MONTURA(モンチュラ)
MONTURA(モンチュラ)は、1998年にロベルト・ジョルダーニ氏がイタリア北部Rovereto(ロヴェレート)の街で設立したTASCI(タッシ)社が展開するアウトドアブランド。人間工学に基づいたエルゴノミックデザイン、それを実現させる立体裁断、縫製技術、体の部位に応じた生地配置から生まれる、動きを妨げずに体にフィットする着心地と機能性が特徴。
アルピニズム*を体現するクライマー、アルピニスト、山岳ガイド達からのフィードバックをもとに製品開発に取り組んでおり、イタリア本国では公共機関や緊急医療組織、山岳救助チームにも採用され、レスキュー活動を行うユニフォームとしても愛用されています。
アルピニズム(Alpinism):狩猟や信仰目的ではない、山に登ることそのものを目的とする、高い技術を駆使して困難な山々を登る行為や、そのスポーツ・趣味としての側面を指す概念。19世紀後半にヨーロッパで発祥し、イタリア、フランス、スイスの3ヵ国の申請でUNESCOの無形文化遺産にも登録されている
街でも着られるシェルジャケットを探して
メキシコに駐在してから、暇を見つけてはアメリカ大陸の国々を一人旅しており、これまではスリを避けるために地味で汚れても良いお手頃なアウターとしてユニクロのブロックテックパーカーとウルトラライトダウンにお世話になっていました。
極寒地帯以外はこの2着のアウターで事足りるのですが、やはり雨天時、風が強く天候が変わりやすい高所、気温が低い土地では心もとなく、何枚も重ね着してやり過ごしてきましたが、ここにきて本格的でお洒落なアウトドアアウター、特に、薄手で幅広いシーンで使えるシェルジャケット(雨・風・雪といった過酷な環境から身体を守る「殻(シェル)」の役割を果たす、防水・防風・透湿性に優れた高機能なアウトドア用アウター)が1着欲しくなりました。
私は本格的な登山家では無いので、見た目のデザインやシルエットを重視して、あとは国内外の自然や観光地で快適に活動できるくらいの機能性さえあれば良いので、その観点で探し始めました。
候補に挙がったのが、お洒落人からも支持されるアウトドアブランドとして名高いアークテリクス。その中でもベストセラーモデルのベータジャケットが気になりました。装飾がミニマルで格好良いのですが、
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という点が引っかかり、一時帰国時に店舗で試着したものの購入にはいたりませんでした。
私が求めるアウトドアアウターの条件
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上記の条件を満たすアウトドアウェアがないか様々なブランドを調べた結果、偶然見つけたのがMONTURA(モンチュラ)でした。
私が大好きなイタリアブランド、ミニマルなデザイン、スリムシルエット、ゴアテックスの生地、アークテリクスより安い価格、そして何より日本ではマイナーブランドで人と被らない、といった点が気に入り、いくつかモデルがある中で、上記条件を満たしたのが「MAGICA GTX PRO JACKET」でした。
【レビュー】MONTURA(モンチュラ)|人と被らないシェルジャケット「MAGICA GTX PRO」
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MONTURA(モンチュラ)は日本の代理店が2024年末に事業撤退したため、現在は公式オンライン通販の「HIKE -MONTURA STORE」と好日山荘のGsMALLでの取り扱いのみとなっています。公式通販は品ぞろえがイマイチで欲しかったMAGICA GTX PROは販売しておらず、GsMALLは在庫がMサイズ以上しかなかったため、海外サイトを調べて、国際配送も行っているヨーロッパのクライミング・オンラインショップOliunidでセールにかかっていたものをUSD 282.1(約43,000円)で運良く購入できました。
アークテリクスの軽量モデルのベータSLジャケット(84,700円)とほぼ同じ重量で、上位モデルのARジャケット(110,000円)と同じGORE-TEX PRO ePEが使用されているという良いとこ取りなのに、定価でもSLジャケットより安いです。
型番はMJAT26X。カラーはブラック(90)。レギュラーフィットのSサイズです。
生地に最新のGORE-TEX PROを採用
MAGICA GTX PROは過酷な最新の3レイヤー(3層)GORE-TEX PROを採用。
3層のナイロン66生地(97g/㎡)。PFAS(フッ素化合物)フリーの新しいePEメンブレン(防水透湿フィルム)により、防水性(耐水圧28,000mm)、透湿性(RET<13)、撥水性を備え、軽量で速乾性、静音性にも優れています。さらにメンブレンには特殊なナイロン6をラミネート加工し、高い耐摩耗性と永続的な防水性を実現。紫外線カット効果は最高値のUPF50+。
耐水圧
耐水圧(生地に染み込もうとする水の力を抑える性能を示す指数。数値が高いほど防水性が高く、大雨や嵐など強い圧力下でも内部への浸水を防ぐことができる)は28K(28,000mm、大雨・嵐に耐える最高レベル)
透湿性
透湿性(ウェアの内部にこもった汗や湿気を外へ逃がす性能。RET法では数値が低いほど透湿性が高い)は耐水圧とのトレードオフで、<13 。12を基準として、20以上は透湿性が低い、<6で「非常に快適」という評価になります。
撥水加工
GORE-TEXにはDWR(Durable Water Repellent:耐久撥水)加工が施されており、耐久性向上と紫外線カット効果が付与されています。表面で水滴を弾くことでウェア内部の湿気を逃がす、透湿性も損なわずにドライな状態を保ちます。
天候変化が激しい高所登山、岩・雪・氷の壁を登り頂上を目指すアルパインクライミング、自然の雪山を滑るバックカントリースキーでの使用を想定した素材なので、はっきり言って私のような普段は街着で、たまにハイキングに使う程度の人にとってはかなりオーバースペックです。ですが、素材が良いに越したことはありません。服は素材にこだわりたい私のような人には、GORE-TEX PROの刻印だけで着ると気分があがる効果があるので、この生地だけでも男心をくすぐる訴求ポイントとして評価が高いです。
ディテール
シンプルなデザイン
左胸、フードにロゴマーク。背面左下にGORE-TEX PROの刻印という無駄な装飾が無いシンプルなデザイン。
ヘルメット対応フード
ヘルメットの上から被れるように設計されたロゴ付きのフード。
フードは伸縮性のあるつばが付いており、ヘルメット装着時にぴったり沿うようになっています。また、外側背面にはゴムバンドがあり、フードの長さを調節可能です。
YKK製のジッパー
ジッパーは滑らかな動きと耐久性のある信頼のおけるYKK製。フロントはダブルジップで、上下それぞれで開けることも可能です。また、フロント、ポケット、ベンチレーションのジッパーはロゴ付きのゴム紐が付いており、つまみやすく、開け閉めも簡単です。
ベンチレーション
脇下から腰にかけてジッパーで開閉できるベンチレーションが付いており、内部の蒸れを外に逃がして体温調節、通気性の確保ができる、ジャケットを脱がずに中に着用している衣服にアクセスできる、といったメリットがあります。
両サイドポケット
両サイドポケット。内側はメッシュになっています。上部から滴り落ちてくる水滴や雨がポケットから侵入しないように、ジッパー上部は傘のように生地が覆い被さっています。こういう細かい工夫は上位モデルならではですね。
内ポケット
表の両サイドポケットのほかに、左内側に内ポケットがあります。
調整可能な裾
雨風が強いときは、裾の内側のゴム紐を引っ張って、裾を体に隙間なくタイトフィットに調整することができます。
ベルクロ付きの袖口
袖口はロゴ付きのベルクロ(Velcro社の面ファスナー商標名。小さなフック(鉤)とループ(輪)が対になった、面で着脱するファスナー。日本ではクラレ社の商標のマジックテープの呼び名が一般的)仕様になっており、絞り込みを自由に調節可能。
折り畳んでフードに収納可能
スーツケースやバックパックに入れて持ち運ぶ時は、折り畳んでフードに収納すると嵩張らずコンパクトになるので携帯性も良いです。
試着、サイズ感
171cm、59kgでSサイズを着用。
袖丈は長め、着丈は太もも上部までありジャスト〜少し長め。腕周りはかなり広くて着脱が楽で動かしやすく、身幅は厚着可能なくらい程よいゆとりでシルエット的にはピッタリ。
公式サイトの身長とサイズの関係でいくと、マイサイズはXSサイズなのですが、日本の通販サイトではSサイズになっており、サイズ選びはお好みです。
街着前提で、中は薄手のみで袖丈や着丈を短めにジャストフィットで着こなしたいのであれば、上図サイズ(私の場合はXS)。中に厚着も想定するのであればゆったり目の上図+1サイズがオススメです。
MAGICA GTX PROはMONTURAのレギュラーフィットで、「中厚手のインナーを快適に着られるくらいの程よいゆとり」というサイズ説明ですが、見た目はイタリアブランドらしくスリムで、私の場合はSサイズでもシルエットが着ぶくれせず格好良いです。
ドロップショルダーで腕周りはかなり広くゆとりがあるので、袖丈は若干長めで親指が隠れるくらい。袖口を絞るとこんな感じ。
- 背面
- ベンチレーション
- 裾を絞った状態
裾を絞ると体にピタッと沿って雨風を通さないようにしてくれます。
何よりフロントジッパーを閉めた時の見た目が格好良くて気に入っています。体を動かしたときのカサカサ音も控えめで静音性良し。
フロントを閉めると、生地は薄いのに保温性があり温かいです。ジッパーを全て閉めた状態だと少し蒸し暑く、生地自体の透湿性は夏場に不向きですが、両脇のベンチレーションを開けると一気に換気されて涼しいので問題ありません。
本体は330gととても軽いので、ストレスフリーで体の動きを妨げません。
日々のケア、洗濯方法
GORE-TEXは汚れがたまると劣化するため、目に見える汚れが付いたら洗うが基本です。油脂・泥汚れが付着すると、撥水性や透湿性が低下してしまいます。
洗濯表示とGORE-TEX公式が推奨する洗い方の組み合わせで、以下の手順での洗濯がオススメ。
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アイロンで撥水機能が回復しなくなったら、撥水剤を使用します。
シェルジャケット選びに悩んでいる人にオススメしたいプロ級アイテム
他有名ブランドの上位モデル並みの素材と機能性を兼ね揃えていて、イタリアブランドなのに価格が比較的良心的、そして何より日本での流通量が少ないので人と被らない、デザインが格好良い、というところが気に入って、個人的にとても良い買い物でした。シェルジャケット選びに悩んでいる人に自信を持ってオススメできるアイテムです。
今年はイエローナイフにオーロラを見に行ったり、ペルー、ボリビア、ブラジルの自然や秋のニューヨーク、カナダなど、駐在ラストスパートの旅行づくしなので、このジャケットをお供にするのが楽しみです。














































