ケレタロ(Querétaro)
ケレタロ(Querétaro)は、メキシコシティから車で約3時間ほど北に位置するケレタロ州の基礎自治体。その州都のサンティアゴ・デ・ケレタロ(Santiago de Querétaro)は、歴史地区を中心に巨大なショッピングモールやビルが建ち並んでおり、メキシコの一大都市です。歴史的な建物が残るセントロ(中心街)は、「ケレタロ歴史的建造物地区」として1996年に世界文化遺産として登録されています。
世界遺産の街ケレタロを1日観光
2024年7月。アグアスカリエンテスから車で約4時間かけて出張した際に、金曜日に有休を取って世界遺産の街ケレタロを1日観光しました。
ホテル①:FUJITAYA Querétaro
仕事終わりの1日目は藤田観光株式会社が運営する「FUJITAYA」に宿泊。日本人駐在員や出張者御用達のホテルで、何と言っても大浴場と日本食の朝食ビュッフェがあるのが魅力。
クイーンルームの朝食付きで約2,300ペソ(17,500円)。部屋はとても清潔で、メキシコのホテルには通常置いていない歯ブラシもあります。また、受付横の冷蔵庫ではAki Postresという日本人パティシエのお店のスイーツを購入することができます。ラングドシャとブラウニーを買って食べましたが、バターやチョコの上品な味わいと程よい甘さで、日本で売っていても通いたくなるクオリティで感動しました。駐在員の奥様方が宿泊しなくてもリピート買いしに来るという評判なのがよくわかります。
トイレはウォシュレット付きでポカリスエットも無料でもらえます。大浴場は露天風呂付き。
ホテル内併設の日本食レストランGOENでは、朝は日本食の朝食ビュッフェ、夜はレストランとして営業しています。値段はかなり高め(写真の海鮮丼で約600ペソ、4500円ほど)。メキシコ駐在員のオアシスと呼ばれるホテルで前泊してゆっくりしました。
ホテル②:Hotel Boutique Casa Altamira
10時にFUJITAYAをチェックアウトし、観光スポットが集まるセントロの歴史地区近くのホテル「Hotel Boutique Casa Altamira」へ。観光地へ歩いて行ける立地の良さと専用無料駐車場があることからこのホテルを選びました。15時からチェックイン可能なため、駐車場に車を停めて、スーツケースを預けて観光へ。
ちなみに部屋はこんな感じ。ベッド以外は狭いですが、一人旅には問題なし。中庭を囲んで各部屋があります。クイーンベッドの一番安い部屋で1900ペソ(14,500円)。
ランチ:CAFÉ BRETON
11時。CAFÉ BRETONというフレンチカフェで早めのランチ。平日の金曜日なのに1階も2階もほとんど埋まっていて、運良く待たずに入れましたが、その後は待つ人がいるくらい人気でした。
生搾りオレンジジュース(55ペソ)を注文した後、フレンチプレート(230ペソ)、カプチーノ(60ペソ)を注文。チーズ、フルーツ、ヨーグルトなど色々乗っかった写真映えするプレートでした。素材の味そのままといった感じで感動する美味しさではなかったですが、健康的なランチでした。チップ10%込みで計380ペソ(2,900円)。ケレタロは大きな都市だけあって物価も高いです。
Plaza de Armas(アルマス広場)
上述したカフェのすぐ近くにあるのがアルマス広場。公園を囲んで州庁舎や裁判所など政府機関の建物が建ち並びます。
Santuario de La Congregación de Nuestra Señora de Guadalupe(グアダルーペ寺院)
広場から道沿いに見える2本の尖塔が目印の1680年に建設されたバロック様式の寺院。
メキシコで最も敬愛されている宗教的シンボル「グアダルーペの聖母」が主祭壇に掲げられています。
Parroquia de Santiago Apóstol(使徒サンティアゴ教区教会)
街の守護聖人であり、キリスト教の使徒、聖ヤコブ(スペイン語:サンティアゴ)を祀る教区教会。17世紀にイエスズ会によって建てられました。
Templo de San Antonio de Padua(聖パドヴァのアントニオ礼拝堂)
1677年に建てられたカトリック教会の聖パドヴァのアントニオ(聖アンソニー)の教会。
幼いキリストを抱く姿が有名で、縁結びや不妊症に悩む人々、愛、老人、動物の聖人です。
Monument of the Corregidora(コレヒドーラの記念碑)
メキシコの独立運動を主導したミゲル・イダルゴは有名ですが、そのイダルゴを支えた仲間の一人がJosefa Ortiz de Domínguez(ホセファ・オルティス・デ・ドミンゲス、別名:La Corregidora、ラ・コレヒドーラ)です。
蜂起直前に計画が漏れ、市長(コレヒドール)のミゲル・ドミンゲスの命令で捕まりそうになったイダルゴを、市長の妻でありイダルゴの仲間だったホセファが警告して逃げ切ることができ、決起を早めて無事に独立運動を開始できたというストーリーがあります。
この記念碑は1910年にメキシコ独立100周年を記念して建てられました。自由を象徴する松明を持ったコレヒドーラ、4羽の鷲、奴隷を象徴する男性像で構成されています。
Jardín Zenea(セネア庭園)、El Danzante Conchero Chichimeca(チチメカ族の踊り像)
後述するサン・フランシスコ聖堂の近くにある庭園。道路の向かい側の通りにはチチメカ族の踊り像があります。
Templo de San Francisco de Asís(サン・フランシスコ聖堂)
16世紀にケレタロで最も古い寺院として建てられ、その後改修を重ねて聖堂になり、現在は修道院の一部がケレタロ地方歴史博物館として運営されています。
金メッキのバロック様式の聖堂内は無料で入れます。
Fuente de Neptuno(ネプチューンの噴水)
世界各国にありますが、ケレタロにもネプチューンの噴水があります。この辺りは歴史地区の中心地でカラフルな建物も多いです。
Templo de Santa Clara(サンタ・クララ教会)
ケレタロ創始者の息子のDiego de Tapia(ディエゴ・デ・タピア)の命で17世紀に建てられた教会。
17世紀末から18世紀のスペイン独自のバロック様式、「チュリゲラ様式」で絢爛たる密な装飾が特徴で、外観では想像できないほど中は圧巻です。
Jardín Guerrero(ゲレロ庭園)
メキシコ独立革命で活躍し、第2代メキシコ大統領となったビセンテ・ラモン・ゲレロ・サルダーニャ(Vicente Ramón Guerrero Saldaña)へ捧げられた庭園。サンタ・クララ教会の旧敷地に1922年に建設されました。中心には像もあります。
広場を囲むように木が密集して植えられていて、市民の憩いの場になっています。
コーヒー:TuYo Café
ドリップコーヒーを飲みに「TuYo Café」というコーヒーショップに立ち寄りました。
奥のソファ席に座り、ハンドドリップコーヒー飲み比べセット3種を注文。コーヒー豆と一緒に運んできてくれました。浅煎りでそれぞれフレーバーも異なり美味しかったです。チップ込み200ペソ(1,500円)。
Templo de Santa Rosa de Viterbo(サンタロサ・デ・ビテルボ教会)
ケレタロ出身の建築家、Ignacio Mariano de las Casas(イグナシオ・マリアーノ・デ・ラス・カサス)によって18世紀初頭に建てられ、イタリアの聖人、ヴィテルボの聖ローズに捧げられた教会。目の前にはケレタロのモニュメントもあります。
南米原産で、メキシコでは一年中花を咲かせるブーゲンビリアの花がカラフルな建物と一緒に所々で見受けられます。何となくケレタロと言ったらこの花のイメージがあります。
緩やかな坂道を登りながらひたすら歩きます。途中、サンティアゴ市の由来でもある聖ヤコブ像があります。
Santuario y Exconvento de la Santa Cruz(サンタ・クルス修道院)
スペイン入植によりケレタロ州でも先住民とスペイン人との間で激しい戦いが起きていた際、1531年7月25日にサングレマル丘の上空に光輝く使徒サンティアゴ(聖ヤコブ)と巨大な十字架が現れ、先住民がスペイン軍に降伏してキリスト教へ改宗したという(宗教流布のために作ったような)伝説と勝利を記念し、丘にあった先住民族の神殿を壊して建設された修道院。
後から知ったのですが、有料ガイドツアーに参加すると、修道院の奥の中庭に入ることができ、そこには、当時、修道院の院長が突き刺した杖が成長して十字架の形をした棘を持つ大樹となったと信じられている木を見ることができるそうです。
アフリカでしか自生しないミモザ科の種であることが調査で分かっており、ここで生えているのは謎で、花も咲かせず、実もならない不思議な樹で、取り木で増やそうとしても枯れてしまう不思議な植物とのこと。
Pantheon of Illustrious Queretanos(ケレタロ著名人の神殿)
展望台の近くにある小さな神殿。ケレタロ著名人の像が建ち並びます。
Mirador de los Arcos(水道橋展望台)
ケレタロの街のシンボルである水道橋を一望できる展望台。周りにはお土産露店が建ち並びます。
Acueducto de Querétaro(ケレタロ水道橋)
ケレタロの街のシンボルであり、メキシコ最大の水道橋。17世紀後半以降、メキシコ第3の都市として工業的に発展したケレタロでは、水の汚染が問題となり、川の上流から都市内に水を運ぶために建設され、1738年に完成しました。
74個のアーチ、全長1,280m、高さ平均28.5mの巨大な建造物は一際目立ち、近くで見ると圧巻の大きさです。
交通量が多いので車には注意。夜は通りの雰囲気があまりよく無いので昼間に行くのがオススメです。
展望台まではサンタ・クルス修道院から一本道で行けます。ここから一旦ホテルに戻ってチェックインを済ませ、休憩した後に夕食へ。
夕食:Bistrot Chez Julien
夕食はレビュー評価の高かったフレンチレストランへ。歴史地区の中心にあり、店内は広くないですが、良い雰囲気です。念のため予約して行きましたが、メキシコ人の夕食は遅いため19時入店でも1組しかおらず、ゆっくりできました。
ハウス赤ワイン(140ペソ)、ハムとチーズのサラダ(230ペソ)、鴨肉ステーキ(Magret de pato、680ペソ)、チップ15%込みで計1,180ペソ(約9,000円)。かなり高級ディナーになってしまいましたが、特にイチジクが添えられた鴨肉ステーキがとても美味しかったので満足。
夜景撮影
20時前。日が落ちてライトアップされた建物を撮影しながら散歩。中心の歴史地区は人通りも多いのでスリに気を付けて遅い時間でなければ歩ける雰囲気です。
独立記念日には国旗カラーでライトアップされたりと、日によってはカラフルになりますが、この日の水道橋は地味な点灯でした。展望台はカップルや家族連れもいるので、途中の道で周りに気を付けながら歩けば問題なくたどり着けます。警察もパトロールしています。
水道橋の近くまで行って撮影しましたが、この辺りは夜は雰囲気が良くなくて怖かったので早歩きで撮って帰りました。夜に行くのはあまりオススメしません。その後ホテルに戻りました。
参考:ケレタロとペニャ・デ・ベルナルの1泊2日 観光スケジュール
ケレタロ1日、郊外の一枚岩Peña de Bernal(ペニャ・デ・ベルナル)を半日観光した際のスケジュールを参考までにNotionで公開しています。
メキシコシティから観光地への中継地点としてサクッと観光できる都市
ケレタロはメキシコシティからグアナファトやサン・ミゲル・デ・アジェンデへ行く途中にあるため、ツアーに組み込まれていることもあり、セットでサクッと観光できる都市です。世界で3番目に大きい一枚岩Peña de Bernal(ペニャ・デ・ベルナル)やワイナリーも有名です。治安も都市の中では悪くないほうなので、ぜひ訪れてみてください。
メキシコ観光地ツアー:VELTRA(ベルトラ) |