BALLARINI(バッラリーニ)
BALLARINI(バッラリーニ)は、1889年にパオロ・バッラリーニが創業したイタリアのクックウェアブランド。現在もイタリア、リヴァローロ・マントヴァーノ村に工場をもち、フライパンの原料加工から一貫して自社で生産しています。今も町に残る城門はブランドロゴになっています。
テフロン加工より安全?グラニチウムコーティング
フッ素樹(PTFE、ポリテトラフルオロエチレン)は侵食・焦げ付き等から守るために多くのフライパンや鍋に表面塗装されています。このフッ素樹脂が過度な高温、長時間の調理、摩擦等によって劣化や剥離して有毒ガスや微粒子を出すことから、「テフロン加工=危険で体に悪い」と言われていることがあります。
バッラリーニもフッ素樹脂加工が施されている
バッラリーニのフライパンは「グラニチウムコーティング」と呼ばれる加工が施されていますが、これもフッ素樹脂加工です。テフロン加工ではないと勘違いして安全性を理由にバッラリーニを選ぶ方もいますが、フッ素樹脂が使用されているという点においては他社品と変わりはありません。
米国連邦食品医薬局などの機関は「テフロン・フッ素樹脂自体は人体に影響はない」と発信しており、テフロン加工が世に出されてから50年以上経った現在もその危険性については結論に至っていません。高温加熱時(349度以上)に発生する有毒ガスは人体への影響もあるようですが、家庭での調理においては、最大火力の空焚きを長時間して鍋底の温度が達するかどうかという温度ですので、あまり不安視しなくても良いかもしれません。
また、過去にはフライパンの加工にPFOA(ペルフルオロオクタン酸)、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)といった体内に蓄積される恐れのある有害物質が使用されていましたが、現在は業界の自主規制によりフッ素樹脂加工からほぼ排除されています。PFOA、PFOSフリーを謳うメーカーも増えてきているので、そういった製品を選ぶとより安心です。
バッラリーニのグラニチウムコーティングは、アルミニウムの本体に、耐摩耗性に優れた5層のコーティングを施したものになります。金属ヘラも使用可能で、一般的なテフロン加工よりも長期間使用できるのが特徴です。
完全な安全性を求めるなら鉄のフライパン一択ですが、実用性を考えるとテフロン加工フライパンが便利です。バッラリーニのフライパンはフッ素樹脂加工が施されていますが、PFOS、重金属、ニッケルフリーで、表面塗装が剥がれにくい耐久性の高さがあるのは事実なので、オススメです。
グラニチウムコーティングのグレード
バッラリーニのグラニチウムコーティングは、層構造と性能の違いで3種類のグレードがあります。
グラニチウムコーティング(5層) | 金属ヘラも使用可能で、一般的なテフロン加工よりも長期間使用できる。 |
グラニチウム エクストリームコーティング(強化5層) | 通常のグラニチウムコーティングに比べて、こびりつきにくさが2倍長持ち。 |
グラニチウムTi-Xコーティング(7層) | 最上位モデルの加工。チタン層を追加し、各コーティング層を厚くして、こびりつきにくさ・耐久性が強化されています。 |
フライパンのサイズ選び
バッラリーニのフライパンは、だいたい20〜28cmの4種があります。作る量や人数に応じて選ぶと良いと思いますが、オススメは定番の26cm。
20cm | 朝食やお弁当作りなどちょっとした調理に便利なサイズ。 |
24cm | 1〜2人用 |
26cm | 2〜3人用。定番サイズ。 |
28cm | 4人以上用 |
【レビュー】BALLARINI(バッラリーニ)|焼き目が綺麗なくっつかないフライパン「ローマ 26cm」
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引っ越してきてしばらく鉄のフライパンで調理していましたが、トマトなどの酸と相性が悪いのと、火力調整が難しかったり扱いづらい面もあったので、日常使いのためにバッラリーニのフライパンを購入しました。
トリノとローマの違い
バッラリーニの人気モデルは、ステンレスのY字状の持ち手「ステイクールハンドル」が特徴のトリノとローマ。対応している熱源が異なるので、ご自宅の使用環境で選ぶと良いと思います。私が購入したのはローマの26cmです。
対応熱源 | 定価 | |
トリノ | IH・ガス | ¥8,140(税込) |
ローマ | ガス | ¥6,930(税込) |
イタリア製。上述したとおり、バッラリーニのフライパンの内面表面はフッ素樹脂塗膜加工が施されています。ローマは耐久性がより強化されたグラニチウムエクストリームコーティングを採用しています。外面はセラミック加工、本体はアルミニウムです。
そのままオーブンや食洗機に入れて使えるようですが、試す機会はなさそうです。
製品保証は5年。製品への自信が見て取れます。
直径26cmで1〜2人分の調理にぴったりのサイズ。
V字型のステンレス製「ステイクールハンドル」。ロゴマークがあしらわれています。
内と外が突起で接合されています。Y字になっていることで熱を逃がし、手元部分のハンドルが熱くならずに快適に調理できます。
ローマのフライパンは浅型モデルのため、主に炒め物料理に使用しています。
1年使用してみた感想
一昨年に購入して約1年が経過しました。外食しない日は毎日自炊するので、平均して1日1回は使用していると思います。1年使用した後でも写真の通り、卵が全くくっつかず、スルスル剥がれてくれます。
アルミニウムと鉄の良いとこどりをしたような性能があり、熱伝導率が高くすぐ温まり、ある程度蓄熱性もあるので火を消した後も余熱で調理できます。
鉄やアルミのフライパンも持っていますが、それらに比べて一番焼き目が綺麗に付いて、こびりつきもありません。
鉄のフライパンに向かないようなトマトソースを使った料理もお手の物。揚げ焼きも可能です。何より、スポンジと洗剤で擦るだけで焦げ付きがスルッと取れるので、調理後の洗浄がとても楽です。
樹脂ハンドルではないのもあって、一般的なテフロン加工フライパンより少し重めですが、スムーズに片手で煽ることもできます。
フライパンのお手入れ、使い方の注意事項
1.高温の空焚きをしない
高温で空焚きするとコーティングやフライパンの劣化につながるため、油や食材を乗せていない状態で加熱することは避け、高温調理には鉄のフライパンを使用しています。
2.使用直後の熱い状態で流水をかけない
使用直後の熱々のフライパンに流水をかけると、急激な温度差でコーティングが剥がれる原因となります。私は使用してすぐ洗い流したくてやってしまっていましたが、最近はできるだけフライパンの温度を少し下げてから洗うようにしています。
3.金属たわしや研磨剤で洗わない
金属ヘラが使用できるとはいえ、金属たわしや研磨剤で洗うとコーティングに傷がつく恐れがあります。ただ、そもそも内面はスポンジで取れない焦げが付くことは今のところないので、外側のセラミック加工表面が焦げ付いた時に気にして使わないようにしています。
外側(裏側)が焦げ付いた場合のお手入れ
外側はフッ素樹脂塗装加工されていないため、調理中にソースや油が縁から垂れて熱されることで、いつの間にか黄ばみや焦げが付いてしまっていることがあります。一度こびりつくと、食器洗剤やスポンジではなかなか落とせないので、その場合は重曹を使います。
1.重曹と水を1:1の割合で混ぜてペーストを作ります。
2.汚れの気になる部分に塗布して2〜3時間ほどおきます。ラップで塗布した部分をカバーしたり、パックする時間を長くすると効果的です。
3.時間が経ったら、ラップで重曹と汚れをこすり洗いします。
私のフライパンは1年間でかなりしっかりこびり付いてしまっていたので、ラップで擦るだけでは取れなかったので、メラミンスポンジで洗い流しました。
完璧とはいえないまでも、気にならないくらいには綺麗に取れました。使い終わった後はできるだけ食器洗剤とスポンジで洗い落としてこびり付かないように気を付けたいと思います。
内面はコーティングが剥がれる恐れがあるため、重曹や研磨剤の使用は避けてください。
まずはこれ!1本目にオススメのフライパン
食材がくっつきにくく洗いやすい実用的なコーティングが施されたフライパン。イタリア製で安全や耐久性も考慮されているのを踏まえると、価格もかなりお手頃だと思います。1年間使用しましたが、コーティングが衰えることもなく、毎日大活躍してくれています。調理道具を揃えるにあたって、まずはこれ1本持っておけば十分なオススメアイテムです。
オススメ度:★★★★★(5.0/5.0) |