Finamore(フィナモレ)

Finamore(フィナモレ)は1925年にイタリア、ナポリで創業したシャツメーカー。

カロリーナ・フィナモレが小さなアトリエを開き、フルハンドメイドの仕立てシャツを一握りの限られた顧客のために作っていたのがブランドの始まりです。彼女の技術は息子のアルベルトとその妻ステファニアへ引き継がれ、1960年代にサン・ジョルジョ・ア・クレマーノに新たに開いたアトリエから規模を拡大し、ハンドメイドシャツメーカーになっていきました。現在は3世代目のシモーネ、パオロ、アンドレアがシャツ作りを続け、ジャケットやネクタイなど商品ラインナップを広げています。

ナポリシャツメーカーらしく、シャツの細部が手縫いのため、柔らかい風合いに仕上がっており、着心地の良さに虜となる愛用者も多い。ドレスシャツは120番手以下の生地は使用しないというこだわりもあるとか。日本の百貨店やセレクトショップでも取扱いが多く、近年はカジュアルシャツの人気も高いブランドです。

 

 

Finamore(フィナモレ)のハンドメイド箇所

襟付け
袖付け、アームホール前振りの袖付け。アームホールが深い。
ナポリの伝統技法「マニカカミーチャ(雨降り袖)」
剣ボロカンヌキ止め
ボタン白蝶貝のボタンをザンパテグリアート(千鳥掛け、鳥足掛け、百合付け)で縫い付け、根巻きしている。
ボタンホール
ガゼットフィナモレの「F」が刺繍されている
前身ヨーク(肩)

※ラインや商品によってハンドメイド箇所や数は異なります。

 

Finamore(フィナモレ)|カジュアルシャツ(ストライプ) 購入レビュー

  • ブランド:Finamore(フィナモレ)
  • モデル:TOKYO-SERGIO-Z TONDO 01
  • 素材:コットン(綿)100%
  • 柄:ストライプ
  • サイズ:37
  • 生産国:イタリア
  • 定価: 不明(約4万円)

日本でも高級イタリアシャツとして有名なフィナモレ。GILTのセールでカジュアルシャツとドレスシャツを1着ずつ購入したので、今回はカジュアルシャツのほうをレビューします。

 

着丈、襟型、ボディシルエットにそれぞれモデル名が付いています。

TOKYOフィナモレの標準着丈。着丈が長すぎず短すぎず、タックイン、タックアウトどちらも様になる。
SERGIOフィナモレ定番の襟型。ホリゾンタルカラーで台襟が4.5cmと高く、流れるような襟にイタリアらしい色気を感じる。
TONDOややタイトめなボディシルエット。背面にダーツがないが、肩から裾へ流れるように細くなっている。

 

New Vintage(ニューヴィンテージ)ライン

フィナモレはラインごとにタグのデザインが異なります。このシャツは、最近できた新しいライン「New Vintage(ニューヴィンテージ)」のもの。

ハンドメイド工程に拘った、ナポリブランドらしいディテールが楽しめるコレクションです。現在、百貨店などで多く取り扱われている「スポーツライン」と呼ばれるカジュアルシャツが「アームホール」、「ボタン」、「ガゼット」の3箇所のみ手作業で仕上げているのに対し、この「New Vintage(ニューヴィンテージ)」は3箇所に加えて、「襟回り」、「襟付け」、「ヨーク」、「ボタンホール」、「かんぬき」の計8箇所が手縫いとなっています。

また、たっぷりといせ込んだ肩先にギャザーを寄せた「パフスリーブ」、さらには背ヨークにもギャザーを施し、広い可動域で動かしやすいフィット感を実現しています。襟周りはハンドステッチが目立ちます。

 

柄は太めのストライプ。通年で着れそうな中肉シャンブレー生地のコットン100%。

 

シャンブレーとは

シャンブレーとは、「タテ糸に色糸・ヨコ糸に白糸(もしくはタテ糸とは別の色糸)」を使った平織り生地のことをいいます。シャンブレーの歴史は古く、フランス北部にある「カンブレー」という町が発祥の地といわれています。そして、町の名前がそのまま生地の語源になっています。(引用:nunocoto fabric

 

シャンブレーは色糸と白糸を使って織られているため、霜降り状のムラが特徴で生地面に奥行きがあります。また、平織りのため丈夫で色落ちが目立ちにくく、通気性に優れ、薄地で軽いです。光が当たると光沢感があり、上品な見た目で扱いやすい生地です。

 

ディテール

「New Vintage(ニューヴィンテージ)」ラインのタグ。HAND TAILOREDと書かれているとおり、手縫いが目立ちます。

 

ボタン、ボタンホール

ボタンの縫い付けとボタンホールは手縫い。厚く小ぶりな白蝶貝のボタンをザンパテグリアート(千鳥掛け、鳥足掛け)で根巻きされています。高さと傾斜のついたボタンは掛けやすい。

 

ドレスシャツのボタンホール処理が丁寧なのはよくありますが、カジュアルシャツでここまで美しいのはなかなか見ません。

 

前立て

前立ては縫い目が目立たないように第6ボタン以降にミシン目があります。タックインすれば縫い目が見えなくなるというわけですね。

 

襟型は「SERGIO」のホリゾンタルカラー。襟芯が入っていないため柔らかく、程よいヌケ感を演出します。

襟回りが手縫いで接着されており、ハンドステッチが目立ちます。手縫い感が前面に出るため好みは分かれるかもしれません。このカジュアルシャツは手持ちのシャツの中でも一際ハンドステッチが目立ちます。

 

カラーキーパー(カラーステイ)はロゴ入り。上襟と台襟は細かいミシン目でストライプ柄に合わせて丁寧に縫われています。

 

襟付けは手縫い。

 

前身ヨーク(肩)

襟と同じくハンドステッチが目立つ前身ヨーク(肩)。

 

ガゼット

フィナモレの「F」が刺繍されたガゼットも手縫いです。

ガゼットとは、裾の前身と後身が合わさった部分を補強すためのパーツ。この部分からシャツが裂けないようにするためのものですが、現在では縫製技術も進歩して実際はそこまで実用性はありません。高級シャツの証のようなものですね。

 

袖、剣ボロ

袖は2タック。ラウンドカフ。縁ギリギリを細かいミシン目で縫っています。剣ボロは柄合わせできており、かんぬき止めは手縫い。

 

裾巻き

裾巻き(裾の折り返し)は3mm。ミシン目に目立つズレはありません。

 

袖付け、アームホール

袖付け(アームホール)は手縫い。フィナモレのシャツはアームホールが深いのが特徴で腕が動かしやすいです。

 

たっぷりといせ込んだ肩先にギャザーを寄せたパフスリーブ。カジュアルシャツだからこそ許されるディテールですね。

 

背ヨーク(バックヨーク

バックヨークはミシン縫い。細かいギャザーが目立ちます。

 

背ダーツはないが肩から裾にかけて絞られています。ラウンドテール。

 

試着・サイズ感

袖を通すと、程よくハリのある生地のタッチが素肌に優しく気持ち良いです。

 

37サイズ。171cm、54kgの私で着丈はちょうど〜長め。袖丈はぴったり。

着丈77cm
肩幅39.5cm
袖丈62cm
身幅48cm

 

他のシャツブランドと比べてアームホールが深く、腕がかなり動かしやすいです。

 

前振りの袖付け。肩のいせ込みが目立ちます。

 

腰回りが絞られて逆三角形のシルエット。秋冬はインナーとして、春夏は1枚でタックイン、腕をまくってゆったりと着たいですね。

 

 

カジュアルシャツの人気に頷けるブランド

新しくできたニューヴィンテージラインのカジュアルシャツをレビューしました。機械化大量生産の時代に、あえて手縫いにこだわったシャツラインを生み出したフィナモレのこだわりを随所に感じることができます。ドレスシャツにも引けを取らない着心地の良さやシルエットの美しさが、百貨店で同ブランドのカジュアルシャツが人気である理由なのかもしれません。

 

Finamore(フィナモレ)のシャツの取扱い店舗

Finamore(フィナモレ)は、伊勢丹、BEAMSなど百貨店やセレクトショップで取扱いがあります。私が今回利用したGILTもオススメ。会員登録してブランドをお気に入り登録していれば、セールを通知してくれます。

→ GILT(ギルト公式サイト)

伊勢丹オンラインストア・伊勢丹オンラインストア TOP

BEAMS Online ShopBEAMS公式オンラインショップ

 

フィナモレを安く購入できる楽天ショップ

 

タグがヴィンテージっぽいので、初めはデットストックかと勘違いしました笑 今後は百貨店やセレクトショップでも取扱いが増えていくのでしょうか。手縫いオンパレードでクセがありますが、温かみのあるシャツです。

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