John Smedley(ジョンスメドレー)
John Smedley(ジョンスメドレー)は、かの有名なフローレンス・ナイチンゲールの叔父ピーター・ナイチンゲールとジョンスメドレーが1784年に創業し、現在に至るまでスメドレー一族によって経営されているファインゲージニットウェアブランド。
ジョンスメドレーといえば、30ゲージの編み目の細かい薄手の軽いニットウェアが定番品です。滑らかな肌触りと光沢がもたらす高級感は一目見て良いニットだと分かります。また、創業地が水辺だったこともあり、使用する水にまでこだわり、着心地の良い柔らかいニットを生産しています。
最高品質の素材
原材料の調達から衣服を完成させるまで全工程を一貫して自社で行っています。
メリノウール
シーアイランドコットン
春夏コレクションにはブランドのアイコン素材でもあるシーアイランドコットンを使用しています。シーアイランドコットン(海島綿)とは、カリブ海の西インド諸島の限られた島でのみ生産されるコットンで、シルクのような光沢とカシミアのような肌触りを併せ持つ最高級天然素材です。その希少性から宝石のように高く評価され、エリザベス1世が英国の王貴族のみで独占した歴史があるほど。世界中のどのコットンよりも細く(1/100mm)、長く(35mm以上の「超長繊維綿」)、光沢があり、柔らかく、強く、軽く、吸水性に富むという高機能コットン。
栽培条件が限られるため、一部の地域でのみ生産されています。ジョンスメドレーは「JOHN SMEDLEY’S SEA ISLAND COTTON」と呼ばれるジョンスメドレーの特注シーアイランドコットンを仕入れています。
オリジナルの色レシピ
原毛は加工した後、糸を紡ぎ、自社工場で染色されます。ジョンスメドレーはオリジナルの色レシピを有しており、染色技術者が化学物質、洗濯、発汗、摩耗による影響を厳密に検査し、全ての試験に合格したものが採用されています。
英国王室御用達「ロイヤルワラント」
世界各国の王室に商品を納入しているブランドに与えられる「王室御用達」の中でも代表的なイギリス王室の「英国王室御用達(ロイヤルワラント)」。
厳しい審査や管理を経て、王室が実際に使用し、英国王室に最低5年以上納品している実績があるものから英国女王、エディンバラ大公、ウェールズ公が認めたものだけにそれぞれの紋章が与えられます。認定されたブランドは与えられた紋章(最大3つ)を掲げることができます。5年ごとに審査があり、常に高品質の商品を提供することが求められます。
エリザベス女王が自ら店頭に足を運ぶほどジョンスメドレーの愛用者であったことから、2013年にエリザベス女王から、2021年にチャールズ皇太子からロイヤルワラントを授かっています。また、世界中のセレブが愛用し、007で度々着用されていることも有名です。
John Smedley(ジョンスメドレー)|新素材ウール混ニットポロ「CISIS」レビュー
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色違いで買い足しているくらいお気に入りのジョンスメドレーの定番ニットポロ「ISIS」。
2021年春夏シーズンから、「ISIS」を新素材で再提案した「CISIS」というモデルが発売されました。生地をエクストラファインメリノウール54%とシーアイランドコットン46%の新素材「ANGLO INDIAN GAUZE(アングロインディアガーゼ)」でアップデートした1着です。
ウールは秋冬のイメージが強いですが、実は年中使える天然素材。糸の撚り方を変えるだけで、サラッとした肌触りのサマーウールに早変わりします。コットンは吸水性が高いため、汗をかくと蒸れて暑くなりますが、サマーウールはうまく湿度をコントロールして蒸れを軽減してくれます。
セレクトショップでCISISを触る機会があり、サラッとしたドライタッチが良かったので通販で購入しました。
ディテール
ISISとの違いは後述しますが、シルエットは全体的にゆとりのある「Easy Fit(イージーフィット)」で、クラシックなモデルに採用されている定番型です。
明るい色が欲しかったので、LIGHT TAUPEという明るいベージュ色のものを購入しました。
控えめにキラキラと輝く貝ボタン。側面には「John Smedley」の文字が刻印されています。
ニットの着心地を左右する「編み合わせ」。いわゆるリンキングと呼ばれるもので、機械の歯に編み目を丁寧に差し込んでいく作業は職人技。
機械が導入されているとはいえ、動画のようにひと目ずつつなぎ合わせていく作業はとても労力がかかります。袖を通した時にごろつきを感じないのはこのリンキングの処理が丁寧な証です。
メリノウールには抗菌・消臭機能があり、汗のニオイを防いでくれます。発色の良さや耐久性も向上しています。
過去購入したジョンスメドレーのニットは替えボタンが別袋で付いていましたが、タグに縫い付ける仕様に変更になった?みたいです。
ISISとCISISの違い
ISISとCISISを見比べてみたところ、以下の違いがありました。
CISIS | ISIS | |
素材 | エクストラファインメリノウール54%、シーアイランドコットン46% | シーアイランドコットン100% |
襟型 | 襟の幅が広く、角度が広い(ワイドカラー寄り) | 襟の角度が狭い(レギュラーカラー寄り) |
手触り | サラッとドライタッチ | しっとり、ふわっとした起毛感もある |
生地の厚み、重量 | 生地が薄く、少し透け感があり、重量も軽め | 生地が厚めで、透け感無し |
着用感 | ISISに比べて袖口や裾のリブ周辺は緩め | CISISに比べて袖口や裾のリブ周辺がすぼまっている |
カラー展開も異なり、今のところISISのほうが色数は多いです。シルエットやサイズ感は同じです。
新品と4年ものなので正確な比較にはならないかもしれませんが、生地の透け感や起毛感が異なるので肌触りに違いが出てきます。
試着、サイズ感
サイズ | 着丈 | 身幅 | 肩幅 | 袖丈 |
S | 62cm | 51cm | 37cm | 26cm |
171cm、60kgの私でSサイズがジャストサイズです。
全体的なサイズ感はISISと同じですが、袖口はCISISのほうがゆとりがある感じがします。洗濯回数による違いで気のせいかもしれませんが、写真を見比べても袖口はCISISのほうが緩く見えます。
シーアイランドコットン100%のISISに比べて通気性が良いです。私は汗をかきにくい体質ですが、それでも湿度が高い暑い日にISISを着ると蒸れるので、CISISのほうが快適に過ごせそうです。
襟が大きく、ゆったり目なクラシックフィットで、光沢感のあるハイゲージニットポロはジャケットとの相性も良いです。
ジョンスメドレーのお手入れ
- 洗濯機と手洗い、どちらでも可(できれば手洗いが望ましい)
- 洗うときは裏返しにして、中性洗剤やウール用洗剤を使用する。
- ぬるま湯で洗う(目安:水温30度)
- ドラム式の乾燥機はNG
- 当て布使用してアイロン可
日常のお手入れ
着用後はハンガーにかけて吸った汗や湿気を発散させながら、馬毛ブラシでブラッシングして埃や汚れを払い落とします。ニットはハンガーにかけたままにすると型崩れするため、ブラッシング後は畳んで保管します。
ニットの手洗い方法
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ニットポロでも蒸し暑い夏を快適に過ごせる1着
ニットポロの蒸れを嫌って鹿の子ポロを着ていた人にも一度試して頂きたいジョンスメドレーの新モデル。
ISISのシーアイランドコットン100%の優しい肌触りを取るか、快適性のCISISを取るか、甲乙付けがたいのであとは好みです。私は今年の夏にじっくり着比べてみたいと思います。
オススメ度:★★★★★(5.0/5.0) |