2017年8月。ヨーロッパ周遊旅行25日目の夕刻。チューリッヒ国際空港からVueling航空でリスボンへ飛んできました。55ユーロ(約7500円)。
ポルトガルの首都で同国最大の都市のリスボン。海に面した美しい旧市街の街並み、石畳の道路、丘・坂を走る路面電車が有名です。
空港からメトロでリスボン市街へ移動。観光は明日1日で予定しているので、ホステルに向かう途中にあるサン・ロケ教会とサン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台だけ寄りました。
リスボンといえば坂道と路面電車(トラム)。1873年に運行を開始してから今でも現役です。落書きなのかそういうデザインなのか分かりませんがすごい派手な外装。
サン・ロケ教会(Igreja de Sao Roque)
サン・ロケ教会 (Igreja de São Roque)は、ポルトガル王のジョアン3世が造らせた礼拝堂を1553年にイエズス教会が所有し、イタリア・バロック様式に建て替えた教会。ペスト(黒死病)に対する守護聖人とされたカトリック教会の聖人「サン・ロケ(聖ロクス)」が教会の名前になっています。1584年には天正遣欧少年使節が長崎からリスボンに到着し、1か月ほど宿舎として利用していたこともあり、日本と関わりのある建物でもあります。
祭壇にはフランシスコ・ザビエルを含むイエズス教会の聖人像が並びます。
サン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台
リスボン市街を一望できる展望台ということで楽しみにしていましたが、残念ながらこの時は工事中で柵があり、景色を拝めずじまいでした。ちなみに2011年に放送された消臭力のCMでミゲル・ゲレイロさんが歌っていた場所でもあります。
宿泊:WOT New Lisbon
今回宿泊したホステルは「WOT New Lisbon」。ドミトリールームで3泊53ユーロで大学生バックパッカーにはありがたい。普通のホステルですが、立地が良く、ベッドにコンセントが複数あり助かりました。
18時過ぎ。夕食ついでに少しだけ散策。サマータイムでこの時間も明るいです。坂の階段で夕日を眺めながらビール片手にたむろする若者たち。空気がカラッとしていて朝夕は涼しいです。
1日目夕食:Carmo Restaurant & Bar
当初訪れる予定だったお店が閉業していたため、口コミが良かった「Carmo Restaurant & Bar」というお店に入りました。魚介リゾット14ユーロ、海老のアヒージョ11ユーロ、白のスパークリングワイン3ユーロ。
首都リスボンを1日観光。写真スポット巡り
ヨーロッパ周遊旅行26日目。ホステルで朝食を済ませ、8時過ぎに出発。1日かけて首都リスボンの観光地を巡ります。
コメルシオ広場(Praça do Comércio)
コメルシオ広場(Praça do Comércio)は、1755年のリスボン地震で崩壊したリベイラ宮殿の場所に都市再建の過程で整備された広場です。「貿易広場」の意の名前が付けられ、政府関係の庁舎、港湾・貿易関係の拠点として栄えました。広場の中心にはジョゼ1世の像が建っています。
勝利の門(凱旋門、Arco da Rua Augusta)
アウグスタ通りからコメルシオ広場の入る部分にそびえ立つのが勝利の門(凱旋門、Arco da Rua Augusta)です。勝利の女神のほか、コメルシオ広場を整備したポンバル侯爵などポルトガルの偉人の像が立っています。門の上に登ることも可能です。
公共交通機関乗り放題、サンタ・ジュスタのエレベーターやベレンの塔といった観光スポットが入場料無料になるお得なカード「リスボアカード」の24時間チケットを広場にあるツーリストインフォメーションで購入。(20ユーロ)
早速リスボアカードを使って勝利の門に無料で登りました(通常は2.5ユーロかかります)。
約200㎡ある広場はテージョ川(タホ川)に向かってU字になっています。現在でも使用されている主要官庁が三方を囲み、1階にはカフェやレストランが並んでいます。
サント・アントニオ・デ・リシュボア教会 (Igreja de Santo António de Lisboa)
サント・アントニオ・デ・リシュボア教会 (Igreja de Santo António de Lisboa)は、パドヴァの聖アントニオに捧げられた教会。聖アントニオ(フェルナンド・デ・ブルホエス)が生まれた場所に建てられたとされています。
リスボン大聖堂(Sé de Lisboa)
リスボン大聖堂 (Sé de Lisboa)またはサンタ・マリア・マイオール・デ・リシュボア大聖堂 (Santa Maria Maior de Lisboa)は、リスボン市内で最も古い教会。1147年から建設が始まり、幾度の地震を乗り越えながら改修と再建を続け、今日に至ります。
正面入口のロマネスク様式の円柱側廊のほか、ゴシック様式の回廊、バロック様式の内陣と祭壇などさまざまな建築様式が混在する珍しい建物です。
建築当初から備えられていたバラ窓が見どころの一つ。
路面電車がよく走っているのでついつい立ち止まって写真を撮りたくなります。
展望台「Miradouro das Portas do Sol」
リスボンは丘が多く、いくつか展望台があります。その中でも有名なのがアルファマ地区にある「Miradouro das Portas do Sol」という展望台です。
オレンジ色の屋根、青い空と海が美しい。
サン・ジョルジェ城 (Castelo de São Jorge)
サン・ジョルジェ城 (Castelo de São Jorge)はリスボン市内を見下ろすことができる丘の上に立つお城。紀元前2世紀の古代ローマ時代に要塞化され、その後長い歴史の中で今の形になりました。
歴史を感じる城壁以外は中の展示物があまりないですが、城壁内の塔に登って眺めるリスボンのパノラマビューが見どころの一つです。
セニョーラ・ド・モンテ展望台(Miradouro da Senhora do Monte)
リスボンの展望台の中で最北に位置するセニョーラ・ド・モンテ展望台。クリスト=レイ像(Cristo-Rei)や4月25日橋(Ponte 25 de Abril)が奥に見えます。
サン・ドミンゴス教会(Igreja de São Domingos)
サン・ドミンゴス教会(Igreja de São Domingos)は1241年に建築された教会で、ポルトガル王室の結婚式を催していた歴史もあります。写真を撮っていませんでしたので地図だけ載せます。
昼食:A Provinciana
安くて美味しいと地元民に人気の定食屋さん「A Provinciana」にて昼食。正午に到着してギリギリ入れましたが、12時過ぎた頃には地元客で満席。昼間からワイン片手に飲み食いしていました。
まわりは黒板にポルトガル語で書かれた本日のメニューを頼んでいましたが、どんなものか分からなかったので、メニュー表から焼き魚プレート(5.95ユーロ)と水500mlペットボトル1ユーロを注文。どのプレートも一皿5〜6ユーロと安く、見た目は大雑把ですが、量が多くて美味しいです。食事が運ばれて来る頃には店の入り口を埋めるほどの列ができていました。
ロシオ広場(Praça de Rossio)
ロシオ広場(Praça de Rossio)は、「ペドロ4世広場(Praça de D. Pedro IV)」の名前が広く知られている中世からの歴史を持つ広場。リスボン市民や観光客の待ち合い場所となっています。
ジェラート:Santini’s Gelati
ポルトガルで一番美味しいと言われているジェラート屋さん「Santini’s Gelati」のリスボン店。
当時の価格で通常サイズ3.9ユーロ。3つの種類を選ぶことができ、キャラメル、バニラとお店で一番売れ筋というイチゴを選択。どれも美味しかったですが、キャラメルはいままで食べたジェラートで一番美味しかったです。
ここからはリスボアカードを使って電車で移動。Cais do Sodré駅からBelem駅へ
ジェロニモス修道院(Mosteiro dos Jerónimos)
ジェロニモス修道院(Mosteiro dos Jerónimos)は、ベレン地区にある修道院で、世界遺産「リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔」を構成する建築物のひとつ。マヌエル様式の最高傑作ともいわれ、大航海時代の富をつぎ込んで建築されました。2007年12月13日にリスボン条約の調印式が行われた場所でもあります。
残念ながら、マヌエル様式の最高傑作の一つ「ジェロニモス修道院の南門」は改装工事中でした。
サンタマリア・デ・ベレン教会
ジェロニモス修道院の東側に併設している教会がサンタマリア・デ・ベレン教会です。細部まで細かい彫刻が施されたマヌエル様式の美しい内観や主祭壇の後ろにあるキリストの生涯を描いた5枚の絵が見どころ。無料ですが、聖具室は別途入場料が必要です。
次はメインのジェロニモス修道院を見学します。リスボアカードで無料で入場できますが、チケット交換のため列には並びます。併設されている博物館の見学チケットが付いてきたので入ってみましたが、よくあるエジプト展だったのでサッと見て出ました。
ジェロニモス修道院の内部:回廊
ジェロニモス修道院の最大の見どころは、中庭を囲む55m四方の回廊です。
マヌエル様式の美が凝縮された繊細な彫刻に感動します。
プラサ・ド・インペーリオ庭園
ジェロニモス修道院の正面にある庭園で、中央に大きな噴水があります。発見のモニュメント方面へ行く際に寄り道がてら通りました。
発見のモニュメント(Padrão dos Descobrimentos)
発見のモニュメント(Padrão dos Descobrimentos)は、テージョ川岸にある大航海時代を記念した記念碑。ヴァスコ・ダ・ガマがインド航路へ旅立つ際の船出の場所に1960年にエンリケ航海王子の没後500年を記念してつくられました。
キャラベル船の船首の曲線に似せて造られた高さ52mの巨大モニュメントには、エンリケ航海王子を先頭にヴァスコ・ダ・ガマ、マゼランをはじめとする大航海時代に活躍した33人の偉人像が並んでいます。
ベレンの塔(Torre de Belém)
ベレンの塔(Torre de Belém)は16世紀にマヌエル1世によってヴァスコ・ダ・ガマの世界一周の偉業を記念して作られたテージョ川の船の出入りを監視する要塞です。「リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔」を構成する建築物として世界遺産に登録されています。
こちらもリスボアカードで無料で入場できますが(通常6ユーロ)、チケット交換のため列に並びます。一度に登れる人数が決まっているようで、チケット交換も含めて1時間ほど並んでやっと入場。3階建てしかないので周りの景色よりもマヌエル様式を見るために登るという感じです。
元祖エッグタルト:パステイシュ・デ・ベレン
エッグタルトはポルトガルの郷土菓子「パステル・デ・ナタ(Pastel de Nata)」が元祖とされています。1837年に誕生した「パステイシュ・デ・ベレン(Pastéis de Belém)」というお店が修道院時代からのレシピと味を守り続けており、ポルトガルで一番美味しいエッグタルトのお店として観光客のみならず地元民からも愛されています。
当時で1個1.1ユーロ。パリパリのパイ生地にトロトロで濃厚なカスタードクリームがたっぷり入っていてとても美味しいです。シナモンと砂糖の小袋を付けてくれますが、そのままで十分美味しいです。夜のおやつにもう1個買えば良かったと後悔。。。
電車でロシオ駅へ移動。
夕食:Sea Me Peixaria Moderna
夕食のお店を決めていなかったので、Google Mapで出てきた評価の高いお店から「Sea Me Peixaria Moderna」というレストランを訪れました。開店前から並んでおり、私1人だったのでカウンター席に予約なしで通してもらいましたが、テーブル席は20時まで予約で埋まっているとのこと。
海鮮が有名のようですが、和食を意識しているのか、ローマ字でたたき、刺身、天ぷら、握り、軍艦といったメニューが多くありました。周りのお客さんがカタコトの日本語で注文しているのがシュールです。海外の日本食レストランは高価ですが、こちらも値段設定はちょっと高め。
ムール貝とイカ墨ライス(15ユーロ)、イカのサラダ(6.5ユーロ)を注文。お通しのパン(3ユーロ)はしっとりしていて、付け合わせのソースが美味しかったです。店員さんのオススメでフルーティーな白ワインも頼みましたが、これが当たりでした。
洋風にアレンジしたイカの刺身サラダとムール貝とイカ墨ライスも堪能しました。隣りに座っていた現地のポルトガル人と談笑しながら楽しい夕食になりました。
サンタ・ジュスタのエレベーター (Elevador de Santa Justa)
サンタ・ジュスタのエレベーター (Elevador de Santa Justa)は、1906年に建設された高さ45mのエレベーターでリスボンの観光名所の一つ。エッフェル塔を建てたエッフェルの弟子ルイス・レイナルドが設計しています。
列に並んでリスボンカードで無料で入場。木製の内装のエレベーターで上り、さらにそこから螺旋階段で屋上まで登ると街の中心部を見渡すことができます。
ちょうど日の入りの時間でライトアップされ始めた街を一望することができました。
これにてリスボンの観光スポットを巡る1日が終了。ホステルに帰ってぐっすり寝ました。
ヨーロッパ周遊旅行27日目。ホステルで朝食を済ませ、9時に出発。ロシオ駅からシントラ、ロカ岬を目指して移動します。