、野蚕は糸の太さにムラのあるシルクを作り出すため、写真の通りネップ感(繊維が絡み合ってできた糸のかたまり「節」が生地全体にぽつぽつと模様としてできていること)があります。
イギリス製。上の写真は購入当時のもので、ここからは1年半使用した後の状態のものの写真です。
中心の縫い目は外に見えないように縫われており、タグの四つ留め、バー・タック(かんぬき留め)も同系色同素材の糸で手縫いされていて目立たちません。
裏地なし。ウール芯が入っています。
大剣と小剣の裏側の縁(ヘム)はハンドロール(手巻き)されています。縁が丸まっているため、表側から見たときにも剣先に手縫いの温かい表情が出ます。些細なこだわりに見えて、意外とネクタイ着用時の見た目を左右するため、個人的にネクタイ選びでは外せないポイントです。
1年半以上使用してみた感想
サラッとした見た目のため、春夏のドレススタイルによく合います。使い込むほどに生地が馴染んで柔らかくなるため、秋冬にも着用して結局通年で使い倒しています。一度洗うとシャリ感が再度現れる面白い生地です。
ネクタイの所有数が少ないため、かなり高頻度で使用していましたが、着用後にネクタイハンガーにかけて軽くブラッシングするのみのケアで今のところほつれ等の劣化はないです。毎回ギュッと結んでいますが、日中緩むこともありません。
ただし、マシンメイドのネクタイに比べると伸びてしまうようで、1年半使用して+8cm伸びました。まだ一度も洗っていないため、洗えば多少縮むだろうとは考えていますが、今の状態だと身長171cmの私は、大剣をベルトにかかるくらいの位置に持ってくるとすると小剣はベルト下の位置になります。
私はネクタイのノットはできるだけ細く小さく結ぶのが好みなのですが、タッサーシルクは生地に厚みがあるため、結び目は大きめになってしまうのが唯一の難点ですね。
素材でネクタイのバリエーションを増やす
ネクタイの色柄を変えるだけでコーディネートの幅が広がりますが、素材を変えてみても異なる印象になります。春夏はニットタイやリネン生地が人気ですが、タッサーシルクタイをワードローブに追加してみてはいかがでしょう。
ひこマイケル・ドレイク氏の色柄を取り入れたお堅すぎないトラッドスタイルはとても参考になります。彼のブリティッシュアクセントも心地良く、私の憧れの英国紳士です。