Maria Santangelo(マリア・サンタンジェロ)
Maria Santangelo(マリア・サンタンジェロ)は、1953年にイタリアのナポリでシャツの仕立屋(カミチェリア)として創業しました。創業者マリア・サンタンジェロ女史が祖母の代から受け継ぐ伝統的な仕立て技術を守りつつ、ハンドメイドとミシンを丁寧に使い分けてシャツを作り続けています。一つの工場で生地の入荷からシャツの出荷まで一貫して行っているファクトリーは数少なく、70歳を過ぎてもなお現役のマリア女史とその家族、技術を受け継いだ約30名の職人により家族経営されています。
Maria Santangelo(マリア・サンタンジェロ)のハンドメイド箇所
裁断 | 前身頃をきちんとするために裁断は手裁断 |
襟付け | |
袖付け | |
肩 | ナポリの伝統技法による肩にギャザー寄せ |
袖ぐり | ギャザーをよせて、少し傾けることによりぴったりとしたフィット感。 |
剣ボロ | 全手刺繍 |
ボタン、ボタンホール | 貝ボタンを絹糸でザンパテグリアート(千鳥掛け、鳥足掛け、百合付け)で手縫い |
ラベル(首タグ) | 最終段階において全行程をチェックしてから、失敗しないようにラベルもひとつひとつ手縫い。 |
ガゼット | シャツと同じ色の生地を使って手縫い |
サイド | 体のサイド部分にフィットするように手縫い |
折りしろ | 最高の柔らかさと着心地を求めているため完全手縫い |
※ラインや商品によってハンドメイド箇所の数は異なります。
Maria Santangelo(マリア・サンタンジェロ)|ブロードシャツ 38サイズ レビュー
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セレクトショップや百貨店でもイタリアシャツブランドとして取扱いの多いマリア・サンタンジェロ。定価では高級シャツで手が出ない憧れのブランドでしたが、セールで安くなっていたので、4着もまとめ買いしてしまいました。38サイズと37サイズを2着ずつ購入しましたので、サイズ感も併せてレビューします。
4着ともロゴ入りの箱に入って届きました。箱入りシャツは開封のテンションを上げてくれますね。
Zio Bernardoという今は閉店?したセレクトショップで販売されていたものです。
ブロード生地の2着。ホワイトとサックスブルー。
特徴、ディテール
ハンガーにかけるとアームホールの湾曲など、細かい部分でシャツの美しさが際立ちます。
首のタグに「2.0」が付く「袖付け」と「サイドガゼット」の2箇所を手縫いしているカジュアルラインもありますが、今回の購入品はメインラインです。
ボタン、ボタンホール
ボタンは貝ボタン。イタリアシャツに多く見られる、ザンパテグリアート(千鳥掛け、鳥足掛け、百合付け)で縫われています。この縫い方は人の手で一つ一つボタンを付ける必要があり、非常に手間のかかる手法ですが、ボタンに若干の傾斜がつくことでボタンが付けやすくなる、という効果があります。
ボタンは全て「根巻き」されています。ボタンが取れにくく、高さができるのでボタン掛けしやすくなります。
ボタンホールはとても丁寧に手縫いされています。購入当時はボタンに対してボタンホールが狭く、ボタン掛けに力を要したのですが、今は適度に柔らかくなりました。
替えボタン。
唯一残念だったのが、高瀬貝でボタンのサイズが大きかったこと。白シャツに黄色っぽいボタンは目立ちます。基本的にシャツのボタンは主張しないほうが良いとされているため、本白蝶貝の小さいボタンだったら良かったですね。
私が購入したシャツが例外なだけで、セレクトショップや百貨店で取り扱っているマリア・サンタンジェロのシャツは、カジュアルラインでも小さくて白い貝ボタンのようです。
ガゼット
「M」の文字のガゼットが手縫いで縫い付けられています。
裾巻き
裾巻き(裾の折り返し)は3mmで運針も細かく丁寧。
襟(カラー)
やや大きめなワイドスプレッドカラー。「FRANCO(フランコ)」という襟型モデルかと思われます。
台襟はミシン縫い。
カラーキーパー(カラーステイ)はロゴ入り。
前振りの袖付け
袖付け(アームホール)は手縫い。
ヨークは細かい運針で縁ギリギリをミシン縫い。
ギャザーは控えめ。
前振りの袖付けで突っ張り感を軽減。袖が2cmほどずらされてボディに縫製されているため、自然な着心地を得ることが出来ます。デスクワーク中はもちろん、直立しているときも、基本的に人は腕が前に出た状態のため、その腕を前に出したときの引っかかり感を軽減してくれます。
剣ボロ
こちらはミシン縫いだと思いますが、とにかく細かく丁寧な運針。袖先の開閉によって負荷のかかる剣ボロは、かんぬき止め。
円錐カフス
カフス(袖口)は円錐型。スクエア型もありますが、円錐型のほうが手首にフィットしてずれ落ちないので好みです。カフス付け部分が最も細かく丁寧な運針です。
ブロードシャツ(38)サイズ感
春夏向きの薄いブロードシャツ。ツルツル、サラサラとした肌触りで、一度着ると病み付きになります。快適な着心地はもちろんのこと、ボタンを開けても留めても美しい襟がお気に入りです。
171cm、54kgが38サイズを着るとこんな感じです。首は37がジャストサイズのため、38だと大きすぎました。袖が少し長いですね。
何より、首のサイズが大きいため、ボタンを閉めてネクタイをしようとすると、襟の形が左右対称にならずに少し崩れてしまいます。イタリアシャツは37がマイサイズだと認識したので、良い勉強になりました。
Maria Santangelo(マリア・サンタンジェロ)|ツイルシャツ 37サイズ レビュー
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お次は37サイズのツイル生地のシャツ。こちらは生地が厚く、秋冬向け。
ブロードシャツより7000円安いですが、生地の価格差で縫製はまったく同じです。
手縫いのボタンホール
ガゼット。
ツイルシャツ(37)サイズ感
37が首も袖もジャストサイズ。
台襟の高さがあるので、ネクタイが持ち上がって首元の見栄えが良いです。
Maria Santangelo(マリア・サンタンジェロ)を安く購入する方法
Maria Santangelo(マリア・サンタンジェロ)は、伊勢丹、BEAMSなど百貨店やセレクトショップで取扱いがあります。また、ネット通販でもセールになることが多いです。
楽天オススメショップ
美意識が宿る丁寧なつくりのイタリアシャツ
写真は10回ほど着用した後に撮ったもの。耐久性も問題なく、生地が上等なのでアイロン掛けでシワ取りもしやすい。シンプルな見た目ですが、マリア・サンタンジェロ女史とその職人たちの美意識が宿った丁寧なつくりのシャツです。
ひこ様々な高級シャツブランドがありますが、その良し悪しを測るために基準となるような、バランスの取れたブランドだと思います。着心地の柔らかさはクセになります。セールで1〜2万円で購入できるため、ぜひ手に取ってみてください。