森彦(MORIHICO.)
森彦(MORIHICO.)は北海道、札幌・旭川で14店舗のカフェ・レストランを運営するコーヒーカンパニー。Coffee & Somethingとあるように、コーヒーを販売するだけでなく、ライフスタイルや空間を提供しています。店舗ごとにコンセプトが異なり、店内の内装や雰囲気ががらりと変わっています。
取り扱うコーヒー豆は全て自社で焙煎しており、定番の深煎りコーヒー「森の雫」をはじめ、スペシャルティコーヒー、オーガニックコーヒーも取り扱っています。
コーヒーブームで珈琲専門店ではスペシャルティコーヒーが当たり前になり、中でもシングルオリジンの浅煎りコーヒーに特化したお店が数多くありますが、森彦(MORIHICO.)は中〜深煎りのブレンドコーヒーが美味しい珈琲専門店です。
シングルオリジンの浅煎りコーヒーがもてはやされていますが、風味豊かで特徴が際立つ分、豆によって好みが極端に分かれます。加えて、酸味が強い傾向にあるため、私のような酸味が苦手で苦味とコクが欲しい人にとっては好みのコーヒーを見つけるのに一苦労します。
一方で、ブレンドコーヒーは風味は控えめですが、味のバランスが良く、深煎りコーヒーも品揃え豊富で比較的安価という良さがあります。市販のブレンドコーヒーが品質や味に劣るため、シングルオリジン>ブレンドという印象構図が成り立ってしまっていますが、森彦(MORIHICO.)はそのブレンドコーヒーの印象を良い意味で覆してくれます。
【レビュー】梅雨、初夏を感じるブレンド。季節のコーヒー「リラ」
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自宅でコーヒーを淹れるため、定期的に珈琲専門店のコーヒー豆を通販で購入していますが、誕生日クーポンをもらったので、久しぶりに森彦(MORIHICO.)でコーヒー豆を購入しました。
今回購入したのは、定番人気商品の「No.1 モリヒコ・ブレンド(深煎り)」と「季節のコーヒー【リラ2021】」。No.1ブレンドは私好みの苦味とコクのある深煎り珈琲で、定期的にリピートしています。
森彦(MORIHICO.)は定番商品の他に、2、3カ月ごとに商品が切り替わる「季節のコーヒー」というシリーズを販売しています。「リラ」「エトワール」「オータム」「ノエル」といった毎年同じ商品名で、決まった期間に販売されます。ブレンドされる豆や割合に微妙な変化はあるかもしれませんが、その季節にぴったりの風味を味わうことができます。
季節のコーヒー「リラ2021」
目指したのは、初夏を彩るリラの様に甘く優しい香り。
リラ冷えの街はコーヒーの街。リラ-lilas-はフランス語で、英語名はライラック-lilac-
「リラ冷え」は榛谷美枝子さんの俳句で詠まれた、美しい北海道の季語です。春の訪れが遅い北海道ではリラの花咲くころに、急に冷え込むことを「リラ冷え」と言います。
季節のコーヒー「リラ2021」はリラの花びらの枚数と同じ、4種の豆をブレンドしました。
エチオピアの野性味のあるフローラルな香りとグァテマラのほのかに感じるグレープの様な甘みが特徴です。リラ冷えの季節、温かいコーヒーでほっとする時間をお楽しみください。(森彦)
中煎りの焙煎で、「エチオピア イルガチェフェ」、「グァテマラ」、「ブラジル」、「インドネシア」の4種がブレンドされています。
焙煎直後の新鮮な豆を届けてくれます。森彦(MORIHICO.)の焙煎技術により、冷凍保存で約1年美味しく飲めるのですが、私はいつも常温保存で2週間、冷凍保存で2カ月以内で飲みきっています。
チャック付きのガス抜き袋のため、キャニスターに移さなくても袋のまま保存できます。
袋を開けるとコーヒー豆の良い香りが広がります。
コク、ボディ(口当たり) | 重め |
甘味 | ☕️☕️○ |
酸味 | ☕️○○ |
苦味 | ○○○ |
総合点 | 85/100 |
梅雨、初夏を連想させるフローラルな香りと酸味、グレープの様な甘みが特徴的。酸味が苦手な私でも美味しく飲めるくらい酸味は控えめで、まろやかな甘味を強く感じます。苦味はほとんどありませんが、コク、ボディがしっかりしているので苦味がなくても程よく重厚感があって飲み応えがあります。
休日やテレワーク時の朝食後に飲んでいるのですが、雨が降っている時に飲むとコーヒーの風味と外の景色がマッチします。森彦の季節のコーヒーをいくつか飲んできましたが、本当によく季節をイメージしてブレンドされているなと感心します。他の珈琲専門店ではアイスコーヒーはあれど、「季節のコーヒー」と銘打って提案しているところは少ないので、これも森彦のコーヒーの特徴ですね。
「リラ」は酸味や苦味が控えめなので、極端に好き嫌いは分かれないブレンドだと思います。
残念ながら2021年の販売期間は終了してしまいましたが、また来年も飲んでみたいブレンドコーヒーでした。