インドア人事のこだわり。なんてブログを書いていて、初めてまともに仕事の話を書きます。
私は新卒で入社し、現在人事として働いています。一口に人事と言っても多種多様な仕事内容(会社によっては雑務もあるかもしれません)があります。私もいろんな仕事を経験させてもらっていますが、幸運なことに採用活動にも携わっています。
就活生の時にビジネス書やネットの記事から自分なりに軸を立てて面接に立ち向かった思い出が今でも鮮明に残っていますが、いざ採用担当になって痛感することがあります。それは、
面接では「能力が高くないと言えないこと」を言うだけだということです。
就活生ながら納得させられた記事
私は就活生の時にとある記事に出会いました。
面接では「能力が高くないと言えないこと」を言って欲しいだけなんですよ – ふろむだ@分裂勘違い君劇場
面接で、その人が過去にやった仕事の内容を聞くと、「単なる仕事の思い出話」とか「自分語り」を始める人が多いんですが、そんなことを聞きたいわけじゃないんです。 面接の目的は、能力チェックと人柄チェックです。そして、能力チェックの過程で人柄はわかっちゃうもんなので、わざわざ人柄チェックのための質問をすることはないです。 また、「私は能力が高いです」という「自己申告」も聞きたくないです。自己申告をいくら喋っても、それは能力があることの「証明」にはなってないです。 面接の時に聞きたいのは、「能力が高くないと言えないこと」です。 それを、それだけを喋ってください。 能力の高さが明らかになるように喋ってくれ…
当時、ちょうど面接が始まったタイミングだったため、ツイッターで流れてきたこの記事をすぐ読んだ記憶があります。
立場が今とは異なりますが、就活生として「確かにそうだな」と納得させられました。以降、大事にブックマークして面接を受ける度にこの記事に書かれていることが実行できたか自問自答したりしなかったり笑
人事として採用担当になった今もこの記事に書かれていることはそのとおりだと思います。
面接をする目的
面接で、その人が過去にやった仕事の内容を聞くと、「単なる仕事の思い出話」とか「自分語り」を始める人が多いんですが、そんなことを聞きたいわけじゃないんです。面接の目的は、能力チェックと人柄チェックです。そして、能力チェックの過程で人柄はわかっちゃうもんなので、わざわざ人柄チェックのための質問をすることはないです。
また、「私は能力が高いです」という「自己申告」も聞きたくないです。自己申告をいくら喋っても、それは能力があることの「証明」にはなってないです。面接の時に聞きたいのは、「能力が高くないと言えないこと」です。それを、それだけを喋ってください。
まさにこれなんです。嘘だと思うかも知れませんが、「私は能力が高いです」という自己申告を履歴書に書かれる方が結構います。オリンピック代表とか、有名アプリを作りましたとか明らかに能力の高さが証明されている場合なら話は別ですが、「コミュニケーションが高いです」「リーダーシップがあります」などは初見では全く響きません。
ひどい言い方かも知れませんが、その能力が高いかどうかを見極めるのは面接官です。もちろん、面接官の見る目がない場合もあるでしょう。その時は応募者が面接官の能力が高いかどうかを見極めてください。お互いの能力を測るための面接でもあります。
能力の高さが明らかになるように喋ってくれるのなら、必ずしも仕事の話じゃなくてもいいことも多いです。家事の話でも、料理の話でも、趣味の話でも、自分の好きなゲームの話でも、面白かったアニメのことでも、学生時代のサークル活動の話でも、なんでもいいです。
なぜ、それをやったのか? なぜ、その方法でやったのか? 他にどんな方法があり、どのような比較分析を行って、なぜその方法を選択したのか? そのために、どれだけ徹底して緻密に調査し、分析し、とことん考えぬいて、最良の意思決定を行ったのか? そのプロセスを詳細に語って欲しいです。
そしたら、こちらは徹底的にその調査、分析、思考、意思決定の細部をとことん問い詰めます。それにとことん答え抜いてください。そうすることによって、はじめて、こちらは、あなたの能力の高さが把握できます。なぜなら、このプロセスを踏めば、いくら無能な人間が有能なふりをしても、まず途中で化けの皮が剥がれるからです。
転職者は仕事の話が中心になるとは思いますが、就活生は別です。最近は長期インターンが流行っていて、質は別として仕事をしたことがある学生も増えてきました。それでもごく一部です。就活生が話すとしたら学業、バイト、趣味、サークル、海外経験などでしょう。
何十万という就活生がいるんです。同じような経験をしている人が何人もいてもおかしくありません。その中であなたの能力が高いことを証明するには、その経験のプロセスを事細かに説明できるかどうかだと思います。
よく「なんで?」を3回くらい自問自答しなさいなんて言いますが、近いものがあります。
きっかけ、理由、目的、状況分析、客観的な根拠、自分なりの推測、試行錯誤、実行方法、意志決定プロセス、結果、再現性。
これらを説明し、面接官を納得させられたら勝ちです。そのプロセスが受けている面接の仕事に応用できる(再現性を持っている)と完璧です。
世の中にはいろんな面接指南書が溢れていますが、面接に合格する最低限のポイントはこれだと私は思います。面接で聞かれるよくある質問はネットで検索すればたくさん出てきます。あとはそれに対して自分の考えや行動のプロセスを事細かに深掘りしていく作業が自己分析です。
他と差をつけるのは経験そのものだけではありません。あなたの考え方、行動の根本的な部分を大事にして下さい。それがあなたの性格であり、能力を表しているのですから。