昨年の大阪に引き続き、ゴールデンウィークでひとり写真旅をしてきました。今年は1泊2日で岐阜県の飛騨高山を訪れました。
名古屋⇄高山駅の移動
名古屋駅→高山駅(高速バス)
名古屋から高山まで公共交通機関で行くには高速バスか特急ひだがオススメです。どちらも所要時間はだいたい2時間半。初日は天気が悪かったので、行きは高速バス、帰りは特急ひだで移動しました。
所要時間 | 料金(片道) | 区間 | 特徴 | |
特急ひだ | 約2時間半 |
| JR名古屋駅⇄JR高山駅(一部大阪発) | 窓が大きく、車窓からの景色を楽しめる。 |
高速バス | 約2時間半 | 指定席:3,100円 | 名鉄バスセンター⇄高山濃飛バスセンター | 安価 |
高速バスは特急ひだの半値くらいで安価なのが魅力。コンセント・トイレ付きのバスで全席指定です。道路交通状況で遅れる可能性もありますが、特急ひだも単線で列車の入れ替えでよく停止するので、遅延の可能性はどちらも変わらない気がします。
乗車する時はまだ雨が降っていましたが、予定通り10時半前にJR高山駅の隣りにある高山濃飛バスセンターに到着しました。
JR高山駅
2016年にできたJR高山駅。内装には飛騨産のヒノキを使用していて構内はとても綺麗です。ホテルは徒歩10分ほどのところにありましたが、荷物を預けて往復するのも面倒だったので、リュックだけ持って、観光に不要な荷物をトートバッグにまとめて1階のコインロッカーに預けました。
高山のオススメ観光スポット
高山陣屋
飛騨を支配していた高山城主金森氏が元禄5年(1692年)に江戸幕府の命令で上山(山形県)に移され、同年に江戸幕府が飛騨を直轄領として役所を設置し、幕府から派遣された代官や郡代が飛騨の政治をとりました。この役所を「陣屋」と呼び、幕末には全国に60数ヶ所あったもののうち、高山陣屋だけが現存しており、国指定文化財の史跡に登録されています。
入場料は大人440円。当時役所として機能していただけあって広間がたくさんあり、隣りの御蔵(年貢米を収納していた米蔵。現存する米蔵として全国でも最古・最大級を誇り、現在は飛騨の歴史と文化を紹介する展示施設として利用)も合わせるとかなり広かったです。
庭園も美しく、外国人観光客が縁側で景色を楽しんでいました。
中橋
高山市内の中心部を流れる宮川にかかるシンボル的存在の橋が赤い中橋。春は桜(ソメイヨシノ)、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季を楽しむことができます。中橋の袂にある桜の木は、桜の開花宣言の基準木になっているそうです。
いわきの早蕨(さわらび)
直前で決めた旅行で、観光スポットも多くないので、時間は気にせず自由に巡っていたのですが、Googleマップのレビューが高いわらび餅屋さんを見つけたので寄ってみました。地元民にも人気のお店ということで、和菓子好きの私としては外せないということで買ってみました。
テイクアウトのみなので、ホテルに持ち帰って夕食後のデザートとして食べました。細長く切られたぷるぷるのわらび餅で優しくとろける口当たり。黒糖が練り込んであって薄く色づいています。黒蜜ときな粉をかけて美味しく頂きました。
三町筋
三町筋は飛騨高山藩初代藩主の金森長近が築城した高山城の城下町として発展した、江戸時代の面影が色濃く残る飛騨高山の定番スポットです。
高山の上町、下町の三筋を古い町並みと呼び、格子窓の軒下には灌漑用水が流れ、酒蔵には杉の葉を玉にした「酒ばやし」がぶら下がっていたり、町屋の門や老舗の暖簾が軒を連ねていたりします。
上町は、駄菓子屋さんや伝統工芸店、みたらしだんごの名店などが並び、下町は、生活用品の店舗が立ち並びます。町をめぐる人力車も人気です。
昼間は観光客で賑わっています。この日は食べ歩きとお店巡りをして、2日目の早朝に再度訪れて人通りのない写真を撮りました。
こって牛
飛騨高山といえば飛騨牛。飛騨牛を食べに観光に来たと言っても過言ではありません。ステーキや焼肉も良いですが、ぜひオススメしたいのが飛騨牛のにぎり寿司。ここ「こって牛」は飛騨牛にぎり寿司専門店として古い町並みに店を構える人気店です。
行列ができていましたが、テイクアウトのみで回転も速いので10分もかからずお目当ての三種盛り(1000円)を食べることができました。こって牛に併設された雑貨屋「咲くやこの花」の席を利用できるので、ベンチに座ってにぎり寿司を頂きました。
飛騨牛料理認定店として最高級である5等級の希少部位を使用し、米は飛騨産ひとめぼれなど厳選素材にこだわっています。三種盛りは、竹炭塩、生姜醤油、飛騨牛軍艦が一貫ずつ。伊勢地方で一枚一枚手焼きした生えび・あおさ入りの煎餅をお皿にして提供されます。
口に入れた瞬間に肉がとろけて幸せになれます。今回の旅の中で食べたもので一番美味しかったです。個人的には軍艦よりもにぎり寿司、特に醤油生姜が気に入りました。
注文したのは定番人気の「特上ロース串焼き」(1,000円)。飛騨牛の最高ランクA5のみを使い、塩で味付けされた贅沢な串焼きです。とろけるように柔らかい肉質でしたが、私には少々油っぽすぎたので、他メニューの「とろ煮」や「飛騨牛塩つくね」のほうがオススメかもしれません。
匠館
宮川朝市通りに面し、工芸作家やクラフト作家の作品を販売している「匠館」。1階は飛騨高山ならではの木製の食器やおもちゃ、小物雑貨などお土産にぴったりのものがたくさん並んでいます。2階には飛騨の家具メーカー株式会社シラカワの家具が展示販売されていて、インテリアが好きな方にオススメのお店です。
櫻山八幡宮
櫻山八幡宮は、秋の高山祭の例祭の場所として有名な神社で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
仁徳天皇の時代(377年頃)に飛騨山中に両面宿儺という凶族が天皇に背いて人民を脅かしており、征討将軍の勅命を受けた難波根子武振熊命(なにわのねこたけふるくまのみこと)が官軍を率いて飛騨に入った際、応神天皇の御尊霊を祀って戦勝祈願を行ったのがはじまりとされています。
境内には火防鎮護の神を祀る「秋葉神社」、菅原道真公を祀る「天満神社」、五穀豊饒・商売繁盛・養蚕・各種産業の神を祀る「稲荷神社」、海上交通安全の神を祀る「琴平神社」、武勇の神・歯の神をの神を祀る「照前神社」といった末社があります。
古い町並みから少し離れているせいか、観光客はそこまで多くありませんでした。
相應院
藤が美しく咲いていたので目が留まったのが桜山八幡宮の別当寺長久寺を前身とする高野山真言宗の寺院。つい最近、「夢をかなえるゾウ」を読んでいたこともあり、ガネーシャ(聖天様)が祀られているということで縁を感じてお参りしました。
江名子川
かつて高山城を囲む堀の役目をした江名子川。川沿いに立ち並ぶ桜や松が美しく、夜はライトアップされるそうで夜景もオススメです。
バーバー文助
道すがらあまりのインパクトに思わず撮影した理容院。壁一面に草木が生い茂っていて、右が民宿、左がバーバーで外にも中にもレトロなものがたくさん並べてあります。
高山昭和館
昭和30年代のレトロな街並みが再現されている博物館。中には入りませんでしたが、入口には昔ながらの駄菓子屋、奥に入ると理髪店や写真館、雑貨店など昭和の商店街が再現されているみたいです。
Falò Coffee Brewers
コーヒー好きの私は観光地と同じくらい、旅先のコーヒー専門店を調べるのですが、今回高山で気になったお店がこちらの「Falò Coffee Brewers」。古い町並みの近くにあり、築100年以上の古民家を改装して2022年2月にオープンしたスペシャルティコーヒースタンドです。
テイクアウトもできますが、混んでいなかったので店内のテーブル席を利用しました。ハンドドリップコーヒーは浅煎り3種からスペシャルティコーヒーを選んで注文。観光地なのに約500円と良心的な価格。店主の竹橋さんと臨時アルバイトの方の2名で運営していました。
ホンジュラスのシングルオリジンを注文しました。カカオ・キャラメルの苦味とアプリコットやピーチのほんのりとした酸味のある美味しい一杯でした。
豊川城山稲荷
城山公園に登っていく途中で見つけた寺院。1879年に高山の有志が岐阜県令の認可をうけ、豊川稲荷を勧請して城山に創建したそうです。
赤い鳥居が並んでいて写真映えします。
城山公園
戦国時代、日ノ本屈指の山城と言われた高山城跡が1695年に幕府の命令で取り壊され、その跡地の丘陵地一帯にあるのが城山公園です。初代高山城主の金森長近公像があります。
高山城跡
城山公園から高山城跡を中心としてグルッと遊歩道があります。高山を一望できる場所を期待して、熊注意の看板におびえながら30分以上かけて散策しました。観光客はほとんどおらず、時折ランニングや運動する地元住民とすれ違うくらいでした。
結局本丸には行かず、円周をぐるっと一周して、1箇所だけ街並みを一望できるところがあったので1枚だけ写真を撮りました。
特にこれといった見どころはないので、時間に余裕がある方や森林浴や運動目的の人以外にはオススメしませんが、森林浴の森百選に選ばれたらしく、足は疲れましたが、空気が美味しくて良いリフレッシュになりました。
飛騨高山レトロミュージアム
ドラマのセットのような昭和20年~50年代のレトロな雰囲気が楽しめる飛騨高山レトロミュージアム。町並みを歩きながら当時のフィギュアや雑誌、ポスター、おもちゃ、駄菓子屋ゲーム、昭和レトロなパチンコなどを実際に「観て」「撮って」「遊ぶ」ことができる家族や若者に人気の体験型博物館です。中には入りませんでしたが、小学校ブースではソフト麺や揚げパン、ミルメークなどの学校給食体験もできるそうです。
日枝神社
1141年(永治元年)に飛騨国国司で三仏寺城主である飛騨守平時輔が、近江国日吉神社を勧請して創建した神社。大山咋神(おおやまくいのかみ)を祀り、春の高山祭(山王祭)の例祭場所として、秋の櫻山八幡宮の例祭とともに有名です。また、高山を舞台としたアニメ「氷菓」に登場する「荒楠神社」や、映画「君の名は。」で宮水三葉たちの住む糸守町にある神社「宮水神社」のモデルになったと言われており、聖地巡礼の地として有名です。
参道大鳥居と杉並木。
朱の大鳥居。
赤い鳥居から続く石段を登ると拝殿があります。拝殿の右側には樹齢1000年を超えるご神木の大杉(岐阜県天然記念物指定)がそびえ立っています。
拝殿の左手にあるのが末社天満神社で、菅原道真公を祀っています。
「君の名は。」のモデル神社ということで観光客で溢れかえっているかと思いきや、そんなに人はおらず、穴場名所でした。若者のカップルが参拝に訪れていたので何となくほほえましかったです。
思う存分写真を撮ることができました。
10時半から全て徒歩移動で巡って時刻は15時半。高山は半日もあれば十分観光できそうです。気になっていた観光スポットは制覇できたので、ホテルへ向かいます。
入口だけ写真を撮りましたが、菅原道真公を祀る飛騨天満宮もありました。
【宿泊】高山グリーンホテル
今回の宿泊先は歴代の天皇陛下もお泊まりになられた高山の4つ星ホテル「高山グリーンホテル」。
2023年で開業50周年を迎えたそうで、ゴールデンウィーク1週間前に急遽決めた旅でしたが、ちょうど日にち限定の50周年記念特別プランで空室があり、そちらを予約しました。朝夕食付きで通常価格よりお手頃に泊まることができます。GW中でしたが、1人で泊まって21,500円でした。
【50周年記念】お日にち限定!桜凛閣コンフォートツインで泊まる★地産地消★高山ブッフェ♪
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客室は本館、天領閣、桜凛閣の3つの館に分かれています。
本館 | 露天風呂客室が付いた部屋があるのが特徴。レストランや大浴場までアクセスが近いのも便利。 |
天領閣 | 桜凛閣よりも広い和室や和洋室が多く、4人以上の家族向け。 |
桜凛閣 | 2020年にオープンした新館で内装がモダンで綺麗。窓が大きく景色を楽しめるのも魅力。ツインルームを主体としてダブルルームや和洋室など全7タイプ101室あり、1〜3人旅にオススメ。 |
本館1階には日本庭園の四季を楽しみながらゆっくりできる「ラウンジ&バー 木乃香」があります。バーの営業は中止していましたが、ホテルパティシエが手がけたケーキやパフェなどのスイーツを食べることができます。
高山グリーンホテルに併設されているのが飛騨最大級のお土産処「飛騨物産館」。宿泊者は館内着で中から入ることができます。
本館フロントロビーでチェックインを済ませ、隣りの桜凛閣へ。2020年6月にオープンしたばかりの建物で真新しいです。写真の右手前に客室へのエレベーターがあります。1階宴会場の待合場のようなもので、この日は宴会がなかったのか、17時頃に扉が閉まりました。
2階は桜凛閣プレミアスイート和洋室、プレミア和洋室の滞在者専用エグゼクティブラウンジになっています。客室は3~7階で、私は411の角部屋でした。
客室:桜凛閣 コンフォートツイン(トリプル対応)
部屋は最大3名まで泊まれるコンフォートツイン。14時チェックイン、11時チェックアウト。飛騨高山の自然や伝統工芸をイメージとした落ち着いた内装です。ベッドはシモンズ製でした。
照明や空調はタブレット操作。
館内は作務衣とスリッパで移動可能です。おもてなしの飛騨高山くるみむらさきが美味しくてお土産に買って帰りました。
夕食:ダイニングマルシェ「グリーンコート」
夕食はダイニングマルシェ「グリーンコート」で、地産地消をテーマにしたブッフェスタイル。地元食材や新鮮な魚介をふんだんに使った和洋中の料理を堪能できます。チェックイン時に時間帯を選ぶのですが、独り身だと周りの目が気になったので、一番早い17時からにしてもらいました。
一番乗りだったため、フロアのスタッフ方に迎えられてそれはそれで恥ずかしかったのですが、10分ほどすると他のお客さんも入ってきたのでその後は気楽にビュッフェを楽しめました。
名物の飛騨牛ステーキはチケット1回交換制で、ライブキッチン演出で目の前でシェフが切ってくれます。
洋食と和食メニューを一通り食べました。ビュッフェは質より量というイメージがあって期待していなかったのですが、その印象を覆す美味しさでした。地産地消にこだわっているとのことで、刺身は新鮮で、飛騨牛は言わずもがな美味しく、和洋食メニューもそれぞれシェフが調理したこだわりを感じさせる1品が多かったです。お腹一杯で中華は取りませんでしたが、デザートも食べて大満足。
天然温泉
今回の旅は温泉で疲れを癒やすのが最大の目的だったのですが、高山グリーンホテルの天然温泉は広くてゆっくりできました。
本館1階にある本陣大浴殿は、広く開放的な内湯のほか、露天風呂はジャグジー付きの檜風呂と景色を楽しめる岩風呂があります。弱アルカリ性の天然温泉がしっとりツルツルの質感で、きめ細かくつややかにする美肌効果から「美人の湯」と呼ばれています。本当に風呂上がりから翌日まで肌の調子が良かったです。
また、本館の地下には2023年2月にオープンしたばかりの「天領の湯~風雅~」があり、ハシゴして入浴しましたが、こちらは高濃度炭酸泉が楽しめる露天風呂が良かったです。
早朝散歩
2日目。5時半に起きて本陣大浴殿で温泉に浸かった後、6時過ぎに早朝散歩に出かけました。あいにくの曇りでしたが、霧がかった山並みが幻想的で冷たい空気も美味しいです。
古い町並みには同じく散歩している地元住民や観光客がちらほらいるものの、7時頃まではほとんど人通りがなく、写真撮影にぴったりです。
飛騨高山宮川朝市
陣屋前広場と宮川沿いの2箇所で毎朝開かれている朝市。農家の方が野菜や果物、漬け物を売っていたり、屋台や雑貨屋さんなどが立ち並びます。
7時から正午まで開かれており、ちょうど準備中〜開店直後でした。
そのまま宮川沿いを歩き、宮前橋と大鳥居で写真を撮ってホテルへ戻りました。
朝食:緑亭
朝食は本館1階の「日本料理 緑亭」で和⾷会席。窓から日本庭園を眺めながら、これまた地元食材をふんだんに使用した料理を楽しめます。豚しゃぶや朴葉味噌などご飯のお供がたくさんあり、みそ汁とご飯はおかわり自由です。品種等は忘れてしまいましたが、地元農家のこだわりのお⽶を使用した炊きたてごはんがとても美味しくて最高でした。
朝食後は客室で少しくつろいでから、定期的にホテルから出ているシャトルバスで高山駅へ向かいました。
高山駅→名古屋駅(特急ひだ)
9時過ぎに高山駅に到着。外国人観光客で券売機が混んでいたので、みどりの窓口で9時36分発の特急ひだの乗車券を購入。自由席は混みそうだったので指定席にしました。
9時15分過ぎに改札が開き、ひだ6号で名古屋まで帰りました。
高速バスに比べると座席がゆったりしているのと、何より窓が大きいので景色を楽しめるのが良いです。ゆっくりと走る電車の車窓から景色を眺めながら横目に帰路につきました。
他の観光地よりそこまで観光客も多くなく、観光地巡りから美味しい食事や天然温泉など疲れを癒やしながら楽しめた旅行でした。